アリー・ゼイダーン
アリー・ゼイダーン علي زيدان | |
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2013年3月 | |
生年月日 | 1950年12月15日(74歳) |
出生地 | フェザーン、ワッダン |
出身校 | ジャワハルラール・ネルー大学 |
所属政党 |
(リビア救済国民戦線→)(-2011) (国民勢力連合→)(2011-2012)[1] 無所属 (2012-) |
在任期間 | 2012年11月14日 - 2014年3月11日 |
大統領 |
ムハンマド・ユースフ・エル=マガリエフ ヌーリー・サハマイン |
アリー・ゼイダーン (アラビア語: علي زيدان, ラテン文字転写: Ali Zeidan(もしくはZidan)[1]、1950年 - )は、リビアの政治家、外交官。同国首相(2012年10月31日議会承認、2012年11月14日内閣発足)を務めた。ジュネーヴを本拠地とする人権派弁護士であり[2]、リビアでは果断なリベラル主義者とみなされている[3]。日本語メディアでは、アリ・ゼイダン、アリ・ジダンなどと表記されている。
経歴
[編集]1970年代より在印リビア大使であったムハンマド・ユースフ・エル=マガリエフのもとで外交官として活動。両人とも1980年に亡命し、リビア救済国民戦線(National Front for the Salvation of Libya)の結成に動いた[4]。2011年リビア内戦の際には反政府勢力リビア国民評議会(NTC)のヨーロッパに対する特命全権公使を務め、フランスのニコラ・サルコジ大統領に反カダフィ勢力を支援するよう説得するため重要な役割を演じたことが特記される[3]。
2012年の国民議会選挙ではジュフラ県より無所属候補として立候補し当選[5]。元首格である議会議長の有力候補であった[6]が、決選投票では外交官時代の上司であるマガリエフに85対113で敗れた[7]。首相にはムスタファー・アブーシャーグールが指名されたものの期限内の組閣に失敗し、10月7日に不信任案を可決され解任[8][9]。これを受け、議会第2党の公正建設党の支持を得るムハンマド・アル=ハラリに対抗し首相の座を目指した。ゼイダーンは10月14日に議会にて93対85で首相に指名され[4]、2週間以内に議会より新内閣の承認を得るための作業に取り掛かった[3]。リベラル派やイスラム主義者を含めた32名による組閣案を予定より1日遅らせて10月30日に議会に提出し[10][11]、これは議会第1党の国民勢力連合や第2党の公正建設党にも繋がりのある人物が含まれていたため両党ともに組閣に合意し[12]、承認の採決でも広く支持を得るものとみられていた。議会での採決の際に反カダフィ派の元兵士が議場に乱入したため採決が延期されるというトラブルにも見舞われた[13][14]が、10月31日に議会より承認を得て憲法制定などを使命とする移行政権の発足が決定した。賛成105、反対9、棄権18という圧倒的多数での承認だったが、外務大臣など6名の閣僚に関しては反対意見がついた[15][16]。11月14日に行われた式典で正式に就任[17]。
ゼイダーンは元暫定首相のマフムード・ジブリールによって作られたリベラル政党で議会第1党の国民勢力連合に所属する議会議員の支持を得ているほか、労働者団体や南部グループと繋がりのある無所属議員(それぞれ20名、31名)も支持しているとされた[4]。
2013年10月10日、トリポリ市内のホテルから旧体制派の民兵組織に連れ去られ、数時間後に解放された[18]。
2014年3月、反政府勢力の支配下にある東部シドラの港に朝鮮民主主義人民共和国の旗を掲げた石油タンカーが政府の許可無く入港するという問題が起こり、石油を積み込んで出国すれば爆撃すると警告した[19]ものの結局は出国を阻止できず、3月11日にリビア議会にて不信任決議を可決され首相を解任された[20]。タンカーはその後、3月16日にキプロス南東沖にてNavy SEALsによって制圧されている[21]。解任後は治安上の理由から、検事総長が発した渡航禁止命令を無視しドイツに逃れた[22]。
2017年8月初めに解任後初めて帰国したが、8月13日にトリポリで民兵組織に拉致され消息がわからなくなった。22日に9日ぶりに無事解放され、翌日に再びリビアを離れた[23][24]。
脚注
[編集]- ^ a b “Libya's national congress elects Ali Zidan as interim prime minister”. ガーディアン. (2012年10月14日) 2012年10月30日閲覧。
