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アラゲジリス

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
アラゲジリス
アラゲジリス
保全状況評価[1]
LEAST CONCERN
(IUCN Red List Ver.3.1 (2001))
分類
ドメイン : 真核生物 Eukaryota
: 動物界 Animalia
: 脊索動物門 Chordata
亜門 : 脊椎動物亜門 Vertebrata
: 哺乳綱 Mammalia
: ネズミ目(齧歯目) Rodentia
亜目 : リス亜目 Sciuromorpha
: リス科 Sciuridae
亜科 : Xerinae
: Xerini
: アラゲジリス属 Xerus
: アラゲジリス X. rutilus
学名
Xerus rutilus
(Cretzschmar1828)
英名
Unstriped ground squirrel

アラゲジリス (Xerus rutilus) は、ネズミ目(齧歯目)リス科アラゲジリス属に属するジリスの1

東アフリカに分布し、乾燥した地域に生息する。

分布

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エチオピアタンザニアジブチエリトリアケニアソマリアスーダンウガンダ[2]

形態

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体重260-420グラム、体長200-255ミリメートル、尾長120-225ミリメートル[2]アラゲジリス属の中では最も小型の種である[2]。アラゲジリス属の特徴である、背中の縦に伸びる縞がない。被毛の色は地域によって変化し、黄褐色から赤みがかった茶色、背部はより暗い色になる。大きな目の周囲には白い縁取りがあり、小さな耳の正面に白い斑点がひとつある。尾は黒い毛と白い毛が混ざっている。染色体数は、2n=38。歯式は、の計20本[2]

生態

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乾燥したサバンナ亜熱帯または熱帯の乾燥した灌木地に生息する[2]

昼行性で、主に単独性[2]。孤立した巣穴システムで生活し、1つの巣穴には1匹または2匹が住む。他の個体が(別種のアカアシアラゲジリス (Xerus erythropus)でさえも)自分の巣穴に入ることを許すことから、縄張りを持たない種に分類されている。普段は巣穴の近くにはおらず、地上にいるときは最大30分間も日光浴に費やす[2]。茂みの陰で日中の暑さをしのぎながら開けた場所で食べ物を探し、午後遅くに巣穴へ帰る。気温が最も高い時間帯や豪雨の際にも巣穴に戻る。

食性草食性で、さや種子果実バオバブアカシアミルラ)、を食べ、また昆虫を食べることもある[2]。農作物、特にトウモロコシピーナッツヤムイモキャッサバを食害する[2]

捕食者には、猛禽類アフリカソウゲンワシダルマワシゴマバラワシ、哺乳類のヒョウセグロジャッカルがいる[2]。敵が迫ると、視野を広げるために後足で立ち上がって警戒の姿勢を取る。敵から逃げる際には、巣穴に避難する。

繁殖は主に3月から4月にかけてだが、1年中交配する。1回の出産で1-2子を生む[2]。出産に先立って、妊娠したメスは自分の行動範囲の周辺に出産用の巣穴を掘る。以前の巣穴は一時的に捨てられ、古く空いている巣穴は子育てのために再び掘られる。3-4週間後、子どもが離乳し巣穴の外に現れるようになると、母親は出産用の巣穴を捨て、元の巣穴に戻る[2]

保全状況評価

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全体的に、本種に対する大きな脅威は見られない。IUCNレッドリストでは、広い分布、個体数の多さ、生息地の変化に対する耐久力を踏まえて、アラゲジリスを軽度懸念 (Least Concern)に指定している[1]。ケニアのサンブル国立保護区のような保護区にも生息している[2]

脚注

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  1. ^ a b Grubb, P. & Oguge, N. (2008). "Xerus rutilus". IUCN Red List of Threatened Species. Version 2008. International Union for Conservation of Nature. 2009年1月8日閲覧
  2. ^ a b c d e f g h i j k l m Martinez-Welgan, I (2014年). “Xerus rutilus”. Animal Diversity Web. 2014年9月12日閲覧。
  • Thorington, R. W. Jr. and R. S. Hoffman. 2005. Family Sciuridae. pp. 754–818 in Mammal Species of the World a Taxonomic and Geographic Reference. D. E. Wilson and D. M. Reeder eds. Johns Hopkins University Press, Baltimore.

関連項目

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