ウェンディ・カルロス
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| ウェンディ・カルロス Wendy Carlos | |
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 1958年 | |
| 基本情報 | |
| 出生名 | Walter Carlos |
| 生誕 |
1939年11月14日（85歳） アメリカ合衆国 ロードアイランド州 ポータケット |
| ジャンル | 電子音楽、クラシック音楽、環境音楽、ジャズ、シンセポップ |
| 職業 | 作曲家、キーボーディスト |
| 担当楽器 | シンセサイザー、キーボード、ヴォコーダー |
| 活動期間 | 1968年 – |
| レーベル | コロムビア・マスターワークス、CBS、Audion、テラーク、East Side Digital |
| 公式サイト |
wendycarlos |
ウェンディ・カルロス（Wendy Carlos、1939年11月14日 - ）は、アメリカ合衆国のシンセサイザー奏者、作曲家。元の名前はウォルター（Walter）で、1972年に男性から女性への性別適合手術を行った[1]。姓は「カーロス」と表記されることもある[2][3]。
経歴
ロードアイランド州ポータケットに生まれた[4]。1953年、セント・ラファエル・アカデミーに入学。1958年から1962年までブラウン大学で音楽と物理学を学んだ[5]。コロンビア大学で作曲の修士号を取得した。
1968年10月、最初のアルバムである『スウィッチト・オン・バッハ（Switched-On Bach）』を発表[6]。モーグ・シンセサイザーを駆使したバッハ作品の演奏で、レイチェル・エルカインドのプロデュースの下、ウェストサイド・マンハッタンの地下スタジオで製作を行った[7]。グレン・グールドも絶賛し、新しいバッハ演奏の規範として一世を風靡した。Billboard 200の10位、ビルボードのクラシカル・アルバム・チャートの1位を記録し、グラミー賞の3部門を受賞した。1969年、セカンド・アルバム『The Well-Tempered Synthesizer』を発表。
カルロスは、自分が性同一性障害であることに気付いたのは5歳か6歳のときだったという。1968年初めからホルモン療法を受け始め、カルロスの外見は徐々に変わっていった。『スウィッチト・オン・バッハ』が商業的成功を収めたことから、1972年5月、男性から女性への性別適合手術を行った[1]。同年、3作目の『Sonic Seasonings』を発表。
1973年、ジョアン・ジルベルトのアルバム『三月の水』のレコーディング・エンジニアを務めた[8]。
『PLAYBOY』1979年5月号におけるインタビューで性別適合手術を行ったことなど初めて私生活を明かした。「公表する媒体として『PLAYBOY』を選んだのは、常に解放運動に関わってきた雑誌だったから。私も自分自身を解放することを望んでいた」と彼女はインタビューで述べている[4]。
商業的な成功とは別に、新しい音律や微分音への興味も高く、様々な試行の末、「α・スケール」「β・スケール」「γ・スケール」と名づけられる3つの特殊な調律の音階を考案した。
また、スタンリー・キューブリック監督の『時計じかけのオレンジ』（1971年）と『シャイニング』（1980年）、そして『トロン』（1982年）の音楽を担当した。
日本への影響
シンセサイザーを用いた初期の作品が日本に及ぼした影響は大きく、冨田勲は1969年に大阪市の輸入レコード店で『スウィッチト・オン・バッハ』と出会い[9]、その2年後、モーグ・シンセサイザーを日本で初めて個人輸入した。1974年に発表した『月の光』はグラミー賞3部門にノミネートされた[10]。
また、高橋悠治によるシンセサイザー版のバッハの『フーガの技法』から、アニメ『スペースコブラ』におけるBGMのオルガン演奏にまで影響を与えたとされている。
脚注
- ^ a b “Composer Changes More Than Tune”. New York Magazine 12 (14): 65. (April 2, 1979). ISSN 0028-7369.
- ^ “国会図書館サーチ”. 2023年11月28日閲覧。
- ^ “国会図書館サーチ”. 2023年11月28日閲覧。
- ^ a b Bell, Arthur (May 1979). “Playboy Interview: Wendy/Walter Carlos”. Playboy (Playboy Enterprises) 26 (5).
- ^ Sonic Seasonings (Media notes). Columbia Records. 1972. KG 31234。
- ^ Walter Carlos - Switched-On Bach (Vinyl, LP, Album) at Discogs
- ^ 16 February 1974 edition of Billboard magazine, page 27
- ^ João Gilberto - João Gilberto (CD, Album) at Discogs
- ^ 冨田勲『音の雲―ずっと音の響きにこだわってきた』日本放送出版協会、2003年11月25日、89-90頁。
- ^ “Isao Tomita”. Grammy Awards. 2021年3月24日閲覧。
