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ウスギオウレン

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ウスギオウレン
長野県八ヶ岳 2024年5月中旬
分類APG IV
: 植物界 Plantae
階級なし : 被子植物 Angiosperms
階級なし : 真正双子葉類 Eudicots
: キンポウゲ目 Ranunculales
: キンポウゲ科 Ranunculaceae
: オウレン属 Coptis
: ウスギオウレン C. lutescens
学名
Coptis lutescens Tamura (1978)[1]
和名
ウスギオウレン

ウスギオウレン(学名:Coptis lutescens)は、キンポウゲ科オウレン属の常緑の多年草。本州中部の太平洋側の針葉樹林、落葉広葉樹林の林床に生え、同属のコセリバオウレンに似るが、細長い花弁状の萼片が淡黄色になる[2][3]。1978年に新種記載された[1]

特徴

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地中に水平に伸びる根茎があり、太く長く、匐枝はない。花茎は紫褐色、ときに緑色で、高さ5-12cmになり、果実期には26cmに伸びる。根出葉は2-4回3出複葉、小葉は卵形から倒卵形で、長さ5-15mm、幅3-15mmになる。花茎に苞葉があり、長卵形で先端は尾状に伸び、先端は3裂する[2][3]

花期は3-5月。の径は約1cmになり、3-4個が総状につく。片は細長く、狭披針形から線形、長さ6-8mmになり、淡黄緑色、先端は尾状にとがる。花弁は萼片より短く、さじ形になり、長さ4mm、黄白色、白色、まれに紫色をおび、花弁舷部にある蜜腺は浅くへこむ。雄蕊は多数あり、葯は白色になる。雌蕊に柄がある。果実は長さ6-10mmの舟形の袋果になり、残存花柱は長さ1mm以下で先は曲がらない。種子は黄褐色になる[2][3]

分布と生育環境

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日本固有種[2]。本州中部の太平洋側[2]東京都神奈川県山梨県長野県静岡県)に分布し、亜寒帯から暖温帯の針葉樹林、落葉広葉樹林の林床に生育する[3]タイプ標本の採集地は雲取山の北斜面である[4][5]

名前の由来

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和名ウスギオウレンは、「黄色の花を咲かせる」オウレン属の一新種について、新種記載者の植物学者、田村道夫がつけた[4]

種小名(種形容語)lutescens は、「淡黄色の」「やや黄色い」の意味[6]

種の保全状況評価

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国(環境省)でのレッドデータブックレッドリストの選定はない。都道府県のレッドデータ、レッドリストの選定状況は、埼玉県と東京都が絶滅危惧IB類 (EN)となっている[7]

ギャラリー

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脚注

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  1. ^ a b ウスギオウレン 「BG Plants 和名−学名インデックス」(YList)
  2. ^ a b c d e 門田裕一 (2011)「キンポウゲ科」『日本の固有植物』p.51
  3. ^ a b c d 門田裕一 (2016)『改訂新版 日本の野生植物2』「キンポウゲ科オウレン属」pp.147-149
  4. ^ a b 田村道夫「日本産オウレン属の一新種」『北陸の植物 (The Journal of Geobotany)』第26巻第1号、北陸の植物の会、1978年、2-5頁。 
  5. ^ Coptis lutescens Tamura, International Plant Names Index.
  6. ^ 『新分類 牧野日本植物図鑑』p.1501
  7. ^ ウスギオウレン、日本のレッドデータ検索システム、2024年9月16日閲覧

参考文献

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