ウジェニー・グランデ
表示
ウジェニー・グランデ Eugénie Grandet | ||
---|---|---|
ダニエル・エルナンデス・モリーリョによる挿絵(1897年版) | ||
著者 | オノレ・ド・バルザック | |
発行日 | 1833年 | |
国 | フランス | |
言語 | フランス語 | |
ウィキポータル 文学 | ||
|
『ウジェニー・グランデ』あるいは『ユジェニー・グランデ』(フランス語: Eugénie Grandet)[1]は、フランスの作家オノレ・ド・バルザックが1833年に発表した長編小説。
概要
[編集]1834年にベシェ版、1839年にはシャルパンティエ版として出版。1843年発行のフュルヌ版「人間喜劇」では「風俗研究」の「地方生活風景」に分類されている。
原稿はニューヨークのモルガン・ライブラリーに保管されている。
『純愛』という訳題を付けている版もある。
あらすじ
[編集]田舎町ソミュールを舞台に、グランデ老人の偏執的な吝嗇ぶりと、その一人娘ウージェニーの純愛とが描かれる[1]。
ウジェニーの父親フェリックスはもと桶屋で、一年内に彼の義理の母親、義理の祖父、祖母から遺産を相続して、それを投資して事業に成功している。大変な吝嗇家で、きたない家に妻、娘、手伝いと一緒に住んでいる。
彼の銀行のデ・グラサンは息子のアドルフにウジェニーが嫁いでくれることを望んでいる。ウジェニーは破産してパリから来た従弟のシャルルに愛情を覚え、一旗揚げるためにインドへ旅立つ彼にに大金を贈る。それを発見した父親フェリックスは過酷な罰を強いて、それを見た母親は心痛で病死してしまう。
ウジェニーはインドから帰ったシャルルにも裏切られて、クリュショ・デ・ボンフォン裁判長と形ばかりの結婚して、この田舎町で生活を続ける。
登場人物
[編集]- フェリックス・グランデ(fr:Félix Grandet)
- 葡萄酒醸造業者。元ソミュール町長。吝嗇家。妻はラ・ベルテリエール家の出。
- ウジェニー・グランデ(fr:Eugénie Grandet (personnage))
- フェリックスの娘。1796年生まれ。インドへ旅立つシャルルへ金貨を渡す。
- 後にシャルルの借金を全額払う。クリュショと結婚するが、33歳で未亡人となる。
- ナノン(fr:Nanon (Balzac))
- シャルル・グランデ(fr:Charles Grandet)
- パリの酒問屋ギヨーム・グランデ(フェリックスの弟)の息子で、ウジェニーの従弟にあたる。1797年生まれ。後にドーブリオン侯爵の娘と結婚する。
- クリュショ・ボンフォン(fr:Bonfons Cruchot)
- ソミュール裁判所長。ソミュールの代議士になった後に死去。
- アドルフ・デ・グラッサン
- 銀行家。
映像化作品
[編集]- 『ウジェニー・グランデ』(1910年 フランスの映画) マックス・ド・リュウ監督、ヴィクトラン・ジャッセ主演
- 『ウジェニー・グランデ』(1918年 イタリアの映画) ロベルト・ロベルティ監督、フランチェスカ・ベルティーニ主演
- 『The Conquering Power』(1921年 アメリカの映画) レックス・イングラム監督、アリス・テリー主演
- 邦題「征服の力」。
- 『ウジェニー・グランデ』(1946年 イタリアの映画) マリオ・ソルダーティ監督、アリダ・ヴァリ主演
- 『ウジェニー・グランデ』(1953年 メキシコの映画) エミリオ・ゴメス・ムリエル監督、マルガ・ロペス主演
- 『ウジェニー・グランデ』(1960年 ソ連の映画) セルゲイ・アレクセーエフ監督、アリアドナ・シェンゲラーヤ主演
- 『ウジェニー・グランデ』(1994年 フランスのテレビ映画) ジャン=ダニエル・ヴェラーゲ監督、アレクサンドラ・ロンドン主演
- 『ウジェニー・グランデ』(2020年 フランス・ベルギーの映画) マルク・デュガン監督、ジョセフィーヌ・ジャピ主演
脚注
[編集]- ^ a b ウージェニー・グランデ(読み)うーじぇにーぐらんで(英語表記)Eugénie Grandet(コトバンク)
- ^ 「ウウジェニイ・グランデエ」東京堂書店、1924年(国立国会図書館デジタルコレクション)
- ^ 「純愛」東京堂書店、1941年(国立国会図書館デジタルコレクション)
外部リンク
[編集]- ウウジェニイ・グランデエ新城和一訳(東京堂書店, 1924)