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イセヒカリ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
イセヒカリ
イネ属 Oryza
イネ O. sativa
交配 突然変異
亜種 ジャポニカ O. s. subsp. japonica
品種 イセヒカリ
開発 伊勢神宮
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イセヒカリは、日本のイネの品種名および銘柄名。

概要

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「イセヒカリ」ポット成苗自然栽培
新潟県南魚沼市姥沢新田 2014.06.01
「イセヒカリ」の田植え 2014.06.15
魚沼イセヒカリの収穫 2014.10.12

イセヒカリは、コシヒカリ突然変異種といわれる。1989年伊勢神宮神田で発見された。1996年1月16日、酒井逸雄少宮司皇大神宮御鎮座二千年を記念して「イセヒカリ」と命名。現状では未品種登録で各県の奨励品種にはなっていないが、硬質米タイプのため、その由来(皇室米)からもコメ輸出向きの品種と寿司米・神酒米に期待される[1][2]

育成経過

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1989年、伊勢地方を台風が2度襲った。被害を受けた神宮神田[3]「西八号田」のコシヒカリは完全に倒伏したが、中央に2株並んで直立している稲があることを神田事務所の森晋(作長・神田管理責任者)[4]が発見し、試験栽培を試みる。

普及

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  • 1995年平成7年) - 岩瀬平 [5][6][7](山口イセヒカリ会代表・元山口県農業試験場長)と山口県の篤農家4名が試験栽培を始める[8]
  • 1996年(平成8年)- 4月12日、山口県神社庁長に酒井逸雄少宮司より「イセヒカリ種籾」3升が授けられた[9]。神宮神田2町9反のうち水田3枚(45アール)で本格栽培され、神宮祭から神前に供された。
  • 1997年(平成9年) - 神宮は「門外不出」としてきた先例を改め、種を各地の神社に下賜された。
  • 2002年(平成14年)- 12月5日、山口イセヒカリ会吉松敬祐により、平成8年から系統選抜した8系統の中から系統番号2号(イセヒカリ2号)を「イセヒカリ原種」として扱うことを藤岡神宮少宮司が了承[10]
  • 2005年(平成17年)- 3月11日商標登録第4846128号 (株式会社 陽光)[11]
  • 2011年(平成23年)- 11月、山口商工会議所は「山口アクティブエイジングシティ構想」で「イセヒカリ」を山口県のブランド米として育成することを提案[12]
  • 2013年(平成25年)- 出雲イセヒカリ会が発足[13]

生育・特性

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中生(なかて)でコシヒカリよりもが太く、下位節間が短いので耐倒伏性が強い。二次枝梗籾数が多く多収で耐病性もあり、甘味はコシヒカリ以上。蛋白質は低く硬質米であるため酒米にも向いている[14][15][16][17]。炊飯には十分に水に浸すこと。寝る前に仕掛けて朝炊いた昔の炊き方(6時間は水に浸す)が基本になる。

原種管理

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  • 岩国イセヒカリ会(山口県岩国市 事務局長:佐古建彦)[18][19]
    • 種籾生産者 吉松敬祐[20](山口イセヒカリ会)

脚注

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  1. ^ 株式会社海外需要開拓支援機構(クールジャパン推進機構)について”. 経済産業省. 2013年11月17日閲覧。
  2. ^ 純米大吟醸『出雲國 幸の縁』さきわいのえにし”. facebook. 2015年5月22日閲覧。
  3. ^ 神宮神田”. 伊勢百景. 2015年1月5日閲覧。
  4. ^ 達人技「土はなめれば分かる」は本当だった第1回世界土壌微生物オリンピック結果発表会”. 日経ビジネス. 2016年2月15日閲覧。
  5. ^ 伊勢神宮で生まれた驚異の稲”. 農業経営者. 2014年4月14日閲覧。
  6. ^ 山口イセヒカリ会 研修ツアー”. 出雲イセヒカリ会 . 2014年4月14日閲覧。
  7. ^ 山口イセヒカリ会 岩瀬平さんからの手紙”. HAPPY BIRTH CAFE. 2014年4月14日閲覧。
  8. ^ 神宮神田を出て、イセヒカリの栽培は山口より始まる”. 2013年11月16日閲覧。
  9. ^ 神宮司庁より山口県神社庁へイセヒカリ種籾が頒賜”. 2013年11月16日閲覧。
  10. ^ イセヒカリ原種の特定と変種群”. 2013年11月16日閲覧。
  11. ^ 商標出願・登録情報”. 特許庁. 2021年9月30日閲覧。
  12. ^ 「山口アクティブエイジングシティ」構想”. 山口商工会議所. 2013年11月17日閲覧。
  13. ^ 出雲イセヒカリ会”. 2014年12月23日閲覧。
  14. ^ 蔵元だより『イセヒカリ純米酒 周防豊穣』”. 酒井酒造株式会社. 2015年1月7日閲覧。
  15. ^ 「おやっさんの酒」”. 中村酒造株式会社. 2015年1月7日閲覧。
  16. ^ イセヒカリ100%純米大吟醸”. 武蔵鶴酒造. 2013年11月16日閲覧。
  17. ^ 黄桜株式会社【伊勢乃穂明】”. 荒玉酒店. 2013年11月16日閲覧。
  18. ^ 山口 農業奇兵隊にイセヒカリ種籾が届きました。”. facebook. 2015年2月22日閲覧。
  19. ^ 蔵元だより”. 酒井酒造. 2015年2月22日閲覧。
  20. ^ Keisuke Yoshimatu”. facebook. 2015年3月7日閲覧。

参考文献

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  • 佐藤洋一郎「お米と生物多様性」『コシヒカリより美味いコメ』朝日新聞出版、2010年6月11日。ISBN 9784022733412 

関連項目

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外部リンク

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