コンテンツにスキップ

英文维基 | 中文维基 | 日文维基 | 草榴社区

アリゲイニー郡 (メリーランド州)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
メリーランド州アリゲイニー郡
アリゲイニー郡の位置を示したメリーランド州の地図
郡のメリーランド州内の位置
メリーランド州の位置を示したアメリカ合衆国の地図
州のアメリカ合衆国内の位置
設立 1789年
郡名の由来 郡の西部を走るアリゲイニー山脈
郡庁所在地 カンバーランド
最大都市 カンバーランド
面積
 - 総面積
 - 陸
 - 水

1,113 km2 (429.82 mi2)
1,102 km2 (425.42 mi2)
11 km2 (4.40 mi2), 1.02%
人口
 - (2010年)
 - 密度

75,087人
68.1人/km2 (176人/mi2)
標準時 東部: UTC-5/-4
ウェブサイト gov.allconet.org

アリゲイニー郡: Allegany County)は、アメリカ合衆国メリーランド州の北西部に位置するである。2010年国勢調査での人口は75,087人であり、2000年の74,930人から0.2%増加した[1]郡庁所在地カンバーランド市(人口20,859人[2])であり、同郡で人口最大の都市でもある。

「アリゲイニー」という名前は、土地のインディアンレナペ族の言葉で「丘の間を流れる最良の川」あるいは「美しい水流」を意味する welhik hane[3][4]あるいは oolikhanna から派生したものの可能性がある[5]アパラチア地域にある多くの郡が、様々な綴りではあるがアリゲイニーと名付けられている。

歴史

[編集]

現在のアリゲイニー郡を含むメリーランド州の西部は、1696年に植民地が造られたときにプリンスジョージズ郡に含められていた[6]。その中には現在の6郡が含まれており、分割による新郡の創設が繰り返された。1748年にはフレデリック郡[7]、1776年にはフレデリック郡の中からモンゴメリー郡ワシントン郡[8]設立された。

アリゲイニー郡は1789年にワシントン郡から分離して設立された[9]。当時は州内で最西端の郡だったが、1872年に郡西部からガレット郡が作られ、これが最西端になった[7]

郡内には多くのアメリカ合衆国国家歴史登録財がある[10]エミー賞を受賞した女優スザンヌ・ロジャーズはアリゲイニー郡で生まれた。NBCテレビのドラマ『デイズ・オブ・アワ・ライブス』のマギー・シモンズ・ホートンの役で知られている。

郡政府

[編集]

アリゲイニー郡は1974年から自治政府の形態を認められている。郡は選挙で選ばれる3人の委員で構成される郡政委員会が統治している。

地理

[編集]

アリゲイニー郡は主にアパラチア山脈のリッジ・アンド・バレー地域にある。北はペンシルベニア州との州境であるメイソン=ディクソン線が郡境である。南はポトマック川ウェストバージニア州、東はサイドリングヒル・クリークでワシントン郡に接し、西はガレット郡である。郡西部には急峻なアリゲイニー・フロントがあり、標高の高いアパラチア高原やアリゲイニー山脈への移行部である。アリゲイニー・フロントの西にあるフロストバーグの町は標高が2,100フィート (640 m) 近くあるのに対し、わずか8マイル (13 km) 離れているだけの郡庁所在地カンバーランド市の標高は627フィート (191 m) に過ぎない。

アメリカ合衆国国勢調査局に拠れば、郡域全面積は429.82平方マイル (1,113.2 km2)であり、このうち陸地425.42平方マイル (1,101.8 km2)、水域は4.40平方マイル (11.4 km2)で水域率は1.02%である[11]

交通

[編集]

主要高規格道路

[編集]
  • メリーランド州道35号線
  • メリーランド州道36号線
  • メリーランド州道47号線
  • メリーランド州道49号線
  • メリーランド州道51号線
  • メリーランド州道53号線
  • メリーランド州道55号線
  • メリーランド州道135号線
  • メリーランド州道144号線
  • メリーランド州道638号線
  • メリーランド州道657号線
  • メリーランド州道658号線
  • メリーランド州道935号線
  • メリーランド州道936号線
  • メリーランド州道956号線

隣接する郡

[編集]

国立保護地域

[編集]
  • チェサピーク・アンド・オハイオ運河国立歴史公園(部分)

[編集]

下記の山が郡内にある。( )内は標高(フィート、m)である。

  • ブレイクネックヒル(1,872、571)
  • コリアー山(1,460、445)
  • ダンス山(2,898、883)
  • エビッツ山(1,959-2,260、597-689)
  • マーティン山(1,974、602)
  • ニコラス山(1,760、536)
  • ポーリッシュ山(1,783、543)
  • ラグド山(1,740、530)
  • タウンヒル(2,039、621)
  • ウォリアー山(2,185、666)
  • ウィルズ山(1,960+、597)
  • ヘイスタック山(1,240+、378)
  • アイアンズ山
  • パイニー山
  • グリーンリッジ山

