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アイム・ソー・タイアード

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ビートルズ > 曲名リスト > アイム・ソー・タイアード
アイム・ソー・タイアード
ビートルズ楽曲
収録アルバムザ・ビートルズ
英語名I'm So Tired
リリース1968年11月22日
録音
ジャンルブルースロック
時間2分03秒
レーベルアップル・レコード
作詞者レノン=マッカートニー
作曲者レノン=マッカートニー
プロデュースジョージ・マーティン
ザ・ビートルズ 収録曲
マーサ・マイ・ディア
(DISC 1 B-1)
アイム・ソー・タイアード
(DISC 1 B-2)
ブラックバード
(DISC 1 B-3)

アイム・ソー・タイアード」(I'm So Tired)は、ビートルズの楽曲である。1968年に発表された9作目のイギリス盤公式オリジナル・アルバム『ザ・ビートルズ』に収録された。レノン=マッカートニー名義となっているが、ジョン・レノンによって書かれた楽曲。1968年春にインドに滞在していた時期に書かれた楽曲で、歌詞では1日中瞑想をしていたことにより不眠症に陥り、精神的に疲れたレノンの心情が描かれている。1968年5月にイーシャーにあるジョージ・ハリスンの自宅でデモ音源がレコーディングされたのち、同年10月8日にEMIレコーディング・スタジオで正式なレコーディングが行われた。

背景・曲の構成

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1968年春にビートルズは、インドリシケーシュを訪れ、マハリシ・マヘーシュ・ヨーギーのもとで超越瞑想の修行を行っていた。修行を始めてから4週目に入った頃、レノンは禁止されていた煙草やアルコールを欲するようになっていた。また、レノンは当時まだ恋人であったオノ・ヨーコを呼び寄せることを考えていたが、当時の妻であるシンシア・レノンと共に生活するため、ためらい取りやめた[1][2]。リシケーシュで書かれた本作は、同じくレノン作の「アイム・オンリー・スリーピング」に通ずる気怠い印象を持った楽曲で、精神的に疲れたレノンの心情が描かれている。当時についてレノンは、1980年に「1日中瞑想をしていたせいで、夜眠れなくなってしまってね。そのせいですごく疲れていた」と振り返っている[3][4]

歌詞には、イギリスに喫煙の習慣を広めたウォルター・ローリー卿が登場しており、喫煙の習慣に対する嫌悪感を表現をするために「And curse Sir Walter Raleigh(そしてウォルター・ローリー卿を呪ってやるんだ)」と歌われている[4]。このフレーズについてポール・マッカートニーは「古典的なくだり。すごくジョンらしい」と語っている[4]

インドからの帰国後の1968年5月に、イーシャーにあるハリスンの自宅でデモ音源のレコーディングが行われた。この5か月後にスタジオでのレコーディングが行われたが、歌詞の変更は行われなかった[4]。当時レコーディングされたデモ音源は、2018年に発売された『ザ・ビートルズ (ホワイト・アルバム)〈スーパー・デラックス・エディション〉』のCD3に収録された[5]

1980年の『プレイボーイ』誌のインタビューで、レノンは「僕のお気に入りの曲の1つ。とにかくサウンドが良くて、歌も悪くないんだ」と語っている[3]

レコーディング

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「アイム・ソー・タイアード」のレコーディングは、1968年10月8日にEMIレコーディング・スタジオのスタジオ2で行われ、1回のセッションでオーバー・ダビングも含めて完成した[6][4]

レコーダーのトラック1にマッカートニーのベース、トラック2にリンゴ・スタードラム、トラック3にレノンのリズムギターとハリスンのリードギター、トラック4にレノンのリード・ボーカルが録音された[4]。この日にレコーディングされたテイクのうち、テイク14がメンバー全員が満足する仕上がりになり、トラック5にハーモニー・ボーカル、トラック6にエレクトリックピアノとギター、追加のドラム、トラック7にテープボックスに「遠く離れたエレクトリック・ギター」と記されたパートがオーバー・ダビングが施された[4]。このうち、トラック5に録音されたハーモニー・ボーカルとトラック7に録音されたギターのパートは、最終ミックス時に消去された。

曲の最後にレノンの口籠もったような呟きが収録されており、これを逆再生すると「Paul is a dead man. Miss him. Miss him. Miss him」と聞こえるということから[6][7]、1969年に広まった「ポール死亡説」の証拠の1つとして挙げられた。なお、実際には「Monsieur, monsieur, how about another one?(旦那さん、旦那さん、もう一ついかが?)」と呟いている[6]

評価

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2018年に『インデペンデント』誌のジェイコブ・ストルワーシーは、アルバム『ザ・ビートルズ』収録曲を対象としたランキングで、本作を18位に挙げた。本作について、ストルワーシーは「ジョン・レノンの物憂いボーカルは、今日まで驚くほど魅了され続けている。レノンがお気に入りとしているこの楽曲は『リボルバー』に収録の『アイム・オンリー・スリーピング』の続編としてみると最高だ」と評している[8]

クレジット

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※出典[4]

カバー・バージョン

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  • フィッシュ - 1994年10月31日にニューヨークで開催されたアルバム『ザ・ビートルズ』に収録の全曲をカバーするライブで演奏。このライブでの演奏は、2002年に発売された4枚組のライブ・アルバム『LIVE PHISH 13 10.31.94』で音源化された[9]

脚注

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出典

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参考文献

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  • ハウレット, ケヴィン (2018). ザ・ビートルズ (ホワイト・アルバム)〈スーパー・デラックス・エディション〉 (ブックレット). ビートルズ. アップル・レコード.
  • Lewisohn, Mark (1988). The Beatles Recording Sessions. New York: Harmony Books. ISBN 0-517-57066-1 
  • MacDonald, Ian (2005). Revolution in the Head: The Beatles' Records and the Sixties (Second Revised ed.). London: Pimlico (Rand). ISBN 1-84413-828-3 
  • Sheff, David (2000). All We Are Saying: The Last Major Interview with John Lennon and Yoko Ono. New York: St. Martin's Press. ISBN 0-312-25464-4. https://archive.org/details/allwearesayingla00lenn 
  • Womack, Kenneth (2016). The Beatles Encyclopedia: Everything Fab Four. ABC-CLIO. ISBN 1-4408-4427-5 

外部リンク

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