コンテンツにスキップ

英文维基 | 中文维基 | 日文维基 | 草榴社区

イヴ・モンタン

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
イヴ・モンタン
Yves Montand
Yves Montand
1948年撮影
本名 Ivo Livi
生年月日 (1921-10-13) 1921年10月13日
没年月日 (1991-11-09) 1991年11月9日(70歳没)
出生地 イタリア王国の旗 イタリア王国モンスンマーノ・テルメ
死没地 フランスの旗 フランスサンリス
国籍 フランスの旗 フランス
職業 俳優歌手
配偶者 シモーヌ・シニョレ(女優)
(1951年 - 1985年)
Carole Amiel
(1987年 - 1991年)
主な作品
恐怖の報酬』(1953年)
Z』(1969年)
うず潮』(1975年)
テンプレートを表示

イヴ・モンタンYves Montand1921年10月13日 - 1991年11月9日)は、イタリア出身でフランスで活躍した俳優シャンソン歌手。本名:イーヴォ・リーヴィIvo Livi)。イヴ・モンタンという芸名は、子供の頃、戸外にいたモンタンを母親が階上から「イーヴォ、モンタ!」(Ivo, monta!, イーヴォ、上がってきなさい!)と呼んでいたことにちなむという。

来歴

[編集]
恐怖の報酬』(1953年)

モンタンは、農民の子としてモンスンマーノ・テルメで生まれた。母は敬虔なカトリック教徒であったが、父が強固な共産主義支持者であったため、当時台頭してきたムッソリーニファシスト政権を嫌い、1923年に家族でフランスに移住した。マルセイユで育ち、港で働いたり、姉の経営する美容室で働くなどしていたが、次第にミュージック・ホールで歌うようになる。1944年エディット・ピアフに見出され、ピアフはモンタンにとって助言者また愛人となり、2人の関係は数年の間続いた。

1945年に映画デビュー。1946年に出演した『夜の門』で、主題歌の「枯葉」を歌ってヒットさせた。

1951年に女優のシモーヌ・シニョレと結婚。2人はいくつかの作品で共演している。夫婦でフランス共産党の活動に参加していた。1957年には妻のシニョレ同伴で東側諸国全てでコンサート・ツアーを行った。

1961年に米映画『青い目の蝶々さん』撮影の為に来日している。1月11日にパンナム機で羽田に到着したのち鎌倉奈良京都、などに約2ヶ月間にわたって滞在した。

1982年、ワールドツアーのために2度目の来日。NHKのインタビューを受け“なぜ政治に関心が?”と問われた際に「ははは! 全ての出来事は政治的ですよ!」と笑って返している。

モンタンの浮気がスキャンダルになったことが何度もあったが、マリリン・モンロー(『恋をしましょう』(1960年)で共演)の時は、シニョレが自殺未遂を起こしている。しかし、1985年に彼女が亡くなるまで一緒だった。モンタンはその後1987年、そのアシスタントだった38歳年下のキャロル・アミエルと結婚、1988年に唯一の実子ヴァランタンをもうけた。

モンタンは1991年11月9日に『IP5/愛を探す旅人たち』の撮影直後、心臓発作で倒れ息を引き取った。

主な出演作品

[編集]
公開年 邦題
原題
役名 備考
1946 光なき星
Étoile sans lumière
ピエール
枯葉 ~夜の門~
Les Portes de la nuit
ジャン・ディエゴ
1950 失われた想い出
Souvenirs perdus
ラウル
1951 雪の夜の旅人
L'auberge rouge
歌う解説者 クレジットなし
1953 恐怖の報酬
Le Salaire de la peur
マリオ
1954 ナポレオン
Napoléon
Le maréchal Lefebvre
1955 悪の決算
Les héros sont fatigués
ミシェル
夜のマルグリット
Marguerite de la nuit
レオン
1956 人間と狼
Uomini e lupi
リクッチョ
1957 サレムの魔女
Les Sorcières de Salem
ジョン・プロクター
青い大きな海
La grande strada azzurra
ジョヴァンニ
1958 すずらん祭
Premier mai
ジャン
1959
La legge
マッテオ
1960 恋をしましょう
Let's Make Love
ジャン=マルク・クレマン/アレクサンドル・デュマス
1961 サンクチュアリ
Sanctuary
キャンディ・マン
さよならをもう一度
Goodbye Again
ロジェ・デマレ
1962 青い目の蝶々さん
My Geisha
ポール・ルーベ
1965 七人目に賭ける男
Compartiment tueurs
グラジアニ警部
1966 戦争は終った
La guerre est finie
ディエゴ・モラ
パリは燃えているか
Paris brûle-t-il?
マルセル
グラン・プリ
Grand Prix
ジャン=ピエール
1967 イヴ・モンタンの深夜列車
Un soir, un train
マティアス
パリのめぐり逢い
Vivre pour vivre
ロベール・コロンブ
1968 ミスター・フリーダム
Mr. Freedom
フォーミダブル クレジットなし
1969 悪党
Le diable par la queue
Le baron César Maricorne
Z
Z
Z
告白
L'Aveu
ジェラール
1970 晴れた日に永遠が見える
On a Clear Day You Can See Forever
マルク・シャボー
仁義
Le Cercle rouge
ジャンセン
1971 大乱戦
La Folie des grandeurs
ブラーズ
1972 万事快調
Tout va bien
ジャック
夕なぎ
César et Rosalie
セザール
戒厳令
État de siège
フィリップ・マイケル・サントール
1974 潮騒
Le Hasard et la violence
ローラン・ベルマン
友情
Vincent, François, Paul... et les autres
Vincent
1975 うず潮
Le Sauvage
マルタン
1976 真夜中の刑事/PYTHON357
Police Python 357
マルク・フェロー
赤ちゃんは紳士がお好き?
Le grand escogriffe
モーランド
1977 メナース
La Menace'
アンリ・サヴァン
1982 炎のごとく
Tout feu, tout flamme
Victor Valance
1983 ギャルソン!
Garçon!
アレックス
1986 愛と宿命の泉 PART1/フロレット家のジャン
Jean de Florette
セザール
愛と宿命の泉 PART2/泉のマノン
Manon des sources
セザール
1988 想い出のマルセイユ
Trois places pour le 26
イヴ・モンタン
1992 IP5/愛を探す旅人たち
IP5: L'île aux pachydermes
レオン・マルセル 遺作

日本のテレビ番組出演

[編集]

日本語文献

[編集]
  • イヴ・モンタン『頭にいっぱい太陽を』渡辺淳訳、講談社、1982年
  • リシャール・カナヴォ/アンリ・キクレ 『イヴ・モンタン ある男の歌』長塚隆二訳、早川書房、1982年
  • 鈴木明『イヴ・モンタン 20世紀の華麗な幻影』毎日新聞社、1993年
  • エルヴェ・アモン/パトリック・ロトマン『イヴ・モンタン ぼくの時代 花開くまで』各・土屋進訳、文藝春秋、1995-1996年
    • 『イヴ・モンタン ぼくの時代 パリに抱かれて』。本人への取材による伝記

外部リンク

[編集]