鉱物資源

[編集]

郡内の主要な鉱物資源は、石炭、鉄、砂岩、石灰岩である。石炭層は郡西部のジョージズクリーク盆地に集中している。

人口動態

[編集]
人口推移
人口
17904,809
18006,30331.1%
18106,9099.6%
18208,65425.3%
183010,60922.6%
184015,69047.9%
185022,76945.1%
186028,34824.5%
187038,53635.9%
188038,012−1.4%
189041,5719.4%
190053,69429.2%
191062,41116.2%
192069,93812.1%
193079,09813.1%
194086,97310.0%
195089,5563.0%
196084,169−6.0%
197084,044−0.1%
198080,548−4.2%
199074,946−7.0%
200074,9300.0%
201075,0870.2%
2012(推計)74,012−1.4%
[12][13][14] [15]

以下は2000年国勢調査による人口統計データである。( )内は2010年データである。

基礎データ

  • 人口: 74,930人
  • 世帯数: 29,322 世帯
  • 家族数: 18,883 家族
  • 人口密度: 68人/km2(176人/mi2
  • 住居数: 32,984軒
  • 住居密度: 30軒/km2(78軒/mi2

人種別人口構成

先祖による構成

  • ドイツ系:29.0%
  • アメリカ人:16.7%
  • アイルランド系:12.8%
  • イギリス系:10.7%
  • イタリア系:5.3%

年齢別人口構成

  • 18歳未満: 20.6%
  • 18-24歳: 11.2%
  • 25-44歳: 26.8%
  • 45-64歳: 23.5%
  • 65歳以上: 17.9%
  • 年齢の中央値: 39歳
  • 性比(女性100人あたり男性の人口)
    • 総人口: 99.2
    • 18歳以上: 96.9

世帯と家族(対世帯数)

  • 18歳未満の子供がいる: 26.5%
  • 結婚・同居している夫婦: 50.6%
  • 未婚・離婚・死別女性が世帯主: 10.3%
  • 非家族世帯: 35.6%
  • 単身世帯: 30.1%
  • 65歳以上の老人1人暮らし: 15.2%
  • 平均構成人数
    • 世帯: 2.35人
    • 家族: 2.90人

収入

[編集]

収入と家計

  • 収入の中央値
    • 世帯: 30,821米ドル
    • 家族: 39,886米ドル
    • 性別
      • 男性: 31,316米ドル
      • 女性: 21,334米ドル
  • 人口1人あたり収入: 16,780米ドル
  • 貧困線以下
    • 対人口: 14.8%
    • 対家族数: 9.7%
    • 18歳未満: 17.7%
    • 65歳以上: 9.5%

都市と町

[編集]
アリゲイニー郡図

郡内には7つの自治体がある。( )内は法人化年である。

都市

[編集]

[編集]
  • バートン(1900年)
  • ロナコニング(1890年)
  • ルーク(1922年)
  • ミッドランド(1900年)
  • ウェスタンポート(1858年)

未編入の町

[編集]

法人化された地域の間を埋めているのは、メリーランド州議会で成立した法によって創設された擬似自治体の未法人化地域、特殊課税地区である[16]自治権限は無く、その地区の権限を変える場合には州議会に請願しなければならない。郡内には下記8つの特殊課税地区があり、( )内はその指定年である。

  • ベルエア(1965年)
  • ボーリンググリーンとロバーツプレース(1972年)
  • クレサップタウン(1949年)
  • エラーズリー(1963年)
  • ラベイル衛生地区(1947年)
  • マックール(1965年)
  • マウントサベージ(1950年)
  • ポトマックパーク・アディッション(1947年)

未編入領域も「町」と考えられるが、政府は無い。アメリカ合衆国国勢調査局、アメリカ合衆国郵便公社、地元商工会議所など様々な組織がその町を定義している。法人化はされていないので、その境界が定義されていない。アメリカ合衆国国勢調査局は以下の国勢調査指定地域を登録している。

その他の未編入領域として次の町がある。

  • アムセル
  • ボーデンシャフト
  • ディケンズ
  • エビッツクリーク
  • ジョージズクリーク
  • ロアタウン
  • マッケンジー
  • ナローズパーク
  • ペキン
  • ピントー
  • タウンクリーク

州政府の機関

[編集]

メリーランド州公衆安全矯正サービス省が運営するノースブランチ矯正施設が郡内カンバーランド市に近い未編入領域にある[17]。この施設には男性死刑囚を収容しており、2010年6月にメリーランド州矯正適応センターから移されてきた[18]

教育

[編集]
  • フロストバーグ州立大学
  • アリゲイニー・カレッジ・オブ・メリーランド

著名な出身者

[編集]

