イガトキンソウ
イガトキンソウ | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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イガトキンソウ
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分類(APG III) | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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学名 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||
Soliva anthemifolia (Juss.) R.Br. (1817)[1] | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||
和名 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||
イガトキンソウ |
イガトキンソウ Soliva anthemifolia はキク科の小さな植物。花序がクリのイガのような姿をしている。別名にシマトキンソウ[2]、タカサゴトキンソウがある。イガトキンソウの和名は原寛の見解によって名付けられている[2]。
特徴
[編集]地面を這う1年性の草本[2]。細い茎は地表を這って伸び、所々から根を下ろし、そこから立ち上がる葉を束に出し、高さ5 - 10センチメートル (cm) になる[2]。葉は2 - 3回羽状に深く裂ける。最先端の裂片は幅1ミリメートル (mm) ほど[2]。全体にまばらに長く柔らかい毛が生えている[2]。
花期は春[2]。頭花は地面に接して着き、その基部からは根が出ることが多い[2]。頭花には柄がなくて茎の上に直接につき、径は5 - 11 mm、黄緑色[2]。全体を包む総苞は膜状、ほぼ1列に並ぶ[2]。その外側に数個の葉があり、その基部が広がって総苞を包むようになっている[2]。
小花は2形あり、外側に雌花、内側に両性花がある[3]。両性花は8 - 12個でラッパ状の花冠があり、その先端は3つに裂ける。この花は種子をつけない。外側には多数の雌花があり、こちらには花冠はない。花柱だけが突き出して、その基部には多数の毛がある。種子では花柱が長い嘴となる。痩果は長さ2 mm[4]、その外側にはコルク状の翼が発達し、これが果実の隙間を埋める。その結果、そうやって埋められた面から嘴だけが突き出した姿となる[5]。
分布と生育環境
[編集]世界の熱帯域に広く分布し、原産は南アメリカとされる[2]。日本では1910年に長崎で見つかり、長田 (1976) では和歌山県から九州にかけて、地域によっては都市で雑草化している、としている[2]。2003年時点では近畿以西の本州から九州に記録されているとのこと。奄美大島、西表島は第二次世界大戦後に帰化した[4]。
類似種
[編集]トキンソウとは姿形も似ていない。同属ではメリケントキンソウ Soliva sessilis が国内で発見されている。茎や葉の様子はマメカミツレ Cotula australis にも似ている。
出典
[編集]- ^ 米倉浩司・梶田忠 (2003-). “Soliva anthemifolia (Juss.) R.Br. イガトキンソウ”. BG Plants 和名−学名インデックス(YList). 2024年8月4日閲覧。
- ^ a b c d e f g h i j k l m 長田武正 1976, p. 33.
- ^ 以下、Bouffoer & Peng(1993)
- ^ a b 清水編(2003),p.221
- ^ Boufford & Peng(1993)
参考文献
[編集]- 長田武正『原色日本帰化植物図鑑』保育社、1976年6月1日。ISBN 4-586-30053-1。
- 清水健美編、『日本の帰化植物』、(2003)、平凡社
- David E. Boufford & Ching-I Peng, 1993. Soliva Ruiz & Pavon (Anthemideae, Asteraceae) in Taiwan. Bot. Bull. Acad. Sin. 34 :p.347-352.