エンテカビル
IUPAC命名法による物質名 | |
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臨床データ | |
ライセンス | EMA:リンク、US FDA:リンク |
胎児危険度分類 |
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法的規制 |
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薬物動態データ | |
血漿タンパク結合 | 13% |
半減期 | 128–149 時間 |
排泄 | 腎排泄 62–73% |
データベースID | |
CAS番号 | 142217-69-4 |
ATCコード | J05AF10 (WHO) |
PubChem | CID: 153941 |
DrugBank | APRD00948 |
化学的データ | |
化学式 | C12H15N5O3 |
分子量 | 277.279 g/mol |
エンテカビル(Entecavir、商品名:バラクルード)とは、DNAアナログで、B型慢性肝炎の治療に用いられる逆転写酵素阻害剤の一つである。
B型肝炎ウイルス(hepatitis B virus, 以下HBV)は、その生活環のなかでRNAからDNAへの逆転写を行う。ヒトの細胞は逆転写を必要としないので、この段階を阻害すればHBVの複製のみを阻止できる。複製阻害によりウイルスの増殖は阻止できるが、HBV共有結合閉環DNA(cccDNA)と呼ばれる段階でのウイルスDNAには作用せず、cccDNAは細胞内に残存するため、継続的に服用する必要がある。
適応症
[編集]- 慢性B型肝炎
- 急性B型肝炎は適応外であるが処方されることがある。
副作用
[編集]臨床試験での副作用発現率は29.8%で、主なものは鼻咽頭炎(8.3%)、頭痛(4.8%)、下痢(2.4%)、背部痛(2.4%)、不眠症(2.4%)、リパーゼ増加(13.1%)、ALT(GPT)上昇(8.3%)、AST(GOT)上昇(6.0%)等であった[1]。
重大な副作用欄には、肝機能障害、投与終了後の肝炎の悪化(6% 海外の臨床試験では12%とも)、アナフィラキシー様症状、乳酸アシドーシスが記載されている。
特徴
[編集]薬理学的な特徴として、逆転写酵素阻害以外に、エンテカビルによるプライミング阻害、マイナス鎖HBV-DNA→プラス鎖HBV-DNA合成阻害がある。
瀰漫性大細胞型B細胞性リンパ腫(DLBCL)で、R-CHOP療法(リツキシマブ、シクロホスファミド、ドキソルビシン、ビンクリスチン、プレドニゾロン)を受ける患者に対し、エンテカビルの投与はR-CHOP後のB型肝炎ウイルス(HBV)関連肝炎の予防効果が高いことが判明した。エンテカビル投与群ではHBV関連肝炎発生率は0%と報告された[2]。
脚注
[編集]- ^ “バラクルード錠0.5mg” (2016年4月). 2016年5月27日閲覧。
- ^ Huang H, Li X, Zhu J, Ye S, Zhang H, Wang W et al. (2014). “Entecavir vs lamivudine for prevention of hepatitis B virus reactivation among patients with untreated diffuse large B-cell lymphoma receiving R-CHOP chemotherapy: a randomized clinical trial.”. JAMA 312 (23): 2521-30. doi:10.1001/jama.2014.15704. PMID 25514302 .