イソブテン
イソブテン | |
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2-メチルプロペン | |
別称 イソブテン γ-ブチレン 2-メチルプロピレン | |
識別情報 | |
CAS登録番号 | 115-11-7 |
PubChem | 8255 |
ChemSpider | 7957 |
UNII | QA2LMR467H |
EC番号 | 204-066-3 |
国連/北米番号 | 1055 液化石油ガス中: 1075 |
RTECS番号 | UD0890000 |
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特性[1] | |
化学式 | C4H8 |
モル質量 | 56.11 g mol−1 |
示性式 | CH2=C(CH3)2 |
外観 | 無色の気体 |
密度 | 0.5879 g/cm3, 液体 |
融点 |
−140.3 °C |
沸点 |
-6.9 °C, 266 K, 20 °F |
水への溶解度 | 不溶 |
危険性 | |
GHSシグナルワード | 危険(DANGER) |
EU分類 | Extremely flammable (F+) |
EU Index | 601-012-00-4 |
NFPA 704 | |
Rフレーズ | R12 |
Sフレーズ | S2 S9 S16 S33 |
引火点 | flammable gas |
発火点 | 465 °C (869 °F) |
爆発限界 | 1.8–9.6% |
関連する物質 | |
関連するブテン | 1-ブテン cis-2-ブテン trans-2-ブテン |
関連物質 | イソブタン |
出典 | |
Chemical infobox 出典 | |
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。 |
イソブテン (isobutene) またはイソブチレン (isobuthylene) とは工業的に重要な炭化水素で、枝分かれ状に 4 個の炭素を持つアルケン。ブテンの構造異性体のひとつ。可燃性を持ち、常温常圧で無色の気体。
用途
[編集]イソブテンは合成中間体としてさまざまに用いられる。メタノールやエタノールと付加させると、ガソリンの添加剤として用いられるメチルtert-ブチルエーテル (MTBE) やエチルtert-ブチルエーテル (ETBE) が得られる。やはりガソリンに加えられるイソオクタンも、イソブテンのアルキル化で合成される。メタクロレインの原料ともなる。フェノールもしくは 4-メトキシフェノールとイソブテンのフリーデル・クラフツ反応により、抗酸化剤のジブチルヒドロキシトルエン (BHT) やブチルヒドロキシアニソール (BHA) が作られる。また、イソブテンが重合するとポリイソブチレンとなる。ブチルゴムはイソブテンを含む共重合体である。
製造
[編集]イソブテンは石油精製ストリームから硫酸と反応させて単離できるが、通常はイソブタンの触媒による脱水素化によって製造される[2]。1990 年代に、MTBE や ETBE の需要増に合わせイソブテンの製造量も大きく増した。北米では Texas Petrochemicals や Lyondell が主要な製造元である。また、アセトンやキシロースやセルロースから製造する方法もあり、バイオイソブテンの製法として光を浴びている[3][4][5]。
危険性
[編集]イソブテンは可燃性が高い気体であるため、爆発を避けなければならない。
出典
[編集]- ^ The Merck Index: An Encyclopedia of Chemicals, Drugs, and Biologicals (11th ed.), Merck, (1989), ISBN 091191028X, 5024.
- ^ George A. Olah and Árpád Molnár. Hydrocarbon Chemistry. Wiley-Interscience. ISBN 978-0471417828
- ^ 山崎聖治, 今野大輝, 中坂佑太 ほか, 「イオン交換ゼオライト触媒を用いたアセトンからのイソブテン選択合成」『化学工学会 研究発表講演要旨集』 2010年 2010f巻, 化学工学会第42回秋季大会, セッションID:P308, p.634, doi:10.11491/scej.2010f.0.634.0
- ^ Global Bioenergies社、バイオイソブテン・プロセスはキシロースも原料として使えることを実証
- ^ Global Bioenergies社、廃棄バイオマスからバイオイソブテンの生産に成功