アルティメット・ファクター
表示
『アルティメット・ファクター』は椎葉周 (イラスト:山本ヤマト) によるライトノベル。全六巻。他にサイドストーリーが一巻発売されている。
概要
[編集]未開の惑星、テラ・インコグニタを舞台にしたスタイリッシュ・ヘヴィアクション。遺伝子操作された兵士「U.L.T.I.M.A.T.E.」であるリボーを始めとしたミリタリー・サービス、ウィッシング・ウェルのエージェント達が、人類と「U.L.T.I.M.A.T.E.」で構成された反乱軍「エクスカリバー」との戦争にかかわっていく物語。
キャラクター
[編集]人類側
[編集]ウィッシング・ウェル
[編集]- リボー・ブレンディッド
- 主人公。「U.L.T.I.M.A.T.E.」でも有数の実力者が揃う特殊部隊「鉛の亡霊」(レッド・ファントム)の元精鋭。光線剣「フォトン・ウィーバー」の扱いから、格闘術、銃撃、爆破、戦術、あらゆる戦闘技能に長けており、特殊能力として己の瞬発力を極限まで上げる「超瞬力」(エクセラレーター)と、視覚と同様の精度を持つ聴覚「音響視覚」(フォニックアイ)という能力を持っている。基本的に明るく、反抗的な性格だが、実直で規律正しい軍人としての一面を持つ。
- ゴスペル・フォルトナー
- 十八歳で民間総合軍事企業「ウィッシング・ウェル」を率いる美少女。「鉛の亡霊」の元総司令官で現大手ミリタリー・サービス「エグゼクティヴ・ディビジョン」の責任者であるリチャード・フォルトナーの娘。
- クラウディア・ヴィダーツ
- 元巡回検察官。服の上に着込んだ防弾スーツ・アンダーカバーによって「U.L.T.I.M.A.T.E.」以上の戦闘能力を発揮することが出来る。ウィッシング・ウェルの経理担当。怒らせると「微笑み鉄仮面」と化す。
- ハーン
- 一見ただの少年だが、人間が開拓する前にいた原生種(トライプス)「ワイヲリカ」であり、ワイヲリカ独特の「術」とよばれる体術と剣術を操る。ウィッシング・ウェルのトラブルメーカー。
- ギャラガー・ドラッグスラー
- 「U.L.T.I.M.A.T.E.」でも有数の狙撃手。シャキーラにギャンブルで負けた弱みを握られている。アンサーとは過去にひと悶着あった模様。ちなみに、彼だけはウィッシング・ウェルの正式な社員ではなく、協力者として度々リボー達を助けていたが、物語終盤には正社員と変わらぬ扱いになっている。
人類側の協力者達
[編集]- シャリオール・ダーレー
- 大手ミリタリー・サービス「ミリオン・マスケッターズ」社のCEO。かなりの金持ち。
- ブリジット・ダーレー
- 惑星横断鉄道業界の先頭を走る「マジェスティック・ゼファー」社の取締役。
- シャリオールの姉で九歳年上。
- ジェームズ
- 超高地大山脈(グレート・プラトー)トンネル工事の総責任者。
- シャキーラ
- テラ・インコグニタの裏社会を仕切る謎の多い裏フィクサー美女。
- 関わると厄介事に巻き込まれるというのがもっぱら噂になっている。
- アインデッカー・ハンス
- ベテランの巡回検察官(エンフォーサー)でクラウディアの元上司。エクスカリバーの調査に執念を燃やす男。
- ジョン・クリフォードに子妻を殺された。
- エディ
- クラウディアの元同僚。
- ミリタリーサービス「ワイアット」社のエージェントだがエクスカリバーに買収されたため、アルティマ・テューレ駅領での戦闘ではやめたようだ。
- ワイヲリカ
- 戦闘を比較的好まない知的原生種。
- 外見は子供ほどだが、ワイヲリカの大人も子供サイズで実齢がわかりにくい。
- クロハバキ隊など実戦に慣れた裏の一派も存在する。
エクスカリバー
[編集]惑星横断鉄道占拠メンバー
[編集]- "F"(フラッシュ) ルキア
- 鉄道占拠事件の主犯。相手を洗脳させる特殊能力を持つ。この事件で死亡。
- "P"(フィジカル) シェイプ
- 変身能力を持つ。この事件で死亡。
- "Q"(クワイエット) ナイ
