エンジェル ウォーズ
エンジェル ウォーズ | |
---|---|
Sucker Punch | |
監督 | ザック・スナイダー |
脚本 |
ザック・スナイダー スティーヴ・シブヤ |
原案 | ザック・スナイダー |
製作 |
ザック・スナイダー デボラ・スナイダー |
製作総指揮 |
ウェスリー・カラー クリストファー・デファリア ジョン・ジャシュニ トーマス・タル |
出演者 |
エミリー・ブラウニング アビー・コーニッシュ ジェナ・マローン ヴァネッサ・ハジェンズ ジェイミー・チャン カーラ・グギノ |
音楽 |
タイラー・ベイツ マリウス・デ・ヴリース |
撮影 | ラリー・フォン |
編集 | ウィリアム・ホイ |
製作会社 |
ワーナー・ブラザース レジェンダリー・ピクチャーズ クルエル・アンド・アンユージュアル・フィルムズ |
配給 | ワーナー・ブラザース |
公開 |
2011年3月25日 2011年4月15日 |
上映時間 |
110分(劇場公開版) 128分(エクステンデッド版) |
製作国 | アメリカ合衆国 |
言語 | 英語 |
製作費 | $82,000,000[1] |
興行収入 |
$89,792,502[1] 2億9400万円[2] |
『エンジェル ウォーズ』(原題: Sucker Punch, 「不意打ち」の意)は、2011年のアメリカのアクション・ファンタジー映画。監督・製作・脚本はザック・スナイダーであり、エミリー・ブラウニング、アビー・コーニッシュ、ジェナ・マローン、ヴァネッサ・ハジェンズ、ジェイミー・チャン、カーラ・グギノら女性キャストによるアンサンブル映画である[3]。
内容
[編集]この節にあるあらすじは作品内容に比して不十分です。 |
1950年代。主人公の少女・ベイビードールは、継父の計略でレノックス精神病院に閉じ込められ、5日後にロボトミーを受けることになってしまう。同じ精神病患者の仲間とともにファンタジーの世界へと飛び込み、人格破壊の危機を回避するための5つのアイテムを集める。
キャスト
[編集]役名 | 俳優 | 日本語吹替 |
---|---|---|
ベイビードール | エミリー・ブラウニング[6] | 寿美菜子 |
スイートピー | アビー・コーニッシュ[7] | 甲斐田裕子 |
ロケット | ジェナ・マローン[8] | 戸松遥 |
ブロンディ | ヴァネッサ・ハジェンズ[9][10][11][12] | 豊崎愛生 |
アンバー | ジェイミー・チャン[13] | 高垣彩陽 |
ヴェラ・ゴルスキー博士 | カーラ・グギノ[14] | 深見梨加 |
ブルー・ジョーンズ | オスカー・アイザック[15] | 志村知幸 |
賢者/バスの運転手 | スコット・グレン[16][17] | 山路和弘 |
医師 | ジョン・ハム[18][19] | 吉開清人 |
コック | マルコム・スコット | 間宮康弘 |
継父 | ジェラルド・プランケット | 後藤哲夫 |
製作
[編集]企画
[編集]スナイダーによると本作は「マシンガンを持った『不思議の国のアリス』」であり、ドラゴン、B-52爆撃機、売春宿も登場するという[20]。
まず、2007年3月に本作の話が出たが、スナイダーが『ウォッチメン』を優先したために後回しになった[21][22]。これまでは原作のある映画のみを監督してきたスナイダーにとっては初めてとなるオリジナル作品であり、スティーヴ・シブヤと共に脚本を書いた[23][24]。スナイダーは他にプロデューサーも務め、また、自身が所有する製作会社であるクルエル・アンド・アンユージュアル・フィルムズを通して妻のデボラ・スナイダーも参加する[25]。
2009年前半、ワーナー・ブラザースはスナイダー監督の『ウォッチメン』の成功により、引き続いて本作を配給することを発表する[23][26][27]。当初、スナイダーはインタビューで本作をR指定として製作すると述べたが、後にPG-13を目指していると語った[28]。
2009年のコミコンで、アレックス・パーディがデザインする本作のイラストが公開された[29]。プリプロダクションは2009年6月にカナダで始まった[30]。写真家のクレイ・イーノスがスチール写真を撮るために雇われた[31]。
キャスティング
[編集]本格的なキャスティングが2009年3月に始まる[32]前に、スナイダーは自身が考える本作の理想的なキャスト陣を明らかにした[33]。スナイダーは「『300 〈スリーハンドレッド〉』で既にオール男性キャストをやったので逆をやる」と語った[34][35][36]。
スナイダーはまず、主人公のベイビードール役にアマンダ・サイフリッドを希望し[32]、また、アビー・コーニッシュ、エヴァン・レイチェル・ウッド、エマ・ストーン、ヴァネッサ・ハジェンズにオファーをした[37]。しかしながら、アマンダ・サイフリッドの出演はテレビシリーズのBig Loveのスケジュールが多忙な為に実現せず[38]、エミリー・ブラウニングがベイビードールを演じることになった[6]。また、エヴァン・レイチェル・ウッドとエマ・ストーンもスケジュールの都合の為に降板した[39][40]。
トレーニング
[編集]2009年6月から12週間にわたるキャスト陣のトレーニングがロサンゼルスで始まった。主要な女性キャストたちはデッドリフトで210ポンド(95kg)を要求された。指導者には『300』、『ウォッチメン』のスタントコーディネーターを務めたダモン・ケアロが雇われた[41][42]。ヴァネッサ・ハジェンズが『ビーストリー』の撮影をしている間も他のキャストのトレーニングは続行された[43]。
エミリー・ブラウニングによると、色んな格闘技を練