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アレグザンダー・マコール・スミス

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
アレグザンダー・マコール・スミス
(Alexander McCall Smith)
誕生 (1948-08-24) 1948年8月24日(76歳)
ローデシアの旗 ローデシアブラワヨ
職業 作家
言語 英語
国籍 スコットランドの旗 スコットランド
ジャンル フィクション、児童書、ノンフィクション
公式サイト http://www.alexandermccallsmith.co.uk/
ウィキポータル 文学
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アレグザンダー・“サンディ”・マコール・スミスAlexander "Sandy" McCall SmithCBEFRSE(エディンバラ王立協会員)英語版1948年8月24日 - )は、ローデシア(現・ジンバブエ)生まれのスコットランド作家エディンバラ大学医事法名誉教授。20世紀後半に医事法と生命倫理学の権威となった。代表作は『No.1レディーズ探偵社』シリーズ。

経歴

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1948年南ローデシア(現・ジンバブエ)のブラワヨに生まれる。父はイギリス植民地時代の検察官だった[1]。ブラワヨのクリスチャン・ブラザーズ・カレッジ (en) で学んだ後、スコットランドへ引っ越し、エディンバラ大学で法律を学び、学位を取得した[2]

その後、クイーンズ大学ベルファストで法律の教鞭を取りながら、小説や児童書のコンペに参加した。児童書部門で優勝し、1980年代から1990年代には30冊の児童書を出版した[1]

1981年ボツワナ大学創設の協力と法律の教鞭を取るため、アフリカ南部を訪れる。そこで、現在も国の法体系の唯一の書物である"The Criminal Law of Botswana" (1992) を共同で執筆した[3]

1984年エディンバラへ戻って以降、現在も同地に内科医の妻と2人の娘と暮らしている。エディンバラ大学の法学部教授を経て同学と同学ロー・スクールの名誉教授となる。ジェイムズ・テイト・ブラック記念賞の関係で、現在も大学に留まっている。

イギリスの医学誌『BMJ』の倫理委員会の委員長(2002年まで)、イギリスのヒト遺伝学委員会の副委員長、ユネスコの国際生命倫理委員会のメンバーを務めた。作家として成功した後、これらの委員会を辞した。

2006年12月、文学での貢献によりCBE(大英帝国勲章)を授与される[4]2007年6月、エディンバラ大学ロースクールの創立300年を記念するセレモニーで法学博士名誉学位を授けられる。

ファゴットのアマチュア奏者で「The Really Terrible Orchestra」の創設者の一人でもある。ボツワナで初となるオペラのトレーニングセンター「No.1レディーズ・オペラ・ハウス」の創設に協力し[5]、初公演のためにオカバンゴ・デルタを舞台とした「マクベス」のリブレットを執筆した[6]

2009年、イギリスの38人の作家による短編集プロジェクト「Ox-Tales」のために"Still Life" を寄稿した[7]

アメリカ合衆国大統領夫人、ローラ・ブッシュレッド・ホット・チリ・ペッパーズフリーと同じくらい、マコール・スミスの大ファンである[8]

著書

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ヘルシンキで著書にサインをするマコール・スミス(2007年4月)

No.1レディーズ探偵社シリーズ

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# 邦題 原題 刊行年
イギリスの旗
刊行年月
日本の旗
訳者 出版社 日本の旗
1 No.1レディーズ探偵社、本日開業 The No.1 Ladies' Detective Agency 1999年 2003年9月 小林浩子 ヴィレッジブックス
2 キリンの涙 Tears of the Giraffe 2000年 2004年8月
3 No.1レディーズ探偵社、引っ越しす Morality for Beautiful Girls 2001年 2006年8月
4 新参探偵、ボツワナを騒がす The Kalahari Typing School for Men 2002年 2009年8月
5 The Full Cupboard of Life 2003年
6 In the Company of Cheerful Ladies
(The Night-Time Dancer)
2004年
7 Blue Shoes and Happiness 2006年
8 The Good Husband of Zebra Drive 2007年
9 The Miracle at Speedy Motors 2008年
10 Tea Time for the Traditionally Built 2009年
11 The Double Comfort Safari Club 2010年
12 Precious and the Puggies
(Precious and the Monkeys)
2010年
13 The Saturday Big Tent Wedding Party 2011年
14 The Limpopo Academy of Private Detection 2012年

The 2½ Pillars of Wisdom(ドクター・フォン・イゲルフェルド シリーズ)

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日曜哲学クラブシリーズ(イザベル・ダルハウジー シリーズ)

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# 邦題 原題 刊行年
イギリスの旗
刊行年月
日本の旗
訳者 出版社 日本の旗
1 日曜哲学クラブ The Sunday Philosophy Club 2004年 2009年8月 柳沢由実子 創元推理文庫
2 友だち、恋人、チョコレート Friends, Lovers, Chocolate 2005年 2010年1月
3 The Right Attitude to Rain 2006年
4 The Careful Use of Compliments 2007年
5 (英)The Comfort of Saturdays
(米)The Comforts of a Muddy Saturday
2008年
6 The Lost Art of Gratitude 2009年
7 The Charming Quirks of Others 2010年
8 The Forgotten Affairs of Youth 2011年
9 The Uncommon Appeal of Clouds 2012年10月
(予定)