- 瀕死の重傷を負うが、(W) アンサーのマティックノイドにより救助、その後マルコ隊に配属。ワイヲリカの術を使う。後にハーンの弟子、エミリオに殺される。
- "G"(ガン) スレイブ
- リボーに線路に突き落とされるが自慢の能力 (下記参照) により生還、その後マルコ隊に配属。
- "W"(ウェブ) アンサー
- 事件で死亡したと思われていたが生還、その後マルコ隊に配属。
マルコ隊
[編集]- マルコ・マックィーン
- 命令無視・独自行動は当たり前の愚連隊「マルコ隊」の指揮官。元はリボーと同じ「家族」だったが、現在は対立している。リボーを超えるフォトン・ウィーバーの達人。
- "A"(アサルト) ハマー
- 対原生種用のU.L.T.I.M.A.T.E.。普段は貧弱だが、戦闘時には巨人に変身する。階級は二等軍曹。
- フォート・アジールの偽造AI工場でハーンに、戦いを挑み負けた。
- "B"(ブラスト) ヴォイス
- 重機関銃を操る兵士。声によって相手を攻撃する特殊能力を持つ。階級は一等軍曹。アルティマ・テューレ駅領での、戦闘で部下と共に崩れたトンネルに埋もれ、その後の消息は不明。
- "G"(ガン) スレイブ
- 全身を回復する特殊能力「肉体再生」(リジェネレーション)を持つ。マルコ部下で極度の熱血漢。階級は三等軍曹。アルティマ・テューレ駅領での戦闘で、瓦礫に埋もれた"B" (ブラスト) ヴォイスを助けに行き、その後の消息は不明。その特殊能力故に、ある意味作中最も多くリボー達に殺されている。
- "Q"(クワイエット) ナイ
- 剣術の達人。ワイオリカの「術」を使う。ハーンの弟子、エミリオに殺される。シバガミ・ユウの弟子であり、マルコの兄弟子に当たる。
- "W"(ウェブ) アンサー
- ハッキングの専門家で脳内に量子コンピュータをインプラントしている。ギャラガーと知り合い。
マルコの部下で階級は准尉。
元「鉛の亡霊」
[編集]- ラファエロ・パルメイロ
- ナイフの使い手で元「鉛の亡霊」出身の兵士。関節を自由に曲げる「特殊能力」を持つ。
- タイニー
- パルメイロの副官。
- ブロウ
- 元「鉛の亡霊」の偵察手。
- スモルツ
- 元「鉛の亡霊」の狙撃手。
その他
[編集]- ジョン・クリフォード
- ギャラガーと並ぶ狙撃の名手。超遠距離射撃(スーパーロングショット)を得意とする。
- エアロ・リーコン時の階級は上級曹長。
- デニー・スミス
- クリフォードの副官で観測手(スポッター)。
- 冷檄なサディストでフォトン・ウィーバーの使い手。
- イドリス
- ホヴァックで編成された、元帥府統合参謀本部直属の精鋭遊撃部隊「レンジャー」を率いる准将。
- 哨戒索敵プローブである「プライベート・アイ」を使い、大戦時は戦女神(ミネルヴァ)と呼ばれていた。
- 後に、リボーに殺される。
エクスカリバー重要人物
[編集]- フォーチューン
- 謎の技術集団「チャペックの系譜」の少女。正体は不明。
- シバガミ・ユウ
- ワイオリカの「術」を盗んだ剣術の達人。座席強盗団(シートギャング)訛りがある。後にマルコと師弟関係を結ぶ。エクスカリバー東部師団で参謀を務める大佐。
- モーゼン
- 「エクスカリバー」の参謀総長。ジェイコブス・ラダーの守備を任されていた。階級は大将。
始祖(マグナム・オーパス)
[編集]- アガルッド
- 「エクスカリバー」の元帥。自軍を率いて人類に反旗を翻す。イモータルに対抗するべく開発された始祖(マグナム・オーパス)で開発コードネームは「ダイナスト」。放電能力を持つ。
- ミケーレ・ザザ
- 資金工作部隊「ザザ・ファミリー」の頭目であり、始祖。
- アガルッドと同期であること以外詳細は不明。
イモータル
[編集]地球時代(オールドアース・エイジ)に人類が戦い敗北した相手。人類よりはるかに優れた文明を有する。 こちらは、同作者作のアンジェリック・ノワールにて詳しく語られる。
短編の登場人物
[編集]- シュヴェッタ
- マフィアの情婦をしていた少女。ボスの大事なものを奪い、マフィアにつけ狙われる。
