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エストニア国立博物館

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
エストニア国立博物館
本館
施設情報
開館 1909年4月14日[1]
所在地  エストニアタルトゥ
外部リンク 公式ウェブサイト
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ロゴ
展示室内部
エストニアの民族服

エストニア国立博物館(エストニアこくりつはくぶつかん、エストニア語: Eesti Rahva Muuseum: Estonian National Museum)は、エストニアタルトゥにある博物館。民俗学者であるヤコプ・フルトによる、同国の民俗誌フォークアートへの遺産の展示に特化している。最古の展示物は、19世紀後半に収集された[2]

エストニア人の歴史や伝統、フィン・ウゴル系民族[3]やエストニアのマイノリティーの歴史・文化に関する物や事柄を展示している。エストニア各地からの民族衣装、手織りのカーペットやテーブルクロスなどの展示もある[4]

歴史

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1922年、ラーディ・マナー英語版(Raadi mõis, ラーディ・ムイス)に開館[5]。当時の館長は、1919年以降タルトゥ大学に勤務していたイルマリ・マンニネン英語版であった。ラーディ・マナーはかつて多数のバルト・ドイツ人の収集家が集まっていた場所であった。彼らは1860年頃に移住したが、1920年から価値のあるものが売りに出されるまではコレクションが土地に残っていた。彼らは現地のエストニア人には好感を持たれておらず、「文化的な反感」を持たせるとされていた[6]

1940年、この土地にラーディ飛行場が建設され、博物館の建物は第二次世界大戦中のタルトゥ攻勢英語版中に破壊された。飛行場は50年もの間ソビエト連邦の爆撃基地となり、その間、博物館の展示物はタルトゥ市内の教会など、様々な場所に保管されていた。飛行場は極秘のものとなり、外国人は市内へ足を踏み入れることを禁じられた。

2005年、エストニア文化省とエストニア建築家連盟は合同の声明で、博物館の新築に際し国際的な建築コンペを開くことを発表した[7]。結果、いずれもフランスパリを拠点とするイタリア人のダン・ドレル、レバノン人のリナ・ゴットメ英語版 と日本人の田根剛のグループが最優秀賞を獲得した[8][9]

2016年10月に竣工[10][11]。1階建て。旧飛行場の滑走路の傾斜を徐々に上げ、建物の屋根に繋げていくなど[10][11]、土地の歴史を混ぜ合わせたデザインとなっている。

2021年8月、館長のアラル・カリスエストニアの大統領に選出された[12]

脚注

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  1. ^ Estonian National Museum marks 110th anniversaryEesti Rahva Muuseum (in English)
  2. ^ Raun, Toivo (2001). Estonia and the Estonians. Hoover Press. pp. 92. ISBN 978-0-8179-2852-0. https://books.google.com/books?id=YQ1NRJlUrwkC&dq 
  3. ^ Echo of the Urals” (英語). www.erm.ee (2016年10月2日). 2023年12月27日閲覧。
  4. ^ Bousfield, Jonathan (2001). Baltic States. Rough Guides. pp. 385. ISBN 978-1-85828-840-6. https://books.google.com/books?id=Z5AuN15X4nQC&pg 
  5. ^ Rosenburg, Irene (1984). Museums of Tartu. p. 19. ISBN 9785797900962. https://books.google.com/books?id=A6shAQAAIAAJ 
  6. ^ New building”. Eesti Rahva Muuseum. 2016年5月6日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年4月25日閲覧。
  7. ^ “The Estonian National Museum's New building”. (2005年7月24日). オリジナルの2009年7月17日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20090717045650/http://www.archicool.com/cgi-bin/presse/pg-newspro.cgi?id_news=749 2008年9月25日閲覧。 
  8. ^ 辻 仁成 (2017年2月1日). “建築家 田根 剛「記憶をつなぐエストニア国立博物館」”. Design Stories. 2023年4月23日閲覧。
  9. ^ “Multi national collaboration provides winning formula”. (27 Jan 2006). http://www.worldarchitecturenews.com/index.php?fuseaction=wanappln.projectview&upload_id=227 2013年12月31日閲覧。 
  10. ^ a b 辻 仁成 (2017年2月1日). “建築家 田根 剛「記憶をつなぐエストニア国立博物館」”. Design Stories. 2023年4月23日閲覧。
  11. ^ a b 『エストニア国立博物館』での記憶と建築|古来と未来をつなぐデザイン”. サンゲツヴォーヌ. 2023年4月24日閲覧。
  12. ^ Westendarp, Louis (31 August 2021). “Estonia elects museum boss as new president”. Politico Europe. https://www.politico.eu/article/estonia-elects-director-of-national-museum-as-new-president/ 31 August 2021閲覧。