アデホビル
IUPAC命名法による物質名 | |
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臨床データ | |
胎児危険度分類 |
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法的規制 |
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薬物動態データ | |
生物学的利用能 | 59% |
半減期 | 7.5 hours |
データベースID | |
CAS番号 | 106941-25-7 |
ATCコード | J05AF08 (WHO) |
PubChem | CID: 60172 |
DrugBank | APRD00781 |
KEGG | D02768 |
化学的データ | |
化学式 | C8H12N5O4P |
分子量 | 273.186 g/mol |
アデホビル(またはアデフォビル、Adefovir)とは、DNAアナログで、B型慢性肝炎の治療に用いられる逆転写酵素阻害剤である。2つのピボキシル基が導入されたアデホビルピボキシル(adefovir pivoxil、Bis(2,2-dimethylpropanoyloxymethyl)[2-(6-amino-9H-purin-9-yl)ethoxymethyl] phosphonate)が製剤として用いられており[1][2]、通常、これについてもアデホビルとして慣用的に呼称される[3][4][5]。商品名はヘプセラ錠10。 グラクソ・スミスクライン株式会社より販売されていたが、2022年5月をもって販売が中止された。
薬理
[編集]B型肝炎ウイルス(hepatitis B virus, 以下HBV)は、その生活環のなかでRNAからDNAへの逆転写を行う。ヒトは逆転写を必要としないので、この段階を阻害すればHBVの複製のみを阻止できる。ラミブジンも同様の効果をもつが、逆転写酵素の変異により、薬効を失うことがある。アデホビルはラミブジン抵抗性となる逆転写酵素にも効果があり、複製阻害によりウイルスの増殖を阻止する。HBV共有結合閉環DNA (cccDNA) と呼ばれる段階でのウイルスDNAには作用せず、cccDNAは細胞内に残存するため、継続的に服用する必要がある。
日本では、ラミブジンとの併用が原則であったが、2008年9月よりアデホビル単独での治療が認可された[6]。
副作用
[編集]重大な副作用とされているものは、腎不全、ファンコーニ症候群等の重度の腎機能障害、骨軟化症、骨折、乳酸アシドーシス、脂肪沈着による重度の肝腫大である[7]。
ファンコーニ症候群を発症し骨折を引き起こす事があるので、投与中は定期的に血清リンおよびアルカリホスファターゼを定期的に測定する必要がある[8]。
脚注
[編集]- ^ グラクソ・スミスクライン 2009, p. 2.
- ^ グラクソ・スミスクライン 2009, p. 9.
- ^ 宮崎将之「ラミブジン耐性B型肝硬変に対しアデフォビル併用療法を開始し,4年後にアデフォビル耐性遺伝子変異によるbreakthrough hepatitisを認めた1例」『肝臓』第50巻第9号、2009年、514-519頁、doi:10.2957/kanzo.50.514、ISSN 0451-4203、2010年5月16日閲覧。論文p519の英題も参照のこと。
- ^ 慶應義塾大学医学部消化器内科. “B型慢性肝炎”. 慶應義塾大学. 2010年5月16日閲覧。[リンク切れ]
- ^ “平成20年度治療ガイドラインの概説(熊田班)”. 国立国際医療研究センター. 2010年4月12日時点のオリジナルよりアーカイブ。2010年5月16日閲覧。
- ^ グラクソ・スミスクライン 2009, p. 3.
- ^ “ヘプセラ錠10 添付文書” (2017年12月1日). 2019年1月22日閲覧。
- ^ “へプセラ錠適正使用に関するお願い” (PDF). グラクソ・スミスクライン (2015年7月). 2015年7月7日閲覧。
参考文献
[編集]- “ヘプセラ錠10” (PDF). グラクソ・スミスクライン (2009年8月). 2010年9月23日時点のオリジナルよりアーカイブ。2010年5月16日閲覧。