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アメリカアリゲーター

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
アメリカアリゲーター
生息年代: 2.5–0 Ma
, 更新世前期 – 現世
アメリカアリゲーター
Alligator mississippiensis
保全状況評価[1]
LOWER RISK - Least Concern
(IUCN Red List Ver.2.3 (1994))
分類
ドメイン : 真核生物 Eukaryota
: 動物界 Animalia
: 脊索動物門 Chordata
亜門 : 脊椎動物亜門 Vertebrata
: 爬虫綱 Reptilia
: ワニ目 Crocodilia
: アリゲーター科 Alligatoridae
: アリゲーター属 Alligator
: アメリカアリゲーター
A. mississipiensis
学名
Alligator mississippiensis
(Daudin, 1802)
和名
アメリカアリゲーター
ミシシッピワニ
英名
American alligator
生息域

アメリカアリゲーターAlligator mississippiensis)は、アリゲーター属に分類されるワニの一種。別名:ミシシッピワニ

分布

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アメリカ合衆国アーカンソー州南部、アラバマ州サウスカロライナ州ジョージア州テキサス州ノースカロライナ州フロリダ州ミシシッピ州ルイジアナ州[2][3][4][5][6]固有種

形態

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全長は雄で通常400cm程、最大で580cmの記録がある[6]。口吻はやや長く、吻端は扁平かつ幅広く丸みを帯びる。口吻のキールは発達しない。頸鱗板は4枚。体色は緑がかった黒褐色[2]

前肢には指の半分くらいまで、後肢で趾の先まで水かきがある[2]

幼体は背面に黄色い横縞が入る[2]

生態

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鹿を捕えたアメリカアリゲーター

沼沢地などに生息する[6]。冬季に気温が低下する地域の個体群は冬眠する[3]

食性は動物食で、主に魚類を食べるが、カメ鳥類、小型哺乳類昆虫甲殻類貝類なども食べる[2][5]。大型個体ではシカやイノシシ、クマやピューマを襲った記録もある。

繁殖形態は卵生。6-7月に土、枯草、落ち葉などを集めて塚状の巣を作り、20-60個の卵を産む[2][3]。卵は50-60日で孵化する[2]性染色体を持たず、発生時の温度により雌雄が決定(温度依存性決定)し、(ほとんどのワニはそうだが)32℃以上はオス、30℃以下の場合はメスになる[5]。メスは卵や幼体を翌年の春(1年以上保護することもあり)まで保護する[2][3][3][6]。生後8年で性成熟する[4]

野生下の寿命は35~50年程度である[7]

人間との関係

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性質は基本的に温和でおとなしいが[8]、ペットを捕食したり、まれに人間を襲うこともある[3][4][6]

開発による生息地の破壊、水質汚染、皮目的の乱獲などにより生息数は激減した[4][6]。1967年に絶滅危惧種に指定され[9]、アメリカ合衆国では1973年に法的に保護の対象とされている[6]。生息数の調査や監視活動、狩猟や皮革流通の許可制などの保護対策が進められた[6]。皮革の需要低下などもあり、生息数は回復している[6]。1987年に絶滅危惧種の指定から外され、ミシシッピ州では2005年から許可制で狩猟を認めている[9]

2020年5月23日、ロシアモスクワ動物園は、アメリカアリゲーターの「サターン」が84歳で死亡したと発表した。アメリカアリゲーターは野生下で50歳を超えることがほとんどないため、84歳は「立派な年齢」だという。サターンはアメリカ生まれで、ドイツのベルリンの動物園で飼われていたが、第二次世界大戦下の1943年空襲を受けた後に脱走、1946年にイギリス軍兵士に発見され、当時のソビエト連邦に引き渡された。ソ連では、ヒトラーが個人的に収集した動物だったとのうわさが広まったという[10]。サターンはダーウィン博物館剥製にされ、一般公開される予定である[11]

参考文献

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  1. ^ Crocodile Specialist Group (1996). "Alligator mississippiensis". IUCN Red List of Threatened Species. Version 2014.3. International Union for Conservation of Nature.
  2. ^ a b c d e f g h 今泉吉典、松井孝爾監修 『原色ワイド図鑑3 動物』、学習研究社1984年、150、236頁。
  3. ^ a b c d e f 千石正一監修 長坂拓也編 『爬虫類・両生類800種図鑑 第3版』、ピーシーズ、2002年、154頁。
  4. ^ a b c d 深田祝監修 T.R.ハリディ、K.アドラー編 『動物大百科12 両生・爬虫類』、平凡社1986年、150、152、154、156頁。
  5. ^ a b c 『小学館の図鑑NEO 両生・はちゅう類』、小学館2004年、143頁。
  6. ^ a b c d e f g h i 『絶滅危惧動物百科1 アイアイ-ウサギ(アラゲウサギ)』 財団法人自然環境研究センター監訳、朝倉書店2008年、38-39頁。
  7. ^ アメリカアリゲーター”. ナショナルジオグラフィック (雑誌). 2020年12月15日閲覧。
  8. ^ 『小学館の学習百科図鑑5 動物の図鑑』 小学館
  9. ^ a b 434センチの巨大ワニ、米南部で捕獲 世界記録へ23センチ届かず”. 毎日新聞 (2023年9月7日). 2023年9月9日閲覧。
  10. ^ 第2次大戦の空襲生き延びたワニ、84歳の大往生 モスクワ動物園”. フランス通信社 (2020年5月24日). 2020年12月15日閲覧。
  11. ^ 第2次大戦の空襲生き延びたワニ、剥製を展示 モスクワ”. フランス通信社 (2020年12月15日). 2020年12月15日閲覧。

外部リンク

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