44 Scotland Street Series

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  • 44 Scotland Street (2005)
  • Espresso Tales (2005)
  • Love Over Scotland (2006)
  • The World According to Bertie (2007)
  • The Unbearable Lightness of Scones (2008)
  • The Importance of Being Seven (2010)
  • Bertie Plays The Blues (2011)
  • Sunshine on Scotland Street (2012年8月予定)

Corduroy Mansions

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その他

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  • La's Orchestra Saves the World (2008)
  • Trains and Lovers (2012)
    • 『列車と愛の物語』(2014年、近代文藝社)

短編集

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  • Children of Wax: African Folk Tales (1991)
  • Heavenly Date: And Other Flirtations (1995)
    • 『ささやかなしあわせ―デートにまつわる9つの物語』(2008年2月、訳:小林浩子、ヴィレッジブックス)
  • The Girl Who Married a Lion: And Other Tales from Africa (2004)
  • The Strange Story of Bobby Box (2011) - ヤングアダルト向けアンソロジー"What You Wish For" に収録

児童文学

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# 邦題 原題 刊行年
イギリスの旗
刊行年月
日本の旗
訳者 出版社 日本の旗
1 The White Hippo 1980年
2 小さな町のおいしいハンバーガー屋さん The Perfect Hamburger 1984年 1989年1月 鋤柄暁子 ポプラ社文庫
3 Alix and the Tigers 1988年
4 The Tin Dog 1990年
5 Calculator Annie 1991年
6 The Popcorn Pirates 1991年
7 アキンボとライオン Akimbo and the Lions 1992年 2007年6月 もりうちすみこ 文研出版
8 The Doughnut Ring 1992年
9 アキンボとクロコダイル Akimbo and the Crocodile Man 1993年 2009年1月 もりうちすみこ 文研出版
10 Paddy and the Ratcatcher 1994年
11 The Muscle Machine 1995年
12 The Bubblegum Tree 1996年
13 Bursting Balloons Mystery 1997年
14 The Five Lost Aunts of Harriet Bean 1997年
15 Chocolate Money Mystery 1999年
16 Teacher Trouble 2000年
17 アキンボとアフリカゾウ Akimbo and the Elephants 2005年 2006年5月 もりうちすみこ 文研出版
18 Dream Angus 2006年
19 アキンボと毒ヘビ Akimbo and the Snakes 2006年 2010年1月 もりうちすみこ 文研出版
20 アキンボとマントヒヒ Akimbo and the Baboons 2008年 2011年2月 もりうちすみこ 文研出版
21 The Great Cake Mystery 2012年

学問書

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  • 1978 Power and Manoeuvrability (トニー・カーティ共著)
  • 1983 法と医の倫理 Law and Medical Ethics (J・K・メイソン共著) - 改訂されており、マコール・スミスが担当したのは第6版までである
  • 1987 Butterworths Medico-Legal Encyclopaedia (J・K・メイソン共著)
  • 1990 Family Rights: Family Law and Medical Advances (エラニー・スーザーランド共著)
  • 1992 The Criminal Law of Botswana (クワム・フリムポン共著)
  • 1993 The Duty to Rescue (マイケル・メンロウ共著)
  • 1992 Scots Criminal Law (デイヴィッド・H・シェルドン共著)
  • 1997 Forensic Aspects of Sleep (コリン・シャピーロ共著)
  • 2000 Justice and the Prosecution of Old Crimes (ダニエル・W・シューマン共著)
  • 2001 Errors, Medicine and the Law (アラン・メリー共著)
  • 2003 A Draft Criminal Code for Scotland (エリック・クライブ、パメラ・ファーガソン、クリストファー・ジェーン共著)
  • 2004 Creating Humans: Ethical questions where reproduction and science collide (講義録)

出典

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  1. ^ a b Hunter, Jeffrey W. (2009). Contemporary Literary Criticism.. ミシガン州デトロイト: Gale. ISBN 978-1-4144-1944-2 
  2. ^ Nicoll, Ruaridh (2004年5月2日). “Handy Sandy”. The Observer. http://books.guardian.co.uk/departments/generalfiction/story/0,,1207967,00.html 2008年5月12日閲覧。 
  3. ^ Wands, D C and P G (16-May-2011). “Alexander McCall Smith”. Fantastic Fiction. 25 May 2011閲覧。
  4. ^ “New Year Honours—United Kingdom”. The London Gazette. (2006年12月29日). http://www.gazettes-online.co.uk/ViewPDF.aspx?pdf=58196&geotype=London&gpn=8&type= 2009年1月3日閲覧。 
  5. ^ Times article
  6. ^ AFP news report on the ‘Okavango Macbeth’
  7. ^ Oxfam: Ox-Tales
  8. ^ Kirkus Reviews. New York City, New York: The Nielsen Company. (2005). ISSN 0042-6598 

外部リンク

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