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タウリン

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
タウリン
Skeletal formula of taurine
Ball-and-stick model of the taurine zwitterion{{{画像alt1}}}
Space-filling model of the taurine zwitterion{{{画像alt2}}}
識別情報
CAS登録番号 107-35-7 チェック
PubChem 1123
ChemSpider 1091 チェック
UNII 1EQV5MLY3D チェック
DrugBank DB01956
KEGG C00245
ChEBI
ChEMBL CHEMBL239243 チェック
2379
特性
化学式 C2H7NO3S
モル質量 125.15 g mol−1
密度 1.734 g/cm3 (at -173.15 ℃)
融点

305.11 °C, 578 K, 581 °F

酸解離定数 pKa <0, 9.06
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。

タウリン: taurine [ˈtɔːrn])は、構造式H2N-CH2-CH2-SO3H の物質。別名アミノエチルスルホン酸IUPAC名は「2-アミノエタンスルホン酸」。常温では無色の柱状結晶水溶性であり、エタノールには不溶。分子量 125.15。約300で分解する。

生体中のほとんど全ての組織に存在する。植物に含まれている量はわずかで、動物、特にイカタコ貝類甲殻類魚類(血合肉)など魚介類に豊富に含まれる[1]ヒトなど哺乳類では心臓骨格筋肝臓網膜など各組織や、胆汁母乳などの体液に広く分布している[2]

タウリンは生体内で重要な働きを示す分子であり、含硫アミノ酸から合成される。なお、タウリンはカルボキシル基を持たないためアミノ酸には分類されないが、似ている物質であるため[3]アミノ酸の一種と説明されることがある[4][5]。タウリンは、原則としてタンパク質を構成せず[6]DNA遺伝暗号にもコードされていない(「タンパク質を構成するアミノ酸」参照)。このため、通常は遊離状態で種々の動植物の組織中に見出される[7][8]

有機合成化学ではシスタミン酸化システアミンの酸化のほか、ブロモエタンスルホン酸アンモニアなどから誘導される。

生合成と代謝

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合成経路においてはまず、タンパク質の構成成分にもなる含硫アミノ酸であるシステインからシステインジオキシゲナーゼによりシステインスルフィン酸が合成される。このシステインスルフィン酸がシステインスルフィン酸デカルボキシラーゼ(スルフィノアラニン・デカルボキシラーゼ)により脱炭酸されてヒポタウリンが生成され、ヒポタウリンが酸化されてタウリンが合成される。ヒトはこれらの合成経路の酵素を持つため、自らタウリンを合成することができる。

胆汁酸縮合したタウロコール酸はコリル・コエンザイムAとタウリンから合成される。

機能

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タウリンには、身体や細胞を正常状態で保つ作用(恒常性)がある。たとえば、血圧上昇に対する下降作用などがこれに該当する。特に、肝臓に対して働きかける作用を持ち、大まかに分類すると以下のようになる。

また、タウリンは抑制性神経伝達物質として想定される[9][8]。動物の体内における血中濃度の低下や欠乏と老化促進、摂取・投与と老化抑制の関連を示唆する研究報告がある[10][11][12](後述)。

ヒトとタウリン

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タウリンは体内で主に肝臓で生合成されるか、摂取する食物を介して補給される[13]。ヒト、鳥類ネズミなどは体内でアミノ酸のメチオニンシステインから合成することができるため、食事からの摂取が必須な栄養素ではない[13][2]ネコキツネなど、獲物からタウリンを得ていた肉食系の動物は、タウリンを体内で合成する能力が極端に低いため、食事からの摂取が必須な栄養素である[14][15]。ヒトの新生児もタウリンを合成する能力が低く、母乳の初乳中に大量に含まれることから必須の成分であると考えられている[6]。そのため1980年代初頭から、多くの乳児用ミルクにタウリンが添加されてきたが、これについては厳密に研究されたことがなく、必要性や有益性はまだ証明されていない[16]

タウリンはヒトの体内で胆汁の主要な成分である胆汁酸と抱合し、タウロコール酸などの形で存在する。消化作用を助けるほか、神経伝達物質としても作用する。白血球の一種である好中球殺菌の際に放出する活性酸素過酸化水素の放出(呼吸バースト)を抑える作用もある。

