アイル・ビー・バック
「アイル・ビー・バック」 | ||||||||||
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ビートルズの楽曲 | ||||||||||
収録アルバム | 『ハード・デイズ・ナイト』 | |||||||||
英語名 | I'll Be Back | |||||||||
リリース | 1964年7月10日 | |||||||||
録音 |
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ジャンル | ロック | |||||||||
時間 | 2分20秒 | |||||||||
レーベル | パーロフォン | |||||||||
作詞者 | レノン=マッカートニー | |||||||||
作曲者 | レノン=マッカートニー | |||||||||
プロデュース | ジョージ・マーティン | |||||||||
チャート順位 | ||||||||||
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「アイル・ビー・バック」(I'll Be Back)は、ビートルズの楽曲である。イギリスでは1964年に発売された3作目のイギリス盤公式オリジナル・アルバム『ハード・デイズ・ナイト』、アメリカでは同年12月に発売されたキャピトル編集盤『Beatles '65』に収録された。レノン=マッカートニー名義となっているが、実質的にはジョン・レノンによって書かれた楽曲[2][3]。
背景・曲の構成
[編集]音楽評論家のイアン・マクドナルドによると、レノンがデル・シャノンが1961年4月に発表した「悲しき街角」のコードを参考にして本作を作曲したとのこと[3]。レノンも1980年の『プレイボーイ』誌のインタビューで「デル・シャノンの歌のコードを参考にした」と語っている[4][5]。
フラメンコ調のアコースティック・ギターと感情の複雑さを表した歌詞が特徴となっている。曲はヴァースと2つのブリッジで構成され、コーラスが存在しない[6]。
プロデューサーのジョージ・マーティンは、ビートルズのアルバムのオープニング・ナンバーとクロージング・ナンバーには「優位性がある」と判断した楽曲を使うことを好んでいた[7]。しかし、音楽評論家のイアン・マクドナルドは「『ハード・デイズ・ナイト』の最後に音色が曖昧になっていくこの曲は、驚くほど穏やかな別れの曲で、これから成熟していくことを示している」と指摘している[3]。音楽ジャーナリストのロバート・サンダールは、『モジョ』誌で「最も予言的だった初期のビートルズの楽曲。陰と陽で彩るアレンジは、『ラバー・ソウル』での内なる旅を予感させた」と述べている[8]。
レコーディング
[編集]「アイル・ビー・バック」は、1964年6月1日にEMIレコーディング・スタジオでレコーディングされた。16テイクのうち、最初の9テイクでリズムトラックが作成され、残りの7テイクでリード・ボーカルとハーモニー・ボーカル、アコースティック・ギターがオーバー・ダビングされた[9]。
当初は6/8拍子で演奏されており[6]、1995年に発売された『ザ・ビートルズ・アンソロジー1』には初期の2テイクが収録された。
クレジット
[編集]※出典[10]
- ジョン・レノン - ダブルトラックのボーカル、アコースティック・ギター(リズムギター)
- ポール・マッカートニー - ハーモニー・ボーカル、ベース
- ジョージ・ハリスン - ハーモニー・ボーカル[3]、クラシック・ギター、アコースティック・ギター
- リンゴ・スター - ドラム
カバー・バージョン
[編集]- バッキンガムズ - 1967年に発売されたアルバム『Time & Charges』に収録[11]。『ビルボード』誌が発表したフィリピンの音楽チャートで第1位を獲得した[12]。
- クリフ・リチャード - 1967年に発売されたアルバム『Don't Stop Me Now!』に収録[13]。
- ロジャー・ニコルズ&ザ・スモール・サークル・オブ・フレンズ - 1968年に発売されたアルバム『Roger Nichols & The Small Circle of Friends』に収録[14]。
- ウェス・モンゴメリー - 1968年に発売されたアルバム『Road Song』に収録[15]。
- ハーブ・アルパート&ザ・ティファナ・ブラス - 1969年に発売されたアルバム『The Brass Are Comin'』に収録[16]。
- ゴールデン・イヤリング - 1995年に発売されたアルバム『Love Sweat』に収録[17]。
- ショーン・コルヴィン - 2004年に発売されたアルバム『Polaroids: A Greatest Hits Collection』に収録[18]。
- ジョニー・リヴァース - 2004年に発売されたアルバム『Reinvention Highway』に収録[19]。
- UB40 - 2008年に発売されたアルバム『TwentyFourSeven』に収録。レゲエ調にアレンジされた[20]。
- モナリザ・ツインズ - 2015年にカバー演奏する動画を公開[21]。2018年に発売されたカバー・アルバム『Monalisa Twins Play Beatles & More, Vol. 2』で初音源化となった。
脚注
[編集]出典
[編集]- ^ “ultratop.be - The Beatles - I'll Be Back” (in French). Ultratop 50. 2022年3月27日閲覧。
- ^ Harry 2000, pp. 542–543.