- ^ “Ali Zeidan, ex-Kadhafi opponent, elected Libya PM”. AFP (2012年10月14日). 2012年10月14日閲覧。
- ^ a b c “Ali Zidan elected Libya's new prime minister” (英語). BBC. (2012年10月14日) 2012年10月16日閲覧。
- ^ a b c George Grant (2012年10月14日). “Ali Zidan elected Prime Minister” (英語). リビア・ヘラルド 2012年10月16日閲覧。
- ^ George Grant (2012年10月14日). “Congress race narrows to two” (英語). リビア・ヘラルド 2012年10月16日閲覧。
- ^ George Grant (2012年8月9日). “Ali Zidan leading Speaker’s race after first vote, but Magarief may still emerge victorious” (英語). リビア・ヘラルド 2012年10月16日閲覧。
- ^ “国民議会議長及び副議長の選出ほか” (PDF). 公益財団法人中東調査会. 2012年10月16日閲覧。
- ^ “政治勢力対立・地域エゴ…リビア首相、組閣失敗”. 読売新聞. (2012年10月8日) 2012年10月8日閲覧。
- ^ “Libyan parliament votes to dismiss PM” (英語). Al Jazeera English (アルジャジーラ). (2012年10月7日) 2012年10月8日閲覧。
- ^ “Cabinet announcement postponed till tomorrow” (英語). Libya Herald. (2012年10月29日) 2012年11月1日閲覧。
- ^ “Zeidan presents government to Congress” (英語). Libya Herald. (2012年10月30日) 2012年11月1日閲覧。
- ^ “リビア新首相、29日に組閣案を出す”. CRI online (中国国際放送). (2012年10月29日) 2012年10月31日閲覧。
- ^ “乱入騒ぎで閣僚承認延期=リビア議会”. 時事ドットコム (時事通信). (2012年10月31日) 2012年11月1日閲覧。
- ^ “Congress scheduled to hold vote on Zeidan government at 5pm today” (英語). Libya Herald. (2012年10月31日) 2012年11月1日閲覧。
- ^ “リビア新内閣が発足、一部閣僚人事に反対意見も”. ロイター (ロイター). (2012年11月1日) 2012年11月1日閲覧。
- ^ “Congress votes to approve Zeidan Government; six members referred to Integrity Commission” (英語). Libya Herald. (2012年10月31日) 2012年11月1日閲覧。
- ^ “Zeidan government sworn in”. リビア・ヘラルド. (2012年11月14日) 2012年11月23日閲覧。
- ^ “民兵組織が拉致のリビア首相、解放される”. (2013年10月10日) 2013年11月16日閲覧。
- ^ “原油積み込みの北朝鮮タンカー、リビア政府が爆撃警告”. ロイター (ロイター). (2014年3月10日) 2014年3月13日閲覧。
- ^ “リビア議会が首相解任、北朝鮮旗の原油タンカー出港阻めず”. ロイター (ロイター). (2014年3月12日) 2014年3月13日閲覧。
- ^ “リビア反政府勢力下の原油タンカー、米特殊部隊が制圧”. AFPBB News (フランス通信社). (2014年3月17日) 2014年3月18日閲覧。
- ^ “リビア新首相が辞任表明 襲撃受けた翌日”. CNN.co.jp (CNN). (2014年4月14日) 2014年4月16日閲覧。
- ^ “リビア元首相、首都で武装集団に拉致される 9日間消息不明”. AFPBB NEWS. (2017年8月23日) 2018年4月30日閲覧。
- ^ “武装集団に拉致されたリビア元首相、9日ぶりに解放”. AFPBB NEWS. (2017年8月24日) 2018年4月30日閲覧。
公職 | ||
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