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アニエス・ジアール

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
アニエス・ジアール
生誕 1969年9月1日 ウィキデータを編集 (55歳)
ヴァンヌ ウィキデータを編集
出身校
職業 人類学者, 著作家, ジャーナリスト ウィキデータを編集
受賞
  • Sade Prize (2016年) ウィキデータを編集
公式サイト http://japinc.org/ ウィキデータを編集

アニエス・ジアール(Agnès Giard、1969年9月1日 - )は、ヴァンヌ出身のフランス人類学者著作家ジャーナリスト。パリ·ナンテール大学の人類学者。日刊紙 Liberation では恋愛の人類学に関する週刊コラムを担当している[1]

イタリア、ベルギー、ドイツ、フランス、日本の人類学、社会学、記号学の研究者と共に、乙女ゲーム、美少女ゲーム、恋愛アプリ、VTuberなどを専門として活動している。

現在の研究テーマは、「現代日本における、恋愛·結婚」。

経歴

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■生い立ち

・11歳の時に、宇宙海賊キャプテンハーロック(松本零士)のファンになったことから、日本のマンガ・アニメ文化への関心を高める。

・1993年、フランス人のアニメファンに対する有り勝ちな偏見に関して、修士論文を書く。

・同時期、アニメや漫画に関連したフランス初の同人誌(animelandとTsunami)で活動を始め、その後、恋愛の人類学に関するジャーナリストとなる。

・1997年からは、日本の恋愛に関する本を書くことと、着ぐるみ、コスプレ、関節人形、同人誌などのオタクサークルに関わる人々に会うために定期的に来日。社会現象や文化現象を取材する。

・恋愛ゲーム(二次元キャラクターとの恋愛)、推し活、祭壇、召喚装置(VR/ARまたはホログラフィック·ディスプレイ)等の文化に触れる。

■日本のサブカルチャー(人形等)に関する研究

・2006年にフランスで、2010年に日本で『L’Imaginaire Erotique au Japon / エロティック·ジャポン 』(河出書房新社、二村淳子訳))を出版した。

・2008年にはバルセロナのギャラリー《Artz21》で日本美術展を企画した。

 その後、日本に関する数多くの文化イベントに携わる。(パリのケ·ブランリ美術館「Musée du quai Branly」やギメ東洋美術館「Musée Guimet」の展覧会、講演、美術学院におけるワークショップなど)。

・2008年に『Dictionnaire de l’amour et du plaisir au Japon / 仮題:日本における愛と快楽の辞典』を出版する。

・2009年に『Les Objets du désir au Japon /  仮題:日本における欲望の対象』を出版する。

・2010年に来日した際は、京都のヴィラ九条山(フランスの公式文化施設)に研究滞在し、市松人形職人、文楽師、からくり職人、日本の伝統芸術の専門家と出会う。

・2015年、日本の擬人化された物体における存在の影響に焦点をあてた[2][3]、人類学の博士論文を執筆した[4]

・2016年、「Un Désir d’Humain, Les love doll au Japon(仮題:人間の願望、日本のラブドール)」を出版。

 本書は、人間と人形の相互コミュニケーションについてラブドールの持ち主とメーカーたちの考え方をフランスに紹介した。本書は2017年、ICASブックプライズから「アジア研究分野でフランスで出版されたベスト5冊」の1冊として表彰されている[5]

・2016年、京都の有名な顔師と傀儡師に関する新しい企画で、ルイ·デュモン賞を受賞した。「人間科学会館」(FMSH)の支援を受けた。

 並行して、彼女は日本のロボット工学にも取り組み始め、モノがどのようにアニメーション化されるかを理解しようとしている。

■二次元キャラクターとの恋愛に関する研究

・2017年に、パリ·ナンテール大学の協力を得て、「日本でのキャラ化文化」に関した第一回国際会議をフランスにて開催した[6]。 2018年[7]、2019年[8]、2020年[9]にも継続開催。

・2018-2019年に京都大学(日本学術振興会)の客員研究員となる。

・2019-2022年にヨーロッパの研究プロジェクトEMTECH「感情を持つ機械:日本におけるデジタル親密さ」の研究員となる[10]

・2024年、「二次元カウンターカルチャー」に関する書籍プロジェクトが日仏学館から研究助成を受ける[11]

著作

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  • 二村淳子 訳『フェティッシュ・モード Fetiche et bizarre photog』ワイレア出版 、2003年。ISBN 978-4813007647 
  • 二村淳子 訳『エロティック・ジャポン』河出書房新社、2010年。ISBN 978-4309245348 
  • 山本規雄 訳『[図説]"特殊性欲"大百科 "ビザール"の生態学』作品社、2015年。ISBN 978-4861825385 
  • 谷川渥 訳『愛の日本史:創世神話から現代の寓話まで』国書刊行会、2018年。ISBN 978-4336062703 

参考文献

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  1. ^ Blog Les 400 culs : actualités, enquêtes et infos en direct” (フランス語). Libération. 2024年7月11日閲覧。
  2. ^ Présentation sur le site du LESC (Laboratoire d’ethnologie et de sociologie comparative) de l’université Paris Nanterre.
  3. ^ Giard, Agnès (29-06-2015). Paris 10: “Humanité désirée, humanité simulée : etude de l'effet de présence dans les objets anthropomorphiques au Japon” (livre). 2022年5月4日閲覧。
  4. ^ Directrice : Laurence Caillet.
  5. ^ Book award | Gis Asie”. www.gis-reseau-asie.org. 2024年7月15日閲覧。
  6. ^ Combessie, Philippe (2017年5月7日). “Colloque international : “L’attachement aux cyber-choses”, 15-16 juin 2017, Nanterre” (フランス語). Le Carnet du Sophiapol. 2024年7月15日閲覧。
  7. ^ Colloque – « Techno-réalités et créatures affectives : les dispositifs de simulation amoureuse » | Ludocorpus” (フランス語) (2018年5月28日). 2024年7月15日閲覧。
  8. ^ Symposium “Emotional Attachment to Machines: New Ways of Relationship-Building in Japan”, Berlin | H-Net”. networks.h-net.org. 2024年7月15日閲覧。
  9. ^ DESIRED IDENTITIES” (フランス語). www.quaibranly.fr. 2024年7月15日閲覧。
  10. ^ FU Staff” (英語). www.geschkult.fu-berlin.de (2018年10月29日). 2024年7月15日閲覧。
  11. ^ 62 artisans, artistes et auteurs lauréats du programme MIRA 2024 | Institut français” (フランス語). www.institutfrancais.com. 2024年7月15日閲覧。

外部リンク

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