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イスラマバード

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
イスラマバード

اسلام آباد
パキスタンの旗
上から:ファイサル・モスク、セレナ・ホテル、内閣総理大臣官邸、国会議事堂、ファイサル・モスクとパキスタン・モニュメント
上から:ファイサル・モスク、セレナ・ホテル、内閣総理大臣官邸、国会議事堂、ファイサル・モスクとパキスタン・モニュメント
イスラマバードの位置(パキスタン内)
イスラマバード
イスラマバード
イスラマバードの位置(西南アジア内)
イスラマバード
イスラマバード
北緯33度43分0秒 東経73度4分0秒 / 北緯33.71667度 東経73.06667度 / 33.71667; 73.06667
パキスタンの旗 パキスタン
領域 イスラーマーバード首都圏
建設 1960年代
下位区分 40 UC
政府
 • 知事 Kamran Lashari
 • CDA 長官 Tariq Mehmood Khan
面積
 • 合計 906.50 km2
最高標高
1,604 m
最低標高
457 m
人口
(2017年)
 • 合計 1,014,825人
 • 密度 994人/km2
等時帯 UTC+5 (パキスタン標準時)
郵便番号
44000
市外局番 051
ウェブサイト www.islamabad.gov.pk
地図

イスラマバードウルドゥー語: اسلام آباد‎、英語: Islamabad)は、パキスタン首都イスラーマーバードとも呼ばれるが、日本では長母音を無視したイスラマバードの名で広く知られている。

南アジア有数の世界都市であり、2008年にはイギリスシンクタンク「グローバリゼーションと世界都市研究ネットワーク」によって第3級世界都市と評価された[1]1951年の人口は約9万4千人であったが[2]2009年には約120万人となり[3][4]、パキスタンで10番目の人口の都市に成長した[5]。「ラーワルピンディー・イスラマバード都市圏」の人口は741万人(2017年)であり、パキスタン第3位の人口を有する都市圏を形成している[6]。名前は「イスラームの都市」の意味を持つ[7]

歴史

[編集]
16世紀に建てられたラワット要塞英語版

イスラマバードのあるイスラーマーバード首都圏マルガラ丘陵麓のポトワール高原に位置しカイバル・パクトゥンクワ州パンジャーブ州の結節点にあたる[8]石器時代初期から人間が定住していたと思われ多くの出土品がある。インダス文明の辺縁に位置しアーリア人が最初に入植した地域の一つである。アレクサンドロス3世(大王)からチンギス・カンティムールアフマド・シャー・ドゥッラーニーに至る多くの軍がイスラーマーバード一帯の回廊を通ってインド亜大陸に侵攻していった。 今日のイスラマバードの元はサイドプルと呼ばれた町である。サイドプルはおよそ500年前のバーブルの治世にマルガラ丘陵の斜面に作られた。1849年、イギリスはサイドプルをシク教徒から奪うとここに兵舎を構えた。

1947年にパキスタンが独立した当初、首都はカラチに置かれたが、パキスタン最初の軍人大統領のアイユーブ・ハーンは国土の南端に位置するカラチへの一極集中を是正する必要に迫られた。防衛的観点からは、カラチはアラビア海に近すぎ、領土紛争を抱えるカシミールから遠すぎた。1959年6月にパキスタンの首都としてイスラマバードの地が選定された。陸軍司令部のあるラーワルピンディーからの近さも選定理由であった。1961年に開発が開始。ギリシャ都市計画家コンスタンティノス・ドキシアディスがマスタープランを担当した。イスラマバードは人工都市であり、北にあるマルガラ丘陵を頂点と見立てた三角形の都市の中に碁盤の目のような街路を持つ。イスラマバード建設中の1969年までは首都は暫定的にラーワルピンディーに置かれた。

2005年のパキスタン地震ではイスラマバードも被害を受けた。近年は2008年デンマーク大使館爆発事件イスラマバード・マリオット・ホテル爆破テロ事件などのテロが起きている。2010年にはエアブルー202便墜落事故が郊外で起きている。

気候

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温帯夏雨気候。夏は5月から7月にかけてで非常に暑く湿度も高い。その後9月までモンスーンとなり夜間は雷雨に見舞われることが多い。冬は10月から3月で過ごしやすい気温となる。この時期は朝に霧が出ることが多い。