- デルトロ
- 裏社会の殺し屋の「U.L.T.I.M.A.T.E.」。454カスールを使用したウィービング・ロックというリボルバー拳銃を操る。
- ジンゴー
- 「U.L.T.I.M.A.T.E.」を迫害する人種差別主義者。ギャラガーに制裁される。
登場兵器及び車両
[編集]携行及び車載兵器
[編集]現実兵器
[編集]- 軽機関銃(SAW)
- 分隊支援機関銃。
- 25mm強制排莢式機関砲(二十五ミリチェーンガン)
- 薬莢の排出をチェーン駆動で強制的に行う砲。対物ライフルの倍以上ある弾をフルオートで撃つ事が可能で弾詰まりを起こしにくい、という利点がある。精鋭遊撃部隊「レンジャー」のホヴァックに搭載されていた。
- ペイロードライフル
- 25mmアンチマテリアルライフルとも言われる、規格上もはや砲の域に達する重火器。
- 劇中では、AMBTの脆弱な部位を破壊するために用いられている。
- (恐らく、Barrett XM109 25mm Payload Rifle であると思われる。)
架空兵器
[編集]- カローンP二十一
- 「鉛の亡霊」の正式使用拳銃。弾薬は9ミリパラベラムであり、21発の銃弾を装填できる。リボーの主要武器。
- ヴィブロ・ブレード (超高振動刃)
- 振動によって殺傷能力を高めた刃。作中の刃物の多くがヴィブロ・ブレードを採用している。
戦闘車両
[編集]現実車両
[編集]- ガンシップ(AC130亜種?)
- 機体左下腹部に多数の銃火器を装備する大型輸送機。
- 詳細は不明だが、本来ガンシップには無い装備である空中回収システムを装備している。
架空車両
[編集]- 自律式多脚戦車(AMBT)
- 人類連邦正規軍(フェデラル・フォース)第一機甲師団に採用されている陸戦の切り札。
- 分厚い装甲と大火力の重砲を装備し、AIによる自律式のため戦車特有の死角が無い。航空機での攻撃以外に破壊することは困難で、国家予算をもってしても大量配備が出来ないほど高価。アルティマ・テューレ駅領の戦いで「エクスカリバー」が四両編成の小隊を投入した。
- マジノライン
- 大手ミリタリー・サービス「ミリオン・マスケッターズ」社が誇る専用武装客車。
- 主砲に三連装電磁加速砲(レイルキャノン)、副砲に百八十五ミリ電熱野戦砲(ETC) を装備している。また前線への部隊輸送も可能である。
非戦闘車両
[編集]現実車両
[編集]- SUV
- アルティメット・ファクターの世界で主に使われる民間四駆車両。
- ただし、対トライプス防御用に対戦車ミサイルを装備しているものもある。
架空車両
[編集]- 惑星横断鉄道(TUR)
- 未開の惑星、テラ・インコグニタを各駅領に向かって引かれている鉄道。巨大な水素機関車両(ハイドロ・ロコモーティヴ)が走る。
- トレイル・ブレイザー(開拓者)
- 惑星横断鉄道専用のトンネル掘削機(シールドマシン)。惑星横断鉄道業界の先頭を走る「マジェスティック・ゼファー」社の繁栄を築いた。
- HELLION
- 図太いタイヤを履いたリボーの愛車。自己保全能力が高いAIが搭載されている。
超兵器及び施設
[編集]- フォトン・ウィーバー
- 超高密度光子エネルギーを使用した白兵戦用兵器。リボーやマルコといったU.L.T.I.M.A.T.E.が使用することが多い。
- メテオ・インファントリー
- イモータル製の惑星強襲揚陸兵器。人類が反抗した時の為に、工場が設けられていた。現在確認されている工場の場所は、シムーン駅領、アルティマ・テューレ駅領の地下深くにある。
ミリタリーサービス及び組織
[編集]- ウィッシング・ウェル
- ゴスペル・フォルトナーが率いる民間総合軍事企業。
- エグゼクティヴ・ディビジョン
- リチャード・フォルトナーが率いる業界二位のミリタリーサービス。社長の経歴から元「鉛の亡霊(レッド・ファントム)」の部隊員を始め、「U.L.T.I.M.A.T.E.」の退役軍人が多く務めている。
