ウエストウイング (小説)
ウエストウイング | ||
---|---|---|
著者 | 津村記久子 | |
発行日 |
単行本:2012年11月7日 文庫版:2017年8月7日 | |
発行元 | 朝日新聞出版 | |
ジャンル | 小説 | |
国 | 日本 | |
言語 | 日本語 | |
形態 |
四六判上製本 文庫版:文庫判 | |
ページ数 |
単行本:392 文庫版:424 | |
公式サイト |
単行本:ウエストウイング 単行本 朝日新聞出版 文庫版:ウエストウイング 文庫版 朝日新聞出版 | |
コード |
単行本:ISBN 978-4-02-251021-1 文庫版:ISBN 978-4-02-264853-2 | |
ウィキポータル 文学 | ||
|
『ウエストウイング』は、日本の小説家津村記久子による小説である。
『小説トリッパー』2009年冬季号から2010年冬季号までに連載された[1]。単行本は、2012年11月7日に朝日新聞出版より刊行された[2]。単行本の装幀は、鈴木成一デザイン室による。単行本の装画は、岸野衣里子による[1]。文庫版は、2017年8月7日に朝日文庫より刊行された[3]。
本作に登場するヒロシは、『エヴリシング・フロウズ』にも登場している[4][5]。著者の津村は、「本作を執筆したときに、編集担当者が、ヒロシが今後どのようになるのか知りたい、と言ったことが、『エヴリシング・フロウズ』を書くきっかけになった」との旨を述べている[6]。
あらすじ
[編集]三十路を過ぎたネゴロは、老朽化が進み、取り壊されるとの噂がささやかれている雑居ビル「椿ビルディング」の西棟の4階に入居している設計事務所でOLとして勤務しており、日々の業務に追われていた。母子家庭で生活しており、絵を描くことを得意としている、小学5年生のヒロシは、同じビルに入っている進学塾に通っている。20代後半のフカボリは、椿ビルディングの東棟の4階に入居している土質試験の試験センターに勤務している。様々なものが雑然と放置されている西棟の物置き場で、ネゴロ、ヒロシ、フカボリの3人は、お互いのことを何も知らないまま、伝言を使った奇妙な交流を開始する。
主な登場人物
[編集]- ネゴロ
- OL。
- 柳澤
- ネゴロの同僚。
- りさ
- ネゴロの同僚。
- ヒロシ
- 小学5年生。
- フカボリ
- サラリーマン。
書評
[編集]文芸評論家の佐々木敦は、「いつもながら、この作者の筆運びは凛(りん)とした佇(たたず)まいで読んでいて気持ちが良い」「読者の肩にそっと手を差し掛けてくれる。その手はほんのり温かい。愛すべき佳品である」[7]と評価している。小説家の西加奈子は、「めっちゃ大きいポカリスエットを病人の枕元にどんと置いて、『隣の部屋におるから』って言ってくれる感じ。恩着せがましくない。品がある」「津村さんの小説には3本柱があって、おもろい、優しい、かっこいい」[8]と評価している。
脚注
[編集]- ^ a b 『ウエストウイング』 2012.
- ^ “ウエストウイング 単行本”. 朝日新聞出版. 2019年4月13日閲覧。
- ^ “ウエストウイング 文庫版”. 朝日新聞出版. 2019年4月13日閲覧。
- ^ 瀧井朝世. “注目の新鋭が描く、ユニーク音楽少年の青春”. ブックバン. 2019年4月13日閲覧。
- ^ 佐々木敦 (2018年6月8日). “勇気ある正義描いた「中三小説」”. 朝日新聞 2019年4月13日閲覧。
- ^ “作家の読書道 その7「書きたいことが書けた『エヴリシング・フロウズ』」”. 本の雑誌社 (2016年12月9日). 2019年4月13日閲覧。
- ^ 佐々木敦 (2012年12月25日). “ウエストウイング 津村記久子著 エピソードの先に見える希望”. 日本経済新聞 2019年4月13日閲覧。
- ^ “二つの道から「気づき」を求めて”. 朝日新聞 関西スクエア (2013年7月). 2019年4月13日閲覧。
参考文献
[編集]- 津村記久子『ウエストウイング』朝日新聞出版、2012年11月。ISBN 978-4-02-251021-1。