アオミズ
アオミズ | |||||||||||||||||||||||||||
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福島県会津地方 2016年9月
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分類(APG III) | |||||||||||||||||||||||||||
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学名 | |||||||||||||||||||||||||||
Pilea pumila (L.) A.Gray (1848)[1] | |||||||||||||||||||||||||||
シノニム | |||||||||||||||||||||||||||
和名 | |||||||||||||||||||||||||||
アオミズ(青みず)[4] |
アオミズ(青水[5]・青みず、学名: Pilea pumila )は、イラクサ科ミズ属の一年草。多汁でやわらかい[4][6][7]。中国名は、透莖冷水花(別名:透莖冷水麻)[1]。
名前の由来
[編集]和名のアオミズ(青みず)は、茎がみずみずしく草全体が緑色であるため[6]。
分布と生育環境
[編集]日本では、北海道、本州、四国、九州に分布し[5]、国外では、朝鮮半島、中国大陸、シベリア東部、北アメリカ大陸に分布する[6][7]。林縁や林内の湿った場所に生育する[4][6][7]。
特徴
[編集]一年生の草本[5]。茎は緑色で無毛、直立して高さ30 - 50センチメートル (cm) になる。茎に多くの水分を含んでおり、透明感があって瑞々しい[5]。葉は葉とほぼ同長の葉柄がついて対生し、葉身は長さ3 - 10 cmの菱状卵形で3本の葉脈が通り[5]、葉の先端は尾状にとがり、基部は広いくさび形になる。葉縁には三角形の大きな鋸歯が5 - 10対ある。托葉があり、小型で長さ1 - 2ミリメートル (mm) [4][6][7]。
花期は7 - 8月[5]。雌雄同株[5]。葉腋から左右1対の雄花と雌花が混生した長さ1 - 3 cmの集散花序をだす。花は小さすぎてはっきりしない[5]。雄花には花被片が2個、雄蕊が2個ある。雌花には線形の花被片が3個あり、花が終われば果実を包む。果実は、長さ1ミリメートル (mm) 前後の広卵形の痩果になり、少し隆起した褐色の細かい点がある[4][6][7]。
食用
[編集]やわらかい茎と葉の部分を食用とする[5]。採取適期は7 - 9月ごろとされる[8]。味に特別なクセはなく、さっと湯がいてから、おひたし、白和えなどの和え物、卵とじなどにして食べる[5]。
脚注
[編集]- ^ a b 米倉浩司・梶田忠 (2003-). “Pilea pumila (L.) A.Gray アオミズ(標準)”. BG Plants 和名−学名インデックス(YList). 2023年7月9日閲覧。
- ^ 米倉浩司・梶田忠 (2003-). “Pilea mongolica Wedd. アオミズ(シノニム)”. BG Plants 和名−学名インデックス(YList). 2023年7月9日閲覧。
- ^ 米倉浩司・梶田忠 (2003-). “Pilea viridissima Makino アオミズ(シノニム)”. BG Plants 和名−学名インデックス(YList). 2023年7月9日閲覧。
- ^ a b c d e 『山溪ハンディ図鑑2 山に咲く花(増補改訂新版)』p.350
- ^ a b c d e f g h i j 川原勝征 2015, p. 22.
- ^ a b c d e f 『新牧野日本植物圖鑑』p.51
- ^ a b c d e 『改訂新版 日本の野生植物2』p.350
- ^ 川原勝征 2015, p. 128.
参考文献
[編集]- 大橋広好・門田裕一・木原浩ほか編『改訂新版 日本の野生植物 2』平凡社、2016年。
- 門田裕一監修、永田芳男写真、畔上能力編『山溪ハンディ図鑑2 山に咲く花(増補改訂新版)』山と溪谷社、2013年。
- 川原勝征『食べる野草と薬草』南方新社、2015年11月10日、22頁。ISBN 978-4-86124-327-1。
- 牧野富太郎原著、大橋広好・邑田仁・岩槻邦男編『新牧野日本植物圖鑑』北隆館、2008年。
関連項目
[編集]- ウワバミソウ - 山菜名「ミズ」で知られ、茎が赤いものは「赤ミズ」ともよばれている。