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イワレンゲ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
イワレンゲ
茨城県ひたちなか市 2019年10月
分類APG IV
: 植物界 Plantae
階級なし : 被子植物 Angiosperms
階級なし : 真正双子葉類 Eudicots
階級なし : バラ上類 Superrosids
: ユキノシタ目 Saxifragales
: ベンケイソウ科 Crassulaceae
: イワレンゲ属 Orostachys
: ゲンカイイワレンゲ
O. malacophylla
変種 : イワレンゲ
O. m. var. iwarenge
学名
Orostachys malacophylla (Pall.) Fisch. var. iwarenge (Makino) H.Ohba[1]
シノニム
  • Orostachys iwarenge (Makino) H.Hara[2]
  • Sedum iwarenge (Makino) Makino[3]
  • Cotyledon iwarenge Makino[4]
和名
イワレンゲ(岩蓮華)[5]

イワレンゲ(岩蓮華、学名:Orostachys malacophylla var. iwarenge)は、ベンケイソウ科イワレンゲ属多年草。開花すれば枯死する一稔性植物で、花後に葉腋から腋芽や走出枝をだして繁殖する。ゲンカイイワレンゲ - O. malacophylla var. malacophylla を分類上の基本種とする変種[4][5][6]

特徴

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一稔性植物で、地下に根茎はない。根出葉ロゼット状に開き、ロゼットの径は5-10cmになる。同種内の変種のアオノイワレンゲ O. m. var. aggregeata に似るが、地上部は粉白をおびて白緑色になる。葉身は多肉で扁平、倒披針形になり、長さ4-6cm、幅2-2.5cm、先端は鈍頭から円頭で、多数の葉が重なったロゼットの様子はハスの花に似る。同属のツメレンゲ O. japonica の葉先にある短針状突起はない[4][5][6]

花期は9-11月。ロゼットの中央の軸部分が高さ10-20cmの円錐状の花茎になり、多数のを密につける。花序には葉状のがつき、花柄の基部に2個の細い小苞がある。裂片は薄緑色をし、5個あって基部で合生し、狭卵形で、先は鈍頭から円頭になる。花弁は白色をし、5個で斜めに開き、長さは萼片の2倍で6-8mm、狭倒披針形で先は円頭から鋭頭。雄蕊は2輪で10個あり、花糸は花弁よりやや長く、葯は黄色で紅色にはならない。雌蕊は5個でほぼ離生して直立し、花柱は短く、基部は柄状になる。雌蕊の背面に蜜腺があり、長円形で長さ0.7mm、淡黄色になる。果実は5個の袋果で長楕円形になり、両端はとがる[4][5][6]

分布と生育環境

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日本固有変種[6][7]。本州の関東地方以西、九州に分布し、海岸の岩上や屋根上などに生育する[4][5]。乾燥に強いので、民家の茅葺屋根瓦葺屋根の上のような土壌が少ない環境でも生育するが、最近ではほとんど見かけなくなった[6]

古くから観葉植物として栽培され、明治時代には多くの園芸品種がつくられた[4]

名前の由来

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和名イワレンゲは、「岩蓮華」の意で、「岩」は岩場に生えていることから、「蓮華」は葉が重なっている様子をハスの花、蓮華にたとえたもの[5]

種小名(種形容語)malacophylla は、「やわらかな葉の」の意味、変種名 iwarenge は、和名「イワレンゲ」から[8].。

ギャラリー

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種の保全状況評価

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絶滅危惧II類 (VU)環境省レッドリスト

[6]

2017年、環境省。2000年レッドデータブックまでは、絶滅危惧IB類(EN)。

脚注

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  1. ^ イワレンゲ 米倉浩司・梶田忠 (2003-)「BG Plants 和名−学名インデックス」(YList)
  2. ^ イワレンゲ(シノニム) 米倉浩司・梶田忠 (2003-)「BG Plants 和名−学名インデックス」(YList)
  3. ^ アオノイワレンゲ(シノニム) 米倉浩司・梶田忠 (2003-)「BG Plants 和名−学名インデックス」(YList)
  4. ^ a b c d e f 『改訂新版 日本の野生植物2』pp.220-221
  5. ^ a b c d e f 『新分類 牧野日本植物図鑑』p.529
  6. ^ a b c d e f 『絶滅危惧植物図鑑 レッドデータプランツ 増補改訂新版』p.334
  7. ^ 『日本の固有植物』p.68
  8. ^ 『新分類 牧野日本植物図鑑』p.1497, p.1501
  9. ^ No.62 イワレンゲ、ひたちなか市の文化財の紹介。2019.10.30閲覧

参考文献

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