イスラトラビル
イスラトラビル | |
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2′-Deoxy-4′-ethynyl-2-fluoroadenosine | |
(2R,3S,5R)-5-(6-Amino-2-fluoro-9H-purin-9-yl)-2-ethynyl-2-(hydroxymethyl)oxolan-3-ol | |
別称 EFdA; MK-8591; 4′-Ethynyl-2-fluoro-2′-deoxyadenosine | |
識別情報 | |
CAS登録番号 | 865363-93-5 |
PubChem | 6483431 |
ChemSpider | 4983885 |
UNII | QPQ082R25D |
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特性 | |
化学式 | C12H12FN5O3 |
モル質量 | 293.25 g mol−1 |
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。 |
イスラトラビル(Islatravir, 4′-ethynyl-2-fluoro-2′-deoxyadenosine, EFdA, or MK-8591)は、HIV感染症およびAIDS(後天性免疫不全症候群) の治療・予防薬として開発中の薬品であり、[1]核酸系逆転写酵素阻害薬(NRTI)の一種である。[2] メルク・アンド・カンパニーは現在、イスラトラビルを薬物溶出型の製品として治験を実施している。[3][4]
横浜薬科大学の大類洋特任教授が合成し、ヤマサ醤油と満屋裕明国立国際医療研究センター研究所長による生物学的評価により開発された[5]。当初はマウスの実験で毒性が高かったものの、分子の改良で毒性は低減した[6]。その後臨床開発になるにあたり、メルク社に導出された[7]。 イスラトラビルはすでに承認済みのHIV薬とは異なる複数の仕組みを介してHIVの逆転写酵素を阻害する。
HIV感染予防効果の検討を目的とする第3相試験IMPOWER 22とIMPOWER 24を含む6種の試験は、一部の患者に総リンパ球数およびCD4陽性T細胞数の減少が認められたことにより、2021年12月に米国食品医薬品局 (FDA) によりclinical hold(実施保留)とされた。治療を目的とする7種の試験も同時にpartial clinical hold(部分的実施保留)とされている[8]。2022年9月、メルク社はpartial clinical holdとされたよりも低用量のイスラトラビルを治療薬としてドラビリンと併用する新たな第3相試験の実施を発表した[9]。
効能・効果
[編集]HIV感染症
脚注
[編集]- ^ Kawamoto, A; Kodama, E; Sarafianos, SG; Sakagami, Y; Kohgo, S; Kitano, K; Ashida, N; Iwai, Y et al. (2008). “2'-deoxy-4'-C-ethynyl-2-halo-adenosines active against drug-resistant human immunodeficiency virus type 1 variants”. The International Journal of Biochemistry & Cell Biology 40 (11): 2410–20. doi:10.1016/j.biocel.2008.04.007. PMID 18487070.
- ^ Roy M. Gulick (2018). “Investigational Antiretroviral Drugs: What is Coming Down the Pipeline”. Top Antivir Med 25 (4): 127–132. PMC 5935216. PMID 29689540 .
- ^ “Someday, an Arm Implant May Prevent H.I.V. Infection for a Year”. New York Times. (July 23, 2019)
- ^ "Merck Presents Early Evidence on Extended Delivery of Investigational Anti-HIV-1 Agent Islatravir (MK-8591) via Subdermal Implant" (Press release). 23 July 2019.
- ^ “大類洋特任教授が創製したHIV感染治療および感染防御のゲームチェンジャーとして期待されている「Islatravir」について”. 横浜薬科大学 (2022年4月22日). 2022年10月2日閲覧。
- ^ 大類洋「(夢のエイズ薬?)EFdAの創製ー分子設計・合成・米国Merck社の臨床試験結果を中心としてー」『天然有機化合物討論会講演要旨集』第58巻、2016年、doi:10.24496/tennenyuki.58.0_Oral31。
- ^ “強力で長時間作用型の新規エイズ治療候補薬・islatravir(EFdA)の開発とNCGMにおける臨床研究”. 国立研究開発法人 国立国際医療研究センター研究所 (2022年4月1日). 2022年10月2日閲覧。
- ^ “イスラトラビルをHIV-1感染症の治療薬および予防薬として評価する試験の Clinical Holdについて”. MSD株式会社 (2021年12月20日). 2022年10月2日閲覧。
- ^ “Merck & Co., Inc., Rahway, N.J., USA、HIV-1感染症の治療薬として 低用量イスラトラビルとドラビリンの併用で1日1回経口投与する 新たな第3相臨床プログラムを開始”. MSD株式会社 (2022年9月20日). 2022年10月2日閲覧。