アイ・フィール・ライク・プレイング
『アイ・フィール・ライク・プレイング』 | ||||
---|---|---|---|---|
ロニー・ウッド の スタジオ・アルバム | ||||
リリース | ||||
ジャンル | ロック | |||
時間 | ||||
レーベル | イーグル・レコード | |||
プロデュース | ロニー・ウッド | |||
専門評論家によるレビュー | ||||
チャート最高順位 | ||||
| ||||
ロニー・ウッド アルバム 年表 | ||||
|
『アイ・フィール・ライク・プレイング』(I Feel Like Playing)は、イングランドのロック・ミュージシャン、ロニー・ウッドが2010年に発表した、ソロ名義では7作目のスタジオ・アルバム。
背景
[編集]ソロ名義での純粋な新作としては、『ノット・フォー・ビギナーズ』以来9年ぶりの作品に当たる[2]。スラッシュ(当時ヴェルヴェット・リヴォルヴァー)、ビリー・ギボンズ(ZZトップ)、フリー(レッド・ホット・チリ・ペッパーズ)、ボビー・ウーマックを含むゲスト・ミュージシャンに加えて、フェイセズで共に活動したイアン・マクレガン、ローリング・ストーンズのサポート・メンバーであるダリル・ジョーンズ等が参加した[2]。
「ホワイ・ユー・ワナ・ゴー・アンド・ドゥ・ア・シング・ライク・ザット・フォー」はクリス・クリストファーソンとの共作で、アルバムのクレジットでは「Additional Music by Kris Kristofferson」と記載されているが、ウッド自身は「歌詞を少し手伝ってもらった」と語っている[4]。「ラッキー・マン」は、パール・ジャムのメンバーであるエディ・ヴェダーが作詞に貢献しており、当初はヴェダーがレコーディングに参加するという噂もあったという[5]。「スプーンフル」はハウリン・ウルフのカヴァーで、ウッドは1960年代にThe Birdsのメンバーだった頃にも、この曲を演奏していた[5]。
「フォーエバー」は、ウッドのソロ・デビュー作『俺と仲間』(1974年)のためのセッションで作られた曲で、ウッド自身は「俺と一緒に35年間を過ごしてきたような曲だよ」「この曲をずっと見過ごしていたなんて、本当に残念なことだった」と振り返っている[6]。ただし、同曲は以前よりライヴで演奏されており、本作に先行して発売された「ファースト・バーバリアンズ」名義の発掘ライヴ・アルバム『ライヴ・フロム・キルバーン』にも収録されている[5]。
日本盤はボーナス・トラックが2曲追加され、SHM-CD仕様の限定盤(VQCD-10200)も発売された[2]。
反響・評価
[編集]日本では2週オリコンチャート入りし、2010年10月4日に最高95位を記録した[1]。ドイツでは2010年10月8日付のアルバム・チャートで75位となるが、翌週にはトップ100圏外に落ちた[3]。
Stephen Thomas Erlewineはオールミュージックにおいて5点満点中3点を付け「今回はスラッシュ、ビリー・ギボンズ、ボビー・ウーマック、フリーが、1974年の『俺と仲間』よりウッドが常套手段としてきたロック、レゲエ、ブルース、ブギーといった曲のコレクションに顔を出し、楽しい時間を過ごしている」と評している[7]。また、マーク・ケンプは『ローリング・ストーン』誌のレビューで5点満点中3.5点を付け「世界を変えるような作品ではないが、パフォーマンスは泥臭く心が込められている」と評している[8]。
収録曲
[編集]特記なき楽曲はロニー・ウッド作。
- ホワイ・ユー・ワナ・ゴー・アンド・ドゥ・ア・シング・ライク・ザット・フォー - "Why You Wanna Go and Do a Thing Like That for" (Ronnie Wood, Kris Kristofferson) - 5:28
- スウィートネス・マイ・ウィークネス - "Sweetness My Weakness" (R. Wood, Bernard Fowler) - 5:45
- ラッキー・マン - "Lucky Man" (R. Wood, Eddie Vedder, Paul Hyde, Bob Rock) - 5:03
- アイ・ゴッタ・シー - "I Gotta See" (R. Wood, B. Fowler) - 3:44
- シング・アバウト・ユー - "Thing About You" (R. Wood, Billy Gibbons) - 4:33
