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イリオモテボタル

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
イリオモテボタル
分類
: 動物界 Animalia
: 節足動物門 Arthropoda
: 昆虫綱 Insecta
: コウチュウ目 (鞘翅目) Coleoptera
亜目 : カブトムシ亜目 Polyphaga
上科 : ホタル上科 Cantharoidea
: イリオモテボタル科 Rhagophthalmidae
: イリオモテボタル属 Rhagophthalmus
: イリオモテボタル
R. ohbai
学名
Rhagophthalmus ohbai
Wittmer, 1994

イリオモテボタル(西表蛍、Rhagophthalmus ohbai)は、コウチュウ目カブトムシ亜目イリオモテボタル科に属する昆虫1986年横須賀市立自然博物館大場信義によって発見され[1]1994年に新種として記載された[2][3]

分布

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日本の西表島石垣島に生息する[4]

生態

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人家の石垣や草地に生息し、12月から1月にかけて姿を見せる[4]。幼虫は体節に3列の発光器をもち、弱い光を放つ[5]。幼虫はヤスデを捕食している[5]

成熟したオスは他のホタル同様の形態をしているが、発光器はもたない。メスは芋虫状の幼虫の姿のまま成虫になる、いわゆるネオテニー(幼形成熟)である。メスの体節には幼虫同様発光器があり、地上で尾端を上げて発光し、オスを引き寄せる[5]。交尾が終了すると、メスは地中にもぐり産卵後、抱卵し外敵から卵を保護する[5]

保護

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イリオモテボタルが1994年に新種として記載されると、絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律に基づき、1994年から1997年の3年間、緊急指定種に指定された(緊急指定種の登録期間は最長3年)[6]。1997年に指定が解除されたあと、沖縄県では独自に絶滅危惧種に指定された[7]ものの、環境省レッドデータブックには記載されていない。生息域が限定されている上、個体数も多くないため[8]、保護の必要性が叫ばれている。

脚注

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  1. ^ イリオモテボタル『最新版 沖縄コンパクト事典』琉球新報社、2003年3月、2022年4月8日閲覧
  2. ^ Wittmer W. und Ohba N.,(1994)「Neue Rhagophthalmidae (Coleoptera) aus China und benach-barten Landerm」Japanese Journal of Entomology 62(2) 341-355
  3. ^ 川島逸郎 (2021年10月20日). “虫を描く私――標本画家のひとりごと - 昆虫「標本画」へ”. ウェブマガジン「あき地」. 2022年4月8日閲覧。
  4. ^ a b 横塚眞己人「西表島フィールド図鑑」実業之日本社、2004年、ISBN 978-4408611198、p.181
  5. ^ a b c d 大場信義「ヤスデを捕食するイリオモテボタルの幼虫」全国ホタル研究会誌第29巻 pp.21-22
  6. ^ 種の保存法に基づく緊急指定種の指定について”. 環境省 (2017年9月7日). 2022年4月8日閲覧。
  7. ^ 沖縄県レッドデータブック. 2022年4月8日閲覧
  8. ^ 八重山毎日新聞「イリオモテボタル今年の確認わずか22個体」2006年12月28日

関連項目

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外部リンク

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