- ^ a b c d MacDonald 2005, p. 119.
- ^ 『ジョン・レノンPlayboyインタビュー』集英社、1981年、156頁。ASIN B000J80BKM。
- ^ Sheff 2000, p. 25.
- ^ a b Esch, Jim. I'll Be Back - The Beatles | Song Info - オールミュージック. 2020年11月21日閲覧。
- ^ Martin 1994, p. 149.
- ^ Mojo 2002, p. 113.
- ^ Lewisohn 1988, p. 44.
- ^ Everett 2001, p. 242.
- ^ Unterberger, Richie. Time & Charges - The Buckinghams | Songs, Reviews, Credits - オールミュージック. 2020年11月21日閲覧。
- ^ “Hits of the World”. Billboard 79 (51): 37. (23 December 1967). ISSN 0006-2510 .
- ^ Eder, Bruce. Don't Stop Me Now - Cliff Richard | Songs, Reviews, Credits - オールミュージック. 2020年11月21日閲覧。
- ^ Eder, Bruce. Roger Nichols & the Small Circle of Friends - Roger Nichols & the Small Circle of Friends | Songs, Reviews, Credits - オールミュージック. 2020年11月21日閲覧。
- ^ Yanow, Scott. Road Song - Wes Montgomery | Songs, Reviews, Credits - オールミュージック. 2020年11月21日閲覧。
- ^ Ginell, Richard S.. Road Song - Wes Montgomery | Songs, Reviews, Credits - オールミュージック. 2020年11月21日閲覧。
- ^ Guarisco, Donald A.. Love Sweat - Golden Earring | Songs, Reviews, Credits - オールミュージック. 2020年11月21日閲覧。
- ^ Deming, Mark. Twentyfourseven - UB40 | Songs, Reviews, Credits - オールミュージック. 2020年11月21日閲覧。
- ^ Jurek, Thom. Reinvention Highway - Johnny Rivers | Songs, Reviews, Credits - オールミュージック. 2020年11月21日閲覧。
- ^ Severa, Alan. Twentyfourseven - UB40 | Songs, Reviews, Credits - オールミュージック. 2020年11月21日閲覧。
- ^ MonaLisa Twins (4 March 2015). I'll Be Back - MonaLisa Twins (Beatles Cover). 2020年11月21日閲覧。
参考文献
[編集]- Everett, Walter (2001). The Beatles as Musicians: The Quarry Men Through Rubber Soul. New York, NY: Oxford University Press. ISBN 0-19-514105-9
- Harry, Bill (2000). The Beatles Encyclopedia: Revised and Updated. London: Virgin Publishing. ISBN 0-7535-0481-2
- Lewisohn, Mark (1988). The Complete Beatles Recording Sessions. New York, New York: Harmony Books. ISBN 0-517-57066-1
- MacDonald, Ian (2005). Revolution in the Head: The Beatles' Records and the Sixties (Second Revised ed.). London: Pimlico (Rand). ISBN 1-84413-828-3
- Martin, George (1994). Summer of Love: The Making of Sgt.Pepper. Macmillan. ISBN 0-3336-0398-2
- MoJo Special Limited Edition: 1000 days of Beatlemania. EMAP Metro Limited. (2002)
- Sheff, David (2000). All We Are Saying: The Last Major Interview With John Lennon and Yoko Ono. Griffin. ISBN 0-3122-5464-4
外部リンク
[編集]- I'll Be Back - The Beatles