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アオマダラタマムシ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
アオマダラタマムシ
アオマダラタマムシ Nipponobuprestis amabilis
分類
: 動物界 Animalia
: 節足動物門 Arthropoda
: 昆虫綱 Insecta
: コウチュウ目(鞘翅目)Coleoptera
亜目 : カブトムシ亜目(多食亜目)Polyphaga
下目 : Elateriformia
上科 : タマムシ上科 Buprestoidea
: タマムシ科 Buprestidae
: マダラタマムシ属 Nipponobuprestis
: アオマダラタマムシ Nipponobuprestis amabilis
学名
Nipponobuprestis amabilis (Snellen van Vollenhoven, 1864)

アオマダラタマムシ Nipponobuprestis amabilisタマムシ科昆虫の1つ。タマムシよりかなり小さいが、日本のタマムシ類では中型のもので、金緑色にまだら模様がある。

特徴

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体長19~29mmの甲虫[1]頭部背面の中央付近は窪んでおり、その正中線の縦溝は不明瞭となっている。また側面の方には強い点刻が不規則に並んでいる。前胸背の両側面はそれぞれほぼ直線をなして前方に狭まり、前後両端の4角はいずれも尖る。背面には3本の縦条があり、中央の1条は細くて明瞭で、その中央に浅い縦溝がある。その両側にある各1条は太くて不明瞭で、更にその外側後方にはくぼみがある。点刻は強くて粗く大きいものが多くあり、往々に互いに癒合している。小楯板は見えるものの点状でしかない。前翅には4本の明瞭な隆起した条があり、それぞれ前後の接合部でも明瞭に隆起している。第2条の途中に2個の丸い陥没部があり、そこは金色を帯びる。叉状の間にはまばらに金色の小さな円形の紋がある。前翅外側の縁の、先端側2/5の部分には強い鋸歯が出ており、また先端は小さな犬歯状の突起で終わる。腹面では前胸突起の中央に浅い溝があり、また腹部末端の節は雄では深く抉られる。

体色は全体に金緑色、または金銅色をなし、隆起部分は黒みを帯びる。腹面と歩脚は明るい金緑色で、触角は基部の3節が青緑色で、そこから先は黒い。なお、時に橙色や赤色を帯びる個体もある[2]

分布

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日本では本州の関東以西、四国九州、それに対馬から知られる[2]福島県が生息の北限とされていたが、2023年7月に栃木県で存在が確認された[3]

生態など

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成虫は5~8月に出現する[4]。成虫はリンボクヤマザクラなどサクラ属の植物の葉を食べる。幼虫アオハダソヨゴイヌツゲなどのモチノキ科の材を食べる。

分類など

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本種の属するマダラタマムシ属にほもう1種、以下の種がある[5]

  • Nipponobuprests querceti クロマダラタマムシ
本種に似ており大きさもほぼ同じで、青緑色に赤みを帯びた体色をしており、また前翅の前後に並ぶ2個の斑紋はない。分布もほぼ同じで、ただしこの種は中国にも分布する。

出典

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  1. ^ 以下、主として石井他編(1950) p.1121
  2. ^ a b 黒澤他編著(1985) p.5
  3. ^ 下野新聞SOON
  4. ^ 以下、主として福富他(2022) p.22
  5. ^ 以下、黒澤他編著(1985) p.4~5

参考文献

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  • 黒澤良彦他編著、『原色日本甲虫図鑑(III)』、(1985)、保育社
  • 石井悌他編、『日本昆蟲圖鑑』、(1950)、北隆館
  • 福富宏和他、『森の宝石。タマムシハンドブック』、(2022)、文一総合出版