ヒトにおいては心臓に特に多く、次いで筋肉肝臓腎臓などに多い。また、網膜卵巣精子などにも含まれ、体重が60kgのヒトの体内には約60g(体重の0.1%)のタウリンが存在する[6]。ヒトの 尿中に排出されるタウリンの量は一日平均200mgであり、不足時には尿中から再吸収され身体の必要とされる部分に回される[17]

タウリンはヒトの生体内で重要な役割を担っているが、もともと魚介類を常食する日本の食習慣においては摂取量の高い物質であり[18]、また成人は体内で合成できるため、食事からどれだけの量が必要なのかを特定するのは難しい[19][20]。タウリンは体内で必要な量が一定に保たれており、欠乏時は腎臓で再吸収を増やして尿中排泄を抑制し、余剰分はすみや排泄される。そのため欠乏症になることはなく、一度に大量に摂取しても必要以上のタウリンが体内に蓄積されることはない[13][21]

ヒトの摂取において、うっ血性心不全および肝炎に対して一部で有効性が示唆されているが、その他、食品や栄養ドリンクに期待されている疲労回復、血中脂質の改善、高血圧予防などの効果については、ヒトを対象にした信頼性の高い研究において[22][23]科学的根拠が不十分であり[1][13]、今後のさらなる研究が待たれている[1][20]

2023年6月、人や動物の体内にあるタウリンは加齢とともに減少し、中高齢のマウスサルにタウリン(人換算1日あたり3000-6000mg)を補充すると、老化防止に役立つ可能性が示された[24][25]。ただし、人への効果は臨床試験で検証するまで不明であり、研究チームは、「老化防止目的で過剰摂取しないこと」を勧めている[25][26]。参加した研究者らは「サプリメントに飛びつくよりも、すでに証明されている長生きする方法がある。健康的な食生活が最も重要なことの1つであり、運動もするべきである」「食事中のタウリンを増やすことだけに集中することは、栄養の選択を誤らせる危険性がある」と述べている[25]

ネコとタウリン

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ネコはタウリンを合成する能力が極端に低く[14]、またタウリンを再利用する仕組みが弱いために必要量が多い。そのため自己製造量では十分ではなく、食事からの摂取が必要である。通常の動物性タンパク質を含んだキャットフードで十分量を補給できるが、ねこまんまやタウリンが添加されていないベジタリアンフードでは欠乏症を発症する[27][28]。ネコではタウリンの欠乏により拡張型心筋症、中心性網膜萎縮、免疫機能不全、成長遅延、繁殖機能低下(出生率の低下や先天的な異常など)の報告がある[29]

タウリンを豊富に含む生物、食材

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タウリンは動物に多く含まれ、魚介類や肉(心臓 、腎臓、肝臓などに多い)を摂取することで容易に体内に取り込むことができる[29][27]

軟体動物、特に頭足類タコイカ)では、神経組織に含まれる遊離アミノ酸様物質の50%以上がタウリンである[30]するめの表面に出る白い粉にはタウリンが凝縮されている。

100g中のタウリンの含有量は、イカ類160-342mg、マダコ593mg、貝類116-1250mg、アジの血合肉482mg(普通肉138mg、皮162mg)、クロマグロの血合肉954mg(背肉61mg、心臓658mg)、鶏肉203mg、牛肉(肩ロース)48mgなどである[18]

商品

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日本では合成品は医薬品扱いとされ、主に医薬部外品を含む栄養ドリンクの主成分(1,000-3,000mg/100mL 配合)に使われる[18]

有名な商品に第一三共ヘルスケアの「Regain」、大正製薬の「リポビタンD」、大鵬薬品工業の「チオビタドリンク」などがある。中国ではドライシロップ小児向けの風邪の初期症状を抑える薬として使用されている。「レッドブル」「モンスターエナジー」などに代表されるエナジードリンクは、諸外国ではタウリンを含んだ形で販売されるが、日本では清涼飲料水(食品)としての規格の下で製造・発売されているためにタウリンを使用することができず、アルギニンなどで代用されている[31]欧州連合(EU)やアメリカ合衆国などの諸外国において、タウリンは食品に使用することが認められており[18]サプリメント健康食品の一種)として販売されていることもある。また、目の新陳代謝を促進する働きを期待して目薬の成分として使用されることもある[32]

