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ウルフクリーク・クレーター

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ウルフクリーク・クレーター
カンディマラル(ジャル語、英語表記:Kandimalal)
2003年に撮影されたウルフクリーク・クレーター
場所 ウルフクリーク・メテオライト国立公園、グレートサンディ砂漠
座標 南緯19度09分58秒 東経127度48分00秒 / 南緯19.166度 東経127.80度 / -19.166; 127.80座標: 南緯19度09分58秒 東経127度48分00秒 / 南緯19.166度 東経127.80度 / -19.166; 127.80
直径875m
深さ 60m
年代 更新世、〜150ka
Sentinel-2によって撮影されたウルフクリーク・クレーター。

ウルフクリーク・クレーター(英語:Wolfe Creek Crater)は、西オーストラリア州ホールズクリークから南約150kmに位置する衝突クレーターである。[1][2]

概要

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ウルフクリーク・メテオライト国立公園の中心に位置し、直径約875メートル、深さ60メートルのクレーターとなる[3]。衝突した隕石は直径約15メートル、17万トンと推定されており、今からおおよそ12万年前の更新世に衝突したとみられている[4]。クレーター周辺では少数の鉄隕石や、「シェールボール(英語:Shale Ball)」と呼ばれる主成分が酸化鉄で構成される大きな隕石の破片(大きいもので250キログラム)が発見されている[5]

1947年に周辺の航空測量を行っていた際に発見され、その2ヶ月後に地上調査が開始、1949年に初めて論文誌にて発表された[6]。クレーターの名称は、近辺に存在する湖(ウルフ・クリーク=ウルフ湖)から取られている。なお、湖の名称はゴールドラッシュ時代にストアキーパー(当時の金鉱の周辺には「Store」と呼ばれる何でも屋に近い店があり、そのオーナーの呼称のこと[7])として富をなし、ホールズクリークの街を設立したロバート・ウルフ(英語:Robert Wolfe)が元となっている[8]

先住民族にとっての重要性

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オーストラリアの先住民、アボリジニの一部族であるジャル族(英語:Djaru, Jaru)は本クレーターのことをカンディマラル(英語:Kandimalal)と呼ぶ[3]。クレーターの生成についてのジャル族の言い伝えはいくつか存在する。一つは、クレーターの丸い地形は地中から出てきた巨大な虹色の蛇が這った跡とするもの[9]。ジャル族の長老によるもう一つの言い伝えは、「ある日半月と夜の星が近づきすぎたため夜の星がとても熱くなり、地上へ落下した。ものすごい爆発と閃光とともに土煙があがったため人々は怖がり、クレーターの近くに長い年月のあいだ寄り付かなかった。人々は最終的にクレーターへ近づいたが、そのときにその場所が夜の星が落ちてきた場所だと気づいた。」[10]と、クレーターが落下した天体によって生成されたものだと認識されている。

カンディマラルはジャル族の芸術によく登場する[11][12]

メディアへの登場

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ウルフクリーク・クレーターは、2005年公開のホラー映画ウルフクリーク/猟奇殺人谷』および2013年公開の『ウルフクリーク/猟奇殺人谷2』の劇中に登場している。

参考文献

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  1. ^ McNamara, K. Wolf Creek Crater illustrations by Ben Jackson. Perth, W.A : Western Australian Museum, 1982. ISBN 0-7244-9239-9
  2. ^ "Wolfe Creek". Earth Impact Database (英語). University of New Brunswick. 2006年8月6日閲覧
  3. ^ a b Wolfe Creek Crater National Park”. NatureBase National Parks. Department of Environment and Conservation, Government of Western Australia (2007年). 2007年9月29日時点のオリジナルよりアーカイブ。2007年2月8日閲覧。
  4. ^ Wolfe Creek Crater is way younger than we thought” (英語). Australia's Science Channel (2019年11月25日). 2019年12月1日閲覧。
  5. ^ Bevan, Alex; Ken McNamara (1993). Australia's Meteorite Craters. Perth: Western Australian Museum. p. 8. ISBN 0-7309-5926-0 
  6. ^ Reeves F. & Chalmers R.O. (1949) 'The Wolf Creek crater', The Australian Journal of Science 11, 154-156.
  7. ^ Cultural Heritage Unit, Department of History. “Stores and Storekeepers - Concept - Electronic Encyclopedia of Gold in Australia” (英語). www.egold.net.au. 2022年7月16日閲覧。
  8. ^ "Wolf Creek Crater, Koongee Park - Alice Springs Rd, Halls Creek, WA (Place ID 10162)". Australian Heritage Database (英語). Department of the Environment. 2007年2月8日閲覧
  9. ^ Mountford, C.P. (1976) 'Nomads of the Australian Desert', Rigby, Ltd., Adelaide.
  10. ^ Goldsmith, J. (2000), 'Cosmic impacts in the Kimberly', Landscope Magazine, Vol. 15(3), pp. 28-34
  11. ^ Sanday, P.R. (2007) 'Aboriginal Paintings of the Wolfe Creek Crater: Track of the Rainbow Serpent', University of Pennsylvania Press.
  12. ^ Hamacher, D.W. & Norris, R.P. (2009) 'Australian Aboriginal Geomythology: Eyewitness Accounts of Cosmic Impacts?' Archaeoastronomy, Vol. 22, pp. 62-95.