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イベントツリー解析

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
イベントツリー図例

イベントツリー解析(イベントツリーかいせき、Event tree analysis, ETA, 事象の木解析)は、リスクアセスメントの分析手法の1つで、ツリー状のモデルを用いて解析する方法である。フォルトツリー解析 (FTA) と同様にツリー状であり、異常発生の原因→影響と探る方式(トップダウン)である。

イベントツリー解析の図で特徴的なことは、二分木の連続で構成され、ツリーの分岐点はイベントからの応答値(真偽値)で分岐することである。この解析方法は、運用中または故障中のシステムに対して、イベントの状態を検査することで影響を分析するために使用する[1]

イベントツリー解析は異常の発生確率も算出できる。各分岐点で確率を算出することで、異常の発生確率を算出することができる。

フォルトツリー解析が大きすぎる問題があったため、イベントツリー解析が開発された。そして、原子力発電所、宇宙船、化学プラントなど幅広いシステムに適用した[2]

実行手順

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イベントツリー解析を実行する手順:[1][3]

  1. システムの定義:関係する最小範囲、またはシステムの最大範囲を定義する。
  2. 事故シナリオの特定:システム評価を実行して、システム設計内の危険または事故シナリオを見つける。
  3. 開始イベントの特定:ハザード分析を使用して、開始イベントを定義する。
  4. 中間イベントの特定:特定のシナリオに関連する対策を特定する
  5. イベントツリー図作成
  6. イベントの失敗確率の取得:失敗確率を取得できない場合は、フォールトツリー分析を使用して計算する。各分岐点での確率は必ず合計1になる(例:分岐で一方が0.3なら他方は0.7になる)。
  7. 結果のリスクを特定:イベントパスの全体的な確率を計算し、リスクを決定する。
  8. 結果のリスクを評価:各パスのリスクを評価し、その受容性を判断します。
  9. 是正措置の推奨:パスの結果リスクが許容できない場合は、リスクを変更する設計変更をし開発する。
  10. 結果の文書化:イベントツリー図にてプロセス全体を文書化し、必要に応じて新しい情報を更新する。

脚注

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  1. ^ a b Clemens, P.L.; Rodney J. Simmons (March 1998). “System Safety and Risk Management”. NIOSH Instructional Module, A guide for Engineering Educators (Cincinnati,OH: National Institute for Occupational Safety and Health): IX-3 - IX-7. 
  2. ^ Wang, John et al. (2000). What Every Engineer Should Know About Risk Engineering and Management, p. 69., p. 69, - Google ブックス
  3. ^ Ericson, Clifton A. (2005). Hazard Analysis Techniques for System Safety. John Wiley & Sons, Inc. 

関連項目

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