- キャッチ・ユー - "Catch You" (R. Wood, B. Fowler, P. Hyde, B. Rock) - 4:05
- スプーンフル - "Spoonful" (Willie Dixon) - 5:35
- アイ・ドント・シンク・ソー - "I Don't Think So" - 5:02
- 100% - "100%" (R. Wood, B. Fowler) - 4:56
- ファンシー・パンツ - "Fancy Pants" (R. Wood, B. Fowler) - 5:26
- テル・ミー・サムシング - "Tell Me Something" - 3:20
- フォーエバー - "Forever" - 4:45
日本盤ボーナス・トラック
[編集]- アイ・ドント・シンク・ソー(ジ・アーリー・セッション) - "I Don't Think So (The Early Sessions)" - 5:18
- テル・ミー・サムシング(ジ・アーリー・セッション) - "Tell Me Something (The Early Sessions)" - 3:12
参加ミュージシャン
[編集]- ロニー・ウッド - ボーカル(all songs)、ギター(all songs)、キーボード(on #2)、ベース(on #5)、ハーモニカ(on #10)
- スラッシュ - ギター(on #1, #2, #7, #10, #12)
- ボブ・ロック - ギター(on #3, #6)
- ビリー・ギボンズ - ギター(on #4, #5, #11)
- ワディ・ワクテル - ギター(on #8, #9)
- アイヴァン・ネヴィル - キーボード(on #1, #4, #7, #10, #12)
- イアン・マクレガン - キーボード(on #3, #6, #8, #9, #11)
- フリー - ベース(on #1, #4, #7)
- ダリル・ジョーンズ - ベース(on #2, #3, #6, #10, #12)
- リック・ローザス - ベース(on #8, #9, #11)
- ジム・ケルトナー - ドラムス(on #1, #3, #4, #6, #7, #10, #12)
- スティーヴ・フェローン - ドラムス(on #2, #5, #8, #9)
- ジョニー・フェラーロ - ドラムス(on #11)
- バーナード・ファウラー - ボーカル(on #4, #7, #12)、バッキング・ボーカル(on #2, #3, #5, #6, #8, #9, #11)
- ボビー・ウーマック - バッキング・ボーカル(on #3, #5, #8, #12)
- ブロンディ・チャップリン - バッキング・ボーカル(on #3, #5, #8)
- スキップ・マクドナルド - バッキング・ボーカル(on #11)
- ケヴィン・ギブス - バッキング・ボーカル(on #11)
- サラネラ・ベル - バッキング・ボーカル(on #11)
- カール・イーガン - ストリングス・アレンジ
脚注
[編集]- ^ a b c ORICON NEWS
- ^ a b c d “ローリング・ストーンズのロニー・ウッド、9年ぶりの最新ソロ作を発表”. CDJournal. 音楽出版社. 2019年12月19日閲覧。
- ^ a b Offizielle Deutsche Charts
- ^ 日本盤CD (VQCD-10201)ライナーノーツ「ロニー・ウッド最新インタビュー」(越谷政義)
- ^ a b c 日本盤CD (VQCD-10201)ライナーノーツ(山崎智之、2010年8月)
- ^ Vozick-Levonson, Simon (2010年9月23日). “Ronnie Wood on his new solo album, the sober life, and the Rolling Stones' next move: The Music Mix Q&A”. Entertainment Weekly. Meredith Corporation. 2019年12月19日閲覧。
- ^ Erlewine, Stephen Thomas. “I Feel Like Playing - Ron Wood”. AllMusic. 2019年12月19日閲覧。
- ^ Kemp, Mark (2010年9月28日). “I Feel Like Playing”. Rolling Stone. 2019年12月19日閲覧。