コンテンツにスキップ

英文维基 | 中文维基 | 日文维基 | 草榴社区

へびつかい座アルファ星

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
へびつかい座α星[1]
Alpha Ophiuchi
仮符号・別名 ラサルハグェ[2], ラスアルハゲ[3],
Rasalhague[4][5]
星座 へびつかい座
見かけの等級 (mv) 2.07[1]
2.02 - 2.13(変光)[6]
変光星型 疑わしい[6]
位置
元期:J2000.0[1]
赤経 (RA, α)  17h 34m 56.06945s[1]
赤緯 (Dec, δ) +12° 33′ 36.1346″[1]
赤方偏移 0.000039[1]
視線速度 (Rv) 11.70km/s[1]
固有運動 (μ) 赤経: 108.07 ミリ秒/年[1]
赤緯: -221.57 ミリ秒/年[1]
年周視差 (π) 67.13 ± 1.06ミリ秒[1]
(誤差1.6%)
距離 48.6 ± 0.8 光年[注 1]
(14.9 ± 0.2 パーセク[注 1]
絶対等級 (MV) 1.2[注 2]
α星の位置
物理的性質
半径 2.5 R[7]
質量 2.40 M[8]
自転速度 219km/s[9]
スペクトル分類 A5III [1]
光度 29.19 L
表面温度 8,500 K[7]
色指数 (B-V) +0.15[9]
色指数 (U-B) +0.10[9]
色指数 (R-I) +0.08[9]
他のカタログでの名称
へびつかい座55番星[1]
BD +12 3252[1]
FK5 656[1], HD 159561[1]
HIP 86032[1], HR 6556[1]
SAO 102932[1]
LTT 15218[1]
NSV 9189[1]
Template (ノート 解説) ■Project
へびつかい座α星B[10]
物理的性質
質量 0.85 M[8]
スペクトル分類 K5V-K7V [10]
Template (ノート 解説) ■Project

へびつかい座α星は、へびつかい座で最も明るい恒星で2等星。

夏の大三角のうちベガアルタイルの2星とこの星を結ぶと、通常の三角形とは逆側にも三角形を描くことができる。

概要

[編集]

太陽の0.85倍ほどの質量の伴星が存在する[8]。伴星のB星はA星から平均7au離れた軌道を8.7年の周期で周回している[7]。現在、水素を使いきってヘリウム燃焼に移行する最初の段階を迎えていると考えられている[7]。他の白色巨星と同じように、ほんのわずかに変光する。ただし、肉眼でそれを見ることはできない[7]

名称

[編集]

語源

[編集]

固有名のラサルハグェ[2]ラスアルハゲ[3], Rasalhague[4][5])はアラビア語で「蛇を採る者の頭」[4]「へびつかいの頭」[3]を意味するラアス・アル=ハウワー(رأس الحواء, raʾs al-ḥawwāʾ)に由来。蛇を手でつかんだ男性の形をしているとされるへびつかい座の頭部に位置することからこの名前がついた[3]とされる。

رَأْسُ الْحَوَّاءِ

ラテン文字転写:raʾs al-ḥawwāʾ

実際のアラビア語休止形発音:ラッス・アル=ハウワーッ/ラァス・アル=ハウワーァ

学術的カタカナ表記:ラアス・アル=ハウワー

  • رأس(raʾs, 実際の発音:ラッス/ラァス):【名詞】頭[11][12]
  • الـ(al-, アル=):【定冠詞】英語のtheに相当
  • حَوَّاء(ḥawwāʾ, 実際の発音:ハウワーッ/ハウワーァ):蛇を捕る人、蛇を集める人;蛇飼い、蛇を所有している人[13][14]

固有名としての承認

[編集]

2016年7月21日、国際天文学連合の恒星の命名に関するワーキンググループ (Working Group on Star Names, WGSN) は、Rasalhague をへびつかい座α星Aの固有名として正式に承認した[5]

脚注

[編集]
  1. ^ a b パーセクは1 ÷ 年周視差(秒)より計算、光年は1÷年周視差(秒)×3.2615638より計算
  2. ^ 視等級 + 5 + 5×log(年周視差(秒))より計算。小数第1位まで表記
  1. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s t SIMBAD Astronomical Database”. Results for alf Oph. 2016年11月12日閲覧。
  2. ^ a b 原恵『星座の神話 - 星座史と星名の意味』(新装改訂版第4刷)恒星社厚生閣、2007年2月28日、148頁。ISBN 978-4-7699-0825-8 
  3. ^ a b c d 近藤二郎『アラビアで生まれた星の名称と歴史 - 星の名前のはじまり』(初)誠文堂新光社、2012年8月30日、120頁。 
  4. ^ a b c Paul Kunitzsch; Tim Smart (2006). A Dictionary of Modern Star Names. Sky Publishing. p. 44. ISBN 978-1-931559-44-7 
  5. ^ a b c IAU Catalog of Star Names”. 国際天文学連合. 2016年10月9日閲覧。
  6. ^ a b NSV”. Results for NSV 9189. 2015年10月20日閲覧。
  7. ^ a b c d e James B.Kaler. “Rasalhague”. STARS. University of Illinois. 2016年11月12日閲覧。
  8. ^ a b c VizieR Correlated Data from B/wds/notes”. VizieR. Centre de Données astronomiques de Strasbourg. 2016年11月12日閲覧。
  9. ^ a b c d 輝星星表第5版
  10. ^ a b SIMBAD Astronomical Database”. Results for * alf Oph B. 2013年1月25日閲覧。
  11. ^ The Living Arabic Project - رأس” (英語). livingarabic.com. 2024年1月25日閲覧。
  12. ^ معنى شرح تفسير كلمة (رأس)”. www.almougem.com. 2024年1月25日閲覧。
  13. ^ معنى شرح تفسير كلمة (حواء)”. www.almougem.com. 2024年1月25日閲覧。
  14. ^ قاموس نور - حواء”. qamus.inoor.ir. 2024年1月25日閲覧。

関連項目

[編集]