脚注

[編集]
  1. ^ Quickfacts.census.gov - Allegany County - accessed 2011-12-06.
  2. ^ Quickfacts.census.gov - Cumberland, Maryland - accessed 2011-12-06.
  3. ^ welhik”. Lenape Talking Dictionary. 2011年12月14日閲覧。
  4. ^ "Heckewelder here does not give the strict meaning of hanne. The word in common use among Algonkin [i.e., Algonquian] tribes for river is sipu, and this includes the idea of 'a stream of flowing water'. But in the mountainous parts of Pennsylvania, Maryland, and Virginia sipu did not sufficiently convey the idea of a rapid stream, roaring down mountain gorges, and hanne takes its place to designate not a mere sipu, or flowing river, but a rapid mountain stream." Russell, Erret (1885). “Indian Geographical Names”. The Magazine of Western History 2 (1): 53–59. https://books.google.co.jp/books?id=p2oKAQAAMAAJ&redir_esc=y&hl=ja 2011年12月14日閲覧。. 
  5. ^ Alleghany, or as some prefer to write it, Allegheny,—the Algonkin name of the Ohio River, but now restricted to one of its branches,—is probably (Delaware) welhik-hanné or [oo]lik-hanné, 'the best (or, the fairest) river.' Welhik (as Zeisberger wrote it) is the inanimate form of the adjectival, meaning 'best,' 'most beautiful.' In his Vocabulary, Zeisberger gave this synthesis, with slight change of orthography, as "Wulach'neü" [or [oo]lakhanne[oo], as Eliot would have written it,] with the free translation, "a fine River, without Falls." The name was indeed more likely to belong to rivers 'without falls' or other obstruction to the passage of canoes, but its literal meaning is, as its composition shows, "best rapid-stream," or "finest rapid-stream;" "La Belle Riviere" of the French, and the Oue-yo´ or O hee´ yo Gä-hun´-dä, "good river" or "the beautiful river," of the Senecas. For this translation of the name we have very respectable authority,—that of Christian Frederick Post, a Moravian of Pennsylvania, who lived seventeen years with the Muhhekan Indians and was twice married among them, and whose knowledge of the Indian languages enabled him to render important services to the colony, as a negotiator with the Delawares and Shawanese of the Ohio, in the French war. In his "Journal from Philadelphia to the Ohio" in 1758, after mention of the 'Alleghenny' river, he says: "The Ohio, as it is called by the Sennecas. Alleghenny is the name of the same river in the Delaware language. Both words signify the fine or fair river." La Metairie, the notary of La Salle's expedition, "calls the Ohio, the Olighinsipou, or Aleghin; evidently an Algonkin name,"—as Dr. Shea remarks. Heckewelder says that the Delawares "still call the Allegany (Ohio) river, Alligéwi Sipu,"—"the river of the Alligewi" as he chooses to translate it. In one form, we have wulik-hannésipu, 'best rapid-stream long-river;' in the other, wuliké-sipu, 'best long-river.' Heckewelder's derivation of the name, on the authority of a Delaware legend, from the mythic 'Alligewi' or 'Talligewi,'—"a race of Indians said to have once inhabited that country," who, after great battles fought in pre-historic times, were driven from it by the all-conquering Delawares,—is of no value, unless supported by other testimony. Trumbull, J. Hammond (1870). The Composition of Indian Geographical Names. Hartford, Conn.. pp. 13–14. http://www.gutenberg.org/files/18279/18279-h/18279-h.htm 2011年12月14日閲覧。 
  6. ^ Thomas, James W. and Williams, Thomas J.C. History of Allegany County, Maryland. Baltimore, Md.: Regional Publishing Co., 1969, p. 289.
  7. ^ a b Bentley, Elizabeth Petty. County Courthouse Book. Baltimore, Md.: Genealogical Publishing Co., 2009, p. 128.
  8. ^ Bentley, Elizabeth Petty. County Courthouse Book. Baltimore, Md.: Genealogical Publishing Co., 2009, p. 129.
  9. ^ Bentley, Elizabeth Petty. County Courthouse Book. Baltimore, Md.: Genealogical Publishing Co., 2009, p. 126.
  10. ^ National Park Service (15 April 2008). "National Register Information System". National Register of Historic Places. National Park Service. {{cite web}}: Cite webテンプレートでは|access-date=引数が必須です。 (説明)
  11. ^ Census 2010 U.S. Gazetteer Files: Counties”. United States Census. 2013年4月13日閲覧。
  12. ^ http://www.census.gov/population/www/censusdata/cencounts/files/md190090.txt
  13. ^ http://factfinder2.census.gov
  14. ^ http://mapserver.lib.virginia.edu/
  15. ^ http://www.bizjournals.com/baltimore/news/2013/03/14/maryland-sees-population-increases-in.html/
  16. ^ [1]
  17. ^ "North Branch Correctional Institution." North Branch Correctional Institution. Retrieved on September 22, 2010.
  18. ^ Calvert, Scott and Kate Smith. "Death row inmates transferred to W. Maryland." The Baltimore Sun. June 25, 2010. Retrieved on September 22, 2010.

外部リンク

[編集]

座標: 北緯39度38分 西経78度41分 / 北緯39.63度 西経78.69度 / 39.63; -78.69