アルミランテ・クレメンテ級駆逐艦
アルミランテ・クレメンテ級駆逐艦 | |
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基本情報 | |
艦種 | 駆逐艦・フリゲート |
建造所 | イタリア アンサルド社 |
運用者 |
ベネズエラ海軍 インドネシア海軍 ポルトガル海軍 |
就役期間 | 1956年 - 2011年 |
前級 | 旧加フラワー級 |
次級 | マリスカル・スクレ級 |
要目 (ベネズエラ艦竣工時) | |
基準排水量 | 1,300トン |
満載排水量 | 1,500トン |
全長 | 99.1 m |
最大幅 | 10.8 m |
吃水 | 3.4 m |
ボイラー | FW式×2缶 |
主機 | 蒸気タービン×2基 |
推進器 | スクリュープロペラ×2軸 |
出力 | 24,000馬力 |
速力 | 34ノット |
航続距離 | 3,500海里 (15kt巡航時) |
アルミランテ・クレメンテ級駆逐艦(スペイン語: Destructores Clase Almirante Clemente)は、ベネズエラ海軍の駆逐艦の艦級(後にフリゲートに類別変更)。1953年に6隻がイタリアに発注され[1]、1956年より順次に竣工した[2]。インドネシア海軍も2隻を購入し、1956年に就役させたほか[3]、ポルトガル海軍も装備を削減した派生型1隻を就役させた[4]。
設計
[編集]船体構造は軽量型で、広範にアルミニウム合金が導入された。ただしこのため脆弱となり、多くの問題に悩まされた。なお居住区および指揮統制区画には空調が施されていた[2]。減揺装置として、デニー・ブラウン社製のフィンスタビライザーが設置されていた[5]。
機関にはギアード・タービン方式が採用されており、フォスター・ホイーラー式ボイラー2缶と蒸気タービン2基をくみあわせてスクリュープロペラ2軸を駆動し、34ノットを発揮した。その後、1984年から1985年にかけて、イタリアのCNRジェノヴァ造船所で主機の換装工事が行われ、GMT 16-645 E7CAディーゼルエンジン2基が搭載された[2]。
装備
[編集]艦砲としては全自動式の45口径10.2cm連装高角砲(QF 4インチ砲Mk.XVI)が搭載され、レーダー照準に対応していた。対空兵器としては60口径40mm連装機銃2基と80口径20mm単装機銃8基が搭載された[2]。
その後、近代化改装が行われた。まず1962年、「アルミランテ・ガルシア」「アルミランテ・ブリオン」「ヘネラル・アウストリア」を対象として、防空・対潜戦能力を強化する改修が行われ、20mm機銃を撤去して対潜迫撃砲が搭載された[6]。
また「アルミランテ・クレメンテ」「ヘネラル・モラン」は、1968年から1975年にかけて、より広範な改修を受けた。102mm砲のかわりに62口径76mm単装速射砲(76mmコンパット砲)を搭載し、射撃指揮装置はRTN-10X追尾レーダーを備えたNA-10に更新され、捜索レーダーもAWS-2に換装された。またソナーもプレッシーMS-26に換装され、対潜兵器も324mm3連装魚雷発射管に変更された[2]。
兵装・電装諸元表
[編集]「アルミランテ・クレメンテ」[2] | 「イマーム・ボンジョル」[3][7] | 「ペドロ・エスコバル」[4] | |||
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竣工時 | 改修後 | 竣工時 | 改修後 | ||
兵装 | 45口径10.2cm連装高角砲×2基 | 62口径76mm単装速射砲×2基 | 45口径10.2cm連装高角砲×2基 | 50口径7.6cm単装砲×2基 | 50口径7.6cm連装速射砲×2基 |
60口径40mm連装機銃×2基 | 70口径40mm連装機銃×1基 | 30mm連装機銃×2基 | 40mm連装機銃×1基 | ||
80口径20mm単装機銃×8基 | 20mm連装機銃×3基 | - | |||
ヘッジホッグ対潜迫撃砲×2基 | 324mm3連装魚雷発射管×2基 | ヘッジホッグ対潜迫撃砲×2基 | - | スキッド対潜迫撃砲×2基 | |
爆雷投射機×4基 | 爆雷投射機×4基 | ||||
爆雷投下軌条×2条 | |||||
533mm3連装魚雷発射管×1基 | 533mm3連装魚雷発射管×1基 | 324mm3連装魚雷発射管×2基 | |||
レーダー | MLA-1 | AWS-2 → AWS-4[1] |
MLA-1 |
同型艦一覧
[編集]運用者 | # | 艦名 | 造船所 | 起工 | 竣工 | 退役 |
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D→F12 →GC11 |
アルミランテ・クレメンテ ARV Almirante Clemente |
アンサルド | 1954年5月5日 | 1956年 | 2011年 | |
D→F22 →GC12 |
ヘネラル・モラン ARV General Moran |
2009年 | ||||
D→F13 | ヘネラル・フローレス ARV General Flores |
1978年 | ||||
D→F23 | アルミランテ・ブリオン ARV Almirante Brión |
1954年12月12日 | 1957年 | |||
D→F32 | ヘネラル・アウストリア ARV General Austria |
1976年 | ||||
D→F33 | アルミランテ・ガルシア ARV Almirante García |
1977年 | ||||
250 | イマーム・ボンジョル KRI Imam Bonjol |
1956年1月8日 | 1958年5月19日 | 1978年 | ||
251 | スーラパティ KRI Surapati |
1958年5月28日 | ||||
F335 | ペドロ・エスコバル NRP Pedro Escobar |
1955年1月7日 | 1957年7月 | 1975年 |
出典
[編集]- ^ a b Saunders 2009, p. 984.
- ^ a b c d e f Gardiner 1996, p. 636.
- ^ a b Gardiner 1996, p. 178.
- ^ a b Gardiner 1996, p. 318.
- ^ Prezelin 1990, p. 924.
- ^ Moore 1975, p. 588.
- ^ Moore 1975, p. 168.
参考文献
[編集]- Gardiner, Robert (1996). Conway's All the World's Fighting Ships 1947-1995. Naval Institute Press. ISBN 978-1557501325
- Moore, John E. (1975). Jane's Fighting Ships 1974-1975. Watts. ASIN B000NHY68W
- Prezelin, Bernard (1990). The Naval Institute Guide to Combat Fleets of the World, 1990-1991. Naval Institute Press. ISBN 978-0870212505
- Saunders, Stephen (2009). Jane's Fighting Ships 2009-2010. Janes Information Group. ISBN 978-0710628886