- ミリオン・マスケッターズ
- ミリタリーサービスの最大手。マジノラインなどを保有する。
- ドラゴン・ロワイヤル
- 超高地大山脈(グレート・プラトー)の開拓工事に詳しい。激励のメッセージを入れるなど律儀。
- パッショナイト・マインロード
- 工兵出身者が興したミリタリーサービス。地雷を取り扱う。
- ワイアット社
- 「巡回検察官(エンフォーサー)」OB企業である業界三位のミリタリーサービス。ミリタリーサービスのビッグ・スリーの一角を担っていたが、「エクスカリバー」が創業に一枚噛んだ「ビッグ・ジェネレイター」に買収された。
- 人類連邦正規軍(フェデラル・フォース)
- 自律式多脚戦車 (AMBT) など保有する正規軍。重武装の動作感応式外骨格型歩兵戦闘機 (MEXOS) 等も持っている。
- 惑星法執行省(ピース・メイカー)
- 凄腕の巡回検察官(エンフォーサー)達を擁する強力な組織。しかし人類連邦正規軍(フェデラル・フォース)のような軍隊では無いため、敵に対して強襲することは出来ない。
- 資金工作連隊(マネー・レジメント)
- 「エクスカリバー」では「ザザ・ファミリー」に当たる部隊。
- ビッグ・ジェネレイター
- 「ザザ・ファミリー」によって資金洗浄された豊富な資本によって成り立つ合法的な新興企業。その資金力にものを言わせて「エグゼクティヴ・ディビジョン」と「ワイアット社」を買収した。
- 軍放出品取扱店「シーク・レット・ファイア!」
- リボー行きつけの銃砲店。ダウンタウンの一角にあり、普通は手に入らない人類連邦正規軍用、惑星法執行省用などの銃器の品揃えも良い。
地名
[編集]- 超高地大山脈(グレート・プラトー)
- 標高五万メートルを越す山脈で、この星の大気圏を分断し「嵐の母」(マザー・オブ・ストーム)を生む原因なっている。頂上は宇宙に突き出ているのと同じ環境のため、外から登る事は不可能に近い。
- 中間圏太陽光発電施設
- 超高地大山脈(グレート・プラトー)の頂上にある施設。
- ジェイコブス・ラダー
- 中間圏太陽光発電施設への移動手段。
- リニアエレベーターで気圧制御機能を装備し、分速千メートルで頂上まで急上昇する。
- 嵐の母(マザー・オブ・ストーム)
- 超高地大山脈(グレート・プラトー)によって生み出される巨大な竜巻。嵐の母(マザー・オブ・ストーム)の暴風圏では航空機などが一切使えない。
- 最果ての駅領(アルティマ・テューレステイト)
- エクスカリバーによって占拠された駅領。山頂の西方奥地には、他種遺跡(エンシェント)がある。
- シムーン駅領
- イモータルの軍事施設があった。前は、原生種の巣であったが今は、監獄として使われている。
書籍
[編集]- アルティメット・ファクター(角川書店・発売)
巻 | サブタイトル | 発売日 | ISBN |
---|---|---|---|
1 | 軌道上のキリングゾーン | 2004年4月1日 | ISBN 978-4-0442-47034 |
2 | 決別のフォトン・クロス | 2004年8月30日 | ISBN 978-4-0442-47041 |
3 | 不屈のカウンタースナイパー | 2005年1月28日 | ISBN 978-4-0442-47058 |
4 | 鋼刃のジャスティス | 2005年9月30日 | ISBN 978-4-0442-47072 |
5 | 成層圏のパペットショー | 2006年3月31日 | ISBN 978-4-0442-47089 |
6 | 最果てのイモータル | 2006年9月30日 | ISBN 978-4-0442-47096 |
- アルティメット・ファクターEARLY TIMES(角川書店・発売)
巻 | サブタイトル | 発売日 | ISBN |
---|---|---|---|
1 | 赤道直下のソニックウェイヴ | 2005年3月31日 | ISBN 978-4-0442-47065 |