アムールイトウ
表示
アムールイトウ | |||||||||||||||||||||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
アムールイトウ。北モンゴル、ウール川、2007年6月。
| |||||||||||||||||||||||||||
保全状況評価 | |||||||||||||||||||||||||||
VULNERABLE (IUCN Red List Ver.3.1 (2001)) | |||||||||||||||||||||||||||
分類 | |||||||||||||||||||||||||||
| |||||||||||||||||||||||||||
学名 | |||||||||||||||||||||||||||
Hucho taimen (Pallas, 1773) | |||||||||||||||||||||||||||
和名 | |||||||||||||||||||||||||||
アムールイトウ タイメン シベリアンサーモン ジャイアントユーラシアントラウト | |||||||||||||||||||||||||||
英名 | |||||||||||||||||||||||||||
Taimen Siberian taimen Siberian salmon Giant Eurasian trout |
アムールイトウ(学名 Hucho taimen)は、サケ科Hucho属に属する淡水魚である。別名タイメン。シベリア、モンゴルなどの河川に生息し、体長2 m、体重90 kgに達するものもある。環境破壊や乱獲により個体数が減少、保護活動がおこなわれている[1]。本種をドナウイトウの亜種として、Hucho hucho taimen の学名を与える研究者もいる。
分布
[編集]ヴォルガ川・ペチョラ川・エニセイ川・セレンガ川・レナ川・ヤナ川・アムール川などに分布する。これらの川は主にカスピ海・北極海に注ぐが、アムール川は太平洋に注ぐ。主に流れのある場所に生息し、湖にはほとんど出現しない。河川の合流口でよく見られる。回遊は行わないが、繁殖期には広範囲を移動する。モンゴル、Eg-Uur川での標識調査では、行動圏は平均して23 km、最大93 kmであることが示された[2]。
形態
[編集]体色は地域によって変化するが、頭部は薄緑で尾部には赤褐色が交じることが多い。脂鰭・臀鰭・尾鰭は暗赤色。腹部は白から暗灰色。寿命は長く、55年以上生きると考えられている[3]。
世界最大のサケ類の一つで、成熟個体は15 kgから30 kgにもなる[4]。最大サイズは不明だが、ロシアのコトゥイ川では210 cm、105 kgが記録されている[5]。IGFAの世界記録は45 kg弱である。
餌
[編集]成体は主に魚食性だが、水辺に近づいたネズミなどの齧歯類、蛇、鳥類を捕食することもある[3]。
脚注
[編集]- ^ Stefan Lovgren in the Eg-Uur Watershed, Mongolia (2007年11月14日). “第4回 世界最大のマスが危ない!モンゴルでの保護活動”. ナショナル ジオグラフィック日本版サイト. 日経ナショナル ジオグラフィック. 2023年10月29日閲覧。
- ^ Gilroy, D. J.; Jensen, O. P.; Allen, B. C.; Chandra, S.; Ganzorig, B.; Hogan, Z.; Maxted, J. T.; Vander Zanden, M. J. (2010). “Home range and seasonal movement of taimen, Hucho taimen, in Mongolia”. Ecology of Freshwater Fish 19 (4): 545. doi:10.1111/j.1600-0633.2010.00434.x.
- ^ a b 薬袋摩耶「世界の巨大魚 謎に包まれた巨大魚の生活を追う」『Newton』第44巻第5号、ニュートンプレス、2024年3月26日、132頁、ISSN 0286-0651、JAN 4910070470541。
- ^ Safari and Expeditions — Taimen fishing in Yakutia. Safari.ru. Retrieved on 2012-08-23.
- ^ Holcik et al. 1988
参考文献
[編集]- "Hucho taimen" (英語). Integrated Taxonomic Information System. 2006年1月30日閲覧。
- Froese, Rainer and Pauly, Daniel, eds. (2005). "Hucho taimen" in FishBase. 10 2005 version.
- Holcik, J., Hensel, K., Nieslanik, J., and L. Skacel. 1988. The Eurasion Huchen, Hucho hucho: largest salmon of the world. Dr. W. Junk Publishers (Kluwer), Dordrecht, Netherlands
- Matveyev, Arcadi N.; Pronin, Nikolai M.; Samusenok, Vitali P.; Bronte, Charles R. (1998). “Ecology of Siberian Taimen, Hucho Taimen, in the Lake Baikal Basin”. Journal of Great Lakes Research 24 (4): 905. doi:10.1016/S0380-1330(98)70871-8.
- Post, John; Jensen, Olaf P.; Gilroy, David J.; Hogan, Zeb; Allen, Brant C.; Hrabik, Thomas R.; Weidel, Brian C.; Chandra, Sudeep et al. (2009). “Evaluating recreational fisheries for an endangered species: a case study of taimen, Hucho taimen, in Mongolia”. Canadian Journal of Fisheries and Aquatic Sciences 66 (10): 1707. doi:10.1139/F09-109 .