魚介類や哺乳類の臓器から濃縮した天然タウリン(抽出物)は食品添加物(調味料)として少量の使用が認められているが、合成物と同じ機能をにおわせる多量の添加は許可されていない[13][33]サンガリアが販売している「ミラクルエナジーV」にはこの天然タウリンが食品添加物(調味料)として添加されている[34]育児粉ミルクの多くにも天然タウリンが添加されている[35]。また天然タウリンは養殖魚のなどへの利用もされている[18][20]

医薬品としては大正製薬から、『タウリン散98%「大正」』が発売されており、閉塞性黄疸を除く高ビリルビン血症における肝機能の改善や鬱血性心不全に適応される[36]。また、2019年2月には国指定難病MELAS症候群(ミトコンドリア病)における脳卒中様発作の抑制に対する効能が追加された[37]

安全性

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通常範囲で摂取した場合、比較的安全な物質と考えられており、アメリカ食品医薬品局(FDA)によりGRASとして認定されている。健康な大人では1日3,000mgまでは副作用がないとされる[38]

欧州食品安全機関(EFSA)は、ヒトのOSL(既知の安全上限量、Observed Safe Level)を、100 mg/Kg bw/日としている[39][40][38]。また、ペットフードを含めた動物向けの飼料中0.2%(100g中0.2g程度=2000ppm)は安全とし[28]ラット無毒性量(NOAEL)は経口(飲水)および胃管栄養(Gavage)においては13週 1,000-1,500 mg/Kg bw/日 と見積もっている[39][41]

ラットの経口投与における急性毒性の半数致死率(LD50)は 5g/kg以上、マウスは7g/kg以上である[1]

発見史

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タウリンは1827年ドイツ解剖学者・生理学者であるフリードリヒ・ティーデマンドイツ語版英語版と化学者であるレオポルト・グメリンによってウシ胆汁中から発見された。「タウリン(taurine)」という名前は、ラテン語で雄を意味する「タウルス(taurus)」に由来する[2]

関連項目

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脚注

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出典

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  1. ^ a b c d タウリン (2-アミノエタンスルホン酸)”. 国立健康・栄養研究所 . 2021年10月12日閲覧。
  2. ^ a b c 若生豊, 礒部明彦「水産加工食品中のタウリン含量とその栄養価値」『八戸工業大学食品工学研究所紀要』第2号、八戸工業大学食品工学研究所、1991年2月、29-39頁、ISSN 1343-2788NAID 120005892262 
  3. ^ タウリン(たうりん)厚生労働省 e-ヘルスネット(2023年6月27日閲覧)
  4. ^ タウリンのサプリメント一覧 日本サプリメント評議会(2023年6月27日閲覧)
  5. ^ タウリンについて 大正製薬(2023年6月27日閲覧)
  6. ^ a b c 横越英彦 (2006年5月23日). “タウリン(1)臓器に含有、疲労回復に有効”. 食と健康Express. 静岡県立大学 食品栄養科学部. 2015年6月5日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年11月2日閲覧。
  7. ^ 前田正洋 (2002年). “タウリン1000 mgの効果”. 大阪大学・蛋白質研究所・蛋白質溶液学部門. 2003年4月29日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年11月2日閲覧。
  8. ^ a b 薩秀夫「タウリンの多彩な生理作用と動態」『化学と生物』第45巻第4号、日本農芸化学会、2007年、doi:10.1271/kagakutoseibutsu1962.45.273ISSN 0453073XNAID 10018870640 
  9. ^ 平松緑(岡山大学医学部助手)「Elマウス脳内タウリンとアスパラギン酸の痙攣発作発現機構への関与に関する研究」1986年 科学研究費助成事業データベース「KAKEN」(2023年6月27日閲覧)
  10. ^ [https://www.asahi.com/articles/DA3S15664889.html タウリンに「健康寿命延ばす効果」米独などのグループ サル 免疫の働き改善」『朝日新聞』夕刊2023年6月17日(社会・総合面)2023年6月27日閲覧
  11. ^ 伊藤崇志「組織タウリン欠乏と骨格筋老化との関連性」『タウリンリサーチ』第2巻第1号、国際タウリン研究会、2016年、6-8頁、doi:10.32172/taurine.2.1_6ISSN 2189-6232NAID 130007743812 
  12. ^ 大森肇, 八田秀雄「運動とタウリン研究の最前線 〜その多彩な生理作用に迫る〜」『体力科学』第69巻第1号、日本体力医学会、2020年、123-123頁、doi:10.7600/jspfsm.69.123ISSN 0039-906XNAID 130007788736 
  13. ^ a b c d e 『「栄養と料理」』 1月号、女子栄養大学出版部、2020年、106-107頁。 
  14. ^ a b RNA修飾と生命現象”. 公益財団法人日本生化学会 (2020年6月25日). 2021年10月12日閲覧。
  15. ^ 古瀬充宏「栄養学からイヌ・ネコのサプリメントを考える」『ペット栄養学会誌』第21巻第1号、日本ペット栄養学会、2018年、39-45頁、doi:10.11266/jpan.21.1_39ISSN 1344-37632021年10月1日閲覧 
  16. ^ Taurine in neonatal nutrition – revisited”. Arch Dis Child Fetal Neonatal Ed. 2004 Nov; 89(6): F473–F474. doi: 10.1136/adc.2004.055095. 2023年6月12日閲覧。
  17. ^ 疲れたときには?” (PDF). 埼玉県皆野町 (2014年9月1日). 2021年10月12日閲覧。
  18. ^ a b c d e タウリン評価書(飼料添加物 - 厚生労働省)”. 食品安全総合情報システム. 内閣府・食品安全委員会. 2021年10月12日閲覧。
  19. ^ 木林悦子, 鏡森定信「20歳女子の魚介類及びレバー摂取量による食事中タウリン摂取量の検討」『栄養学雑誌』第60巻第3号、日本栄養改善学会、2002年、145-153頁、doi:10.5264/eiyogakuzashi.60.145ISSN 0021-5147NAID 1300036677492021年10月12日閲覧 
  20. ^ a b c 栄養ドリンク配合の”タウリン” ってどんな効果?”. All About (2015年9月27日). 2021年10月12日閲覧。
  21. ^ タウリン(8)”. 静岡県立大学 食品栄養科学部 (2006年9月5日). 2021年10月12日閲覧。
  22. ^ 信頼できる確かな情報とは”. 国立健康・栄養研究所. 2021年7月30日閲覧。
  23. ^ その情報は「確かな情報」ですか?”. 国立健康・栄養研究所. 2021年7月30日閲覧。
  24. ^ Taurine deficiency as a driver of aging”. Science (2023年6月9日). 2023年6月12日閲覧。
  25. ^ a b c Taurine may extend life and health, scientists find”. BBC (2023年6月9日). 2023年6月12日閲覧。
  26. ^ 「タウリンは老化防止に有望」米コロンビア大など動物実験で確認…人への効果は不明”. 読売新聞 (2023年6月9日). 2023年6月12日閲覧。
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  31. ^ 島田真美「サプリメント(2)」『ペット栄養学会誌』第17巻第1号、日本ペット栄養学会、2014年、46-49頁、doi:10.11266/jpan.17.1_46ISSN 1344-3763NAID 1300051091592021年10月12日閲覧 
  32. ^ タウリン”. エスエス製薬. 2021年10月12日閲覧。
  33. ^ タウリンを含むサプリメントの扱いは?”. JARO (2019年7月24日). 2021年10月12日閲覧。
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  35. ^ 天然タウリン 蝶理が拡販進める 安定供給体制整う”. 健康産業流通新聞 (2015年7月23日). 2021年10月12日閲覧。
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  37. ^ タウリン散98%「大正」における効能・効果追加等の承認取得に関するお知らせ”. 大正製薬 (2019年2月21日). 2020年1月2日閲覧。
  38. ^ a b “Risk assessment for the amino acids taurine, L-glutamine and L-arginine”. Regulatory toxicology and pharmacology 50 (3). (2008). doi:10.1016/j.yrtph.2008.01.004. PMID 18325648. 
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  40. ^ “Scientific Opinion on the safety and efficacy of taurine as a feed additive for all animal species”. EFSA Journal 10 (6): Section 3.3. (2012). doi:10.2903/j.efsa.2012.2736. https://efsa.onlinelibrary.wiley.com/doi/10.2903/j.efsa.2012.2736. 
  41. ^ “The use of taurine and D-glucurono-γ-lactone as constituents of the so-called “energy” drinks”. EFSA journal 7 (2): section 2.2.2. (2009). doi:10.2903/j.efsa.2009.935. https://efsa.onlinelibrary.wiley.com/doi/10.2903/j.efsa.2009.935. 

外部リンク

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