エッシェンモーザー・タナベ開裂
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エッシェンモーザー・タナベ開裂(エッシェンモーザー・タナベかいれつ)とは、有機反応のひとつで、下式のように α,β-エポキシケトン 1 にスルホニルヒドラジド 2 を作用させ、アルキン 3 とアルデヒドまたはケトン 4 とに分解させる手法である。エッシェンモーザー開裂とも呼ばれる[1]。
この反応は1967年、チューリッヒ工科大学のアルバート・エッシェンモーザーら、スタンフォード研究所のマサト・タナベ(en)らの研究グループから、それぞれ独立して報告が行われた[2][3][4]。
反応機構
[編集]エッシェンモーザー・タナベ開裂の反応機構を示す。
エッシェンモーザー・タナベ開裂ではまず、α,β-エポキシケトン 1 とスルホニルヒドラジド 2 とが縮合してヒドラゾン 3 となる。プロトンが転位して中間体 4 となった後、スルフィン酸 5 と窒素分子の脱離とともに、生成物のアルキン 6 とカルボニル化合物 7 が生成する。
ヒドラゾン 3 から 4 へのプロトンの転位は、ピリジン、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、シリカゲルなどで促進される。
参考文献
[編集]- ^ 総説: Felix, D.; Schreiber, J.; Ohloff, G.; Eschenmoser, A. Helv. Chim. Acta 1971, 54, 2896-2912. DOI: 10.1002/hlca.19710540855
- ^ Eschenmoser, A.; Felix, D.; Ohloff, G. Helv. Chim. Acta 1967, 50, 708. DOI: 10.1002/hlca.19670500232
- ^ Schreiber, J., Felix, D.; Eschenmoser, A.; Winter, M.; Gautschi, F.; Schulte-Elte, K. H.; Sundt, E.; Ohloff, G.; Kalovoda, J.; Kaufmann, H.; Wieland, P.; Anner, G. Helv. Chim. Acta 1967, 50, 2101. DOI: 10.1002/hlca.19670500747
- ^ Tanabe, M., Crowe, D. F.; Dehn, R. L. Tetrahedron Lett. 1967, 8, 3943. DOI: 10.1016/S0040-4039(01)89757-4
- ^ Felix, D.; Wintner, C.; Eschenmoser, A. Org. Syn., Coll. Vol. 6, p.679 (1988); Vol. 55, p.52 (1976). [1]
- ^ Dai, W.; Katzenellenbogen, J. A. J. Org. Chem. 1993, 58, 1900. DOI: 10.1021/jo00059a049