イスラマバード (1961-1990)の気候
1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
最高気温記録 °C°F 26.1
(79)
30.0
(86)
34.0
(93.2)
40.6
(105.1)
45.6
(114.1)
46.0
(114.8)
44.4
(111.9)
42.0
(107.6)
38.1
(100.6)
36.7
(98.1)
32.2
(90)
27.2
(81)
46
(114.8)
平均最高気温 °C°F 17.1
(62.8)
19.1
(66.4)
23.9
(75)
30.1
(86.2)
35.3
(95.5)
38.7
(101.7)
35.0
(95)
33.4
(92.1)
33.5
(92.3)
30.9
(87.6)
25.4
(77.7)
19.7
(67.5)
28.5
(83.3)
日平均気温 °C°F 10.1
(50.2)
12.1
(53.8)
16.9
(62.4)
22.6
(72.7)
27.5
(81.5)
31.2
(88.2)
29.7
(85.5)
28.5
(83.3)
27.0
(80.6)
22.4
(72.3)
16.5
(61.7)
11.6
(52.9)
21.34
(70.43)
平均最低気温 °C°F 2.6
(36.7)
5.1
(41.2)
9.9
(49.8)
15.0
(59)
19.7
(67.5)
23.7
(74.7)
24.3
(75.7)
23.5
(74.3)
20.6
(69.1)
13.9
(57)
7.5
(45.5)
3.4
(38.1)
14.1
(57.4)
最低気温記録 °C°F −3.9
(25)
−2.0
(28.4)
−0.3
(31.5)
6.1
(43)
11.0
(51.8)
15.0
(59)
17.8
(64)
17.0
(62.6)
13.3
(55.9)
5.7
(42.3)
−0.6
(30.9)
−2.8
(27)
−3.9
(25)
降水量 mm (inch) 56.1
(2.209)
73.5
(2.894)
89.8
(3.535)
61.8
(2.433)
39.2
(1.543)
62.2
(2.449)
267.0
(10.512)
309.9
(12.201)
98.2
(3.866)
29.3
(1.154)
17.8
(0.701)
37.3
(1.469)
1,142.1
(44.966)
平均月間日照時間 195.3 189.3 201.5 252.0 313.1 300.0 263.5 251.1 261.0 275.9 249.0 195.3 2,947
出典1:HKO [9]
出典2:NOAA (extremes, daily mean temeperatures, 1961-1990) [10]

人口動態

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イスラマバードとラーワルピンディーの衛星地図

国語であり第一公用語であるウルドゥー語の他に第二公用語である英語も広く用いられている。パンジャーブ語を母語とする人口は72%、パシュトー語を母語とする人口は10%である。他にラフンダー語系統を母語とするものも数%いる。都市人口のうちおよそ40万人は流入人口で、パンジャーブ州からおよそ24万人、カイバル・パクトゥンクワ州からおよそ8万人などとなっている。人口の95.53%はイスラム教徒、キリスト教徒が4.07%でそれに次ぎ、ヒンドゥー教徒は0.02%となっている。識字率は87%でパキスタンの都市で最高となっている[11]

経済

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イスラマバードはパキスタンの人口の0.8%を占め、国のGDPの1%を産出している。イスラマバード証券取引所は1989年に発足し、カラチ、ラホールに次ぐ3位の規模に成長した。近年は国内外のIT関連企業が多く進出している。パキスタン国際航空やパキスタン国営テレビ、パキスタン電気通信 (PTCL) の本社などがある。

交通

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2018年5月、イスラマバードの南西30km(パンジャーブ州のファテジャン)にイスラマバード国際空港が開港し、ベナジル・ブット国際空港は軍用飛行場となった。

鉄道の主要駅としてイスラマバード駅(旧・マルガラ駅)があり、カラチ方面への列車が運行されている。

名所

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ファイサル・モスク

北部には、南アジア最大のモスクファイサル・モスク)がある。

姉妹都市

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ギャラリー

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出典

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  1. ^ The World According to GaWC 2008, Globalization and World Cities(GaWC), http://www.lboro.ac.uk/gawc/world2008t.html 2011年8月23日閲覧。 
  2. ^ Izhar Ahmad Khan Azhar (2008), Overseas Migration and its socio-economic Impacts on the Families left behind in Pakistan, kassel university press, p. 18, ISBN 978-3-89958-366-3 
  3. ^ Transport for the general public between the twin cities of Islamabad and Rawalpindi, Capital Development Authority, http://www.cda.gov.pk/cda-latest/files/news.asp?var=27 2011年8月23日閲覧。 
  4. ^ http://www.dawn.com/wps/wcm/connect/dawn-content-library/dawn/the-newspaper/editorial/poor-police-performance-460[リンク切れ]
  5. ^ Pakistan: largest cities and towns and statistics of their population, World Gazetteer, オリジナルの2013-10-17時点におけるアーカイブ。, https://archive.is/hbRah 2011年8月23日閲覧。 
  6. ^ Frantzeskakis, J. M. (april 2001), Demographia World Urban Areas, Demographia, http://www.demographia.com/db-worldua.pdf 2011年8月23日閲覧。 
  7. ^ 長谷川啓之 (2009), 現代アジア事典, 文眞堂, p. 94, ISBN 4830946490 
  8. ^ Islamabad, Islamabad.net, オリジナルの2009-4-18時点におけるアーカイブ。, https://web.archive.org/web/20090418080604/http://pakistan.net/cities/islamabad/islamabad.htm 2011年8月23日閲覧。 
  9. ^ Climatological Normals of Islamabad”. Hong Kong Observatory. 2011年5月2日閲覧。
  10. ^ Islamabad Climate Normals 1961-1990”. National Oceanic and Atmospheric Administration. 2012年1月16日閲覧。
  11. ^ LITERACY-POPULATION 10 YEARS AND OLDER, Statistics Division Government of Pakistan, オリジナルの2010-11-13時点におけるアーカイブ。, https://web.archive.org/web/20101113174308/http://www.statpak.gov.pk/depts/fbs/statistics/pslm_prov2006-07/2.14a.pdf 2011年8月23日閲覧。 

関連項目

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外部リンク

[編集]

座標: 北緯33度43分0秒 東経73度4分0秒 / 北緯33.71667度 東経73.06667度 / 33.71667; 73.06667 (イスラマバード)