アイドル・レース
アイドル・レース The Idle Race | |
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別名 |
The Nightriders (1959年-1966年) The Idyll Race (1966年) |
出身地 | イングランド バーミンガム |
ジャンル |
サイケデリック・ロック サイケデリック・ポップ |
活動期間 | 1959年 - 1972年 |
レーベル |
リバティ・レコード サンセット・レコード |
共同作業者 |
ザ・ムーブ エレクトリック・ライト・オーケストラ スティーヴ・ギボンズ・バンド |
旧メンバー |
デイヴ・プリチャード ロジャー・スペンサー アル・ジョンソン ブライアン・コープ ビリー・キング マイク・シェリダン グレッグ・マスターズ ロイ・ウッド ジョニー・マン ジェフ・リン マイク・ホプキンス デイヴ・ウォーカー デイヴ・キャロル ボブ・ラム ボブ・ウィルソン スティーヴ・ギボンズ ボブ・グリフィン トレヴァー・バートン |
アイドル・レース (The Idle Race)は、1966年にデビューしたイギリスのロックバンド。ミュージシャンのジェフ・リンがレコード・デビュー及び、音楽プロデューサー・デビューしたバンドとして知られている。ジェフ・リンの作による、サイケデリックなサウンドを基とした楽曲群が好評を博し、カルト的な人気は得たものの、ブレイクには至らなかった。
略歴
[編集]1959年に、前身となる「The Nightriders」が結成された。数回のメンバーチェンジ、バンド名の変更の中で少なからずヒットを飛ばしたが、中核となっていたロイ・ウッドとマイク・シェリダンがバンドを脱退。ボーカリストとギタリストを募集する広告を出し、それを見たジェフ・リンが加入した。
1966年にバンド名をアイドル・レースと改称、かつてのバンドメンバーであるロイ・ウッドにシングル用の楽曲提供(「Here We Go Around The Lemon Tree」)を受けるも、ある理由[1]によりイギリスでは未発売となり、1967年1月にアメリカ、ヨーロッパのいくつかの国でリリースされた。
3月にシングル「Imposters Of Life's Magazine」を発表。作曲者はジェフ・リンであり、これが彼にとってのコンポーザー・デビューとなる[2]。
1968年にファースト・アルバムとなる『バースデイ・パーティ』を、その翌年にはセカンド・アルバム『アイドル・レース』を発表。後者のアルバムで、ジェフ・リンは音楽プロデューサーとしてのデビューを飾った。
2作とも評論家からは高い評価を受けるものの、大衆からの人気は得られず、ジェフ・リンがザ・ムーブに加入する形でバンドを脱退した。メンバーの補充後、3作目となるアルバム『Time Is』を発表するも、ヒットすることはなかった。度重なるメンバー・チェンジのうちにバンド名が「スティーヴ・ギボンズ・バンド」へと変わり、アイドル・レースは自然消滅することとなる。
メンバー
[編集]1966年 - 1970年
[編集]- デイヴ・プリチャード (Dave Pritchard) - リズムギター、ボーカル
- ロジャー・スペンサー (Roger Spencer) - ベース、ボーカル
- グレッグ・マスターズ (Greg Masters) - ドラム、ボーカル
- ジェフ・リン (Jeff Lynne) - リードギター、ボーカル、キーボード
1970年 - 1971年
[編集]- デイヴ・プリチャード (Dave Pritchard) - リズムギター、ボーカル
- ロジャー・スペンサー (Roger Spencer) - ベース、ボーカル
- グレッグ・マスターズ (Greg Masters) - ドラム、ボーカル
- マイク・ホプキンス (Mike Hopkins) - リードギター、ボーカル
- デイヴ・ウォーカー (Dave Walker) - ボーカル
1971年
[編集]- グレッグ・マスターズ (Greg Masters) - ドラム、ボーカル
- デイヴ・キャロル (Dave Carroll) - ギター
- ボブ・ラム (Bob Lamb) - ドラム
- ボブ・ウィルソン (Bob Wilson) - ギター
ディスコグラフィ
[編集]スタジオ・アルバム
[編集]- 『バースデイ・パーティ』 - The Birthday Party (1968年)
- 「誕生日会」をテーマにしたコンセプトアルバムである。ジャケットはパーティへの招待状を模しており、レコードの内開きには様々なミュージシャン[3]等の顔写真を、パーティに出席している体でコラージュしたものが使われている。
- 特筆無き曲はジェフ・リンの作品。
- "Skeleton and the Roundabout" – 2:26
- シングルカットされた。売れない回転木馬の運転手が主人公の物語仕立ての歌詞。
- "Happy Birthday" – 0:23
- 日本でも「ハッピーバースデートゥーユー」として知られるスタンダードのカバー。ヴァイオリンによるインストゥルメンタルで、次曲に続く幕間として挿入されている。
- "The Birthday" – 3:00
- チェロが挿入されている。歌詞は誕生日会を開いた少女の物語。
- "I Like My Toys" – 2:12
- ポップなアレンジやタイトルとは裏腹に、現代まで続くとある社会問題がテーマになっている。シングルカットされる計画があった(リリースされたという記録もあるが誤り)。
- "Morning Sunshine" – 1:48
- "Follow Me, Follow" – 2:48
- リードボーカルはデイヴ・プリチャード。サビはジェフが担当。
- "Sitting in My Tree" – 1:59
- "On With the Show" – 2:22
- この曲から始まるB面は初めと終わりをミュージカル風のサウンドコラージュで挟まれている。
- 2013年のインタビューにて、ジェフはアイドル・レースの好きな楽曲として「Skeleton and the Roundabout」「Come With Me」と共にこの曲を挙げた。[4]
- "Lucky Man" – 2:38
- 「ラッキーな男」による嘲笑的な物話がいくつか語られる。
- "(Don't Put Your Boys In The Army) Mrs. Ward" – 2:14
- "Pie in the Sky" – 2:23
- デイヴ・プリチャードの作品。
- "The Lady Who Said She Could Fly" - 2:22
- 後のエレクトリック・ライト・オーケストラを想起させる、分厚いオーケストラアレンジが施されている。
- "End of the Road" – 2:09
- シングルカットされた。
- 『アイドル・レース』 - Idle Race (1969年)
- 特筆無き曲はジェフ・リンの作品。プロデューサーもジェフ・リン。
- "Come With Me" - 2:45
- シングルカットされた。ジョージ・ハリスンが好きな曲として挙げた。
- "Sea Of Dreams" - 3:13
- "Going Home" - 3:44
- "Reminds Me Of You" - 2:54
- デイヴ・プリチャードの作品。
- "Mr. Crow and Sir Norman" - 3:17
- "Please No More Sad Songs" - 3:20
- "Girl At The Window" - 3:44
- 歌詞にビートルズのメンバーの名前が登場する。
- "Big Chief Woolly Bosher" - 5:15
- アメリカの植民地開拓時代を舞台にした楽曲。
- "Someone Knocking" - 2:56
- デイヴ・プリチャードの作品。
- "A Better Life (The Weatherman Knows)" - 2:45
- ジェフが現在に至るまで好んで歌詞に使う「雨」がテーマの楽曲。
- "Hurry Up John" - 3:33
- 「John」は彼らのローディの名前である。
- Time Is (1971年)
- ジェフ・リンがバンドを脱退してからのアルバム。ジェフが作曲した楽曲は収録されていない。
- "Dancing Flower" – 2:14
- シングルカットされた。
- "Sad O'Sad" – 3:28
- "The Clock" – 3:22
- "I Will See You" – 3:11
- "By the Sun" - 6:42
- "Alcatraz" – 4:02
- "And the Rain" – 2:52
- "She Sang Hymns Out of Tune" – 3:07
- "Bitter Green" – 3:45
- ゴードン・ライトフットのカバー
- "We Want It All" - 4:10
シングル
[編集]- "Here We Go 'Round the Lemon Tree"/"My Father's Son" (1967年)
- B面はデイヴ・プリチャードの楽曲
- "Imposters of Life's Magazine"/"Sitting in My Tree" (1967年)
- "The Skeleton and the Roundabout"/"Knocking Nails Into My House" (1968年)
- B面はジェフ・リンの楽曲。翌年にスレイドによってカバーされた。
- "The End of the Road"/"Morning Sunshine" (1968年)
- "Days of Broken Arrows"/"Worn Red Carpet" (1969年)
- A面はジェフ、B面はデイヴの楽曲。
- "Come With Me"/"Reminds Me of You" (1969年)
- 「イン・ザ・サマータイム」 - "In the Summertime"/"Told You Twice" (1969年)
- "Neanderthal Man"/"Victim of Circumstance" (1970年)
- "Dancing Flower"/"Bitter Green" (1971年)
脚注
[編集]- ^ 「Here We Go Around The Lemon Tree」をロイ・ウッド率いるザ・ムーブが先に発表してしまった。ラジオでも頻繁に流されていて、このまま発売するとカバーバンドとして見られてしまう恐れがあった。
- ^ しかし、作曲者の欄に名前を「G. Lynn」と誤植されてしまい、彼は大変なショックを受けたという
- ^ ザ・ムーブ、ビートルズ、ローリング・ストーンズ、エルヴィス・プレスリー、少年時代のジェフ・リンなどが見られる
- ^ http://www.goldminemag.com/article/jeff-lynne-revisits-his-roots-with-elo-and-classic-covers-projects
出典
[編集]http://www.jefflynnesongs.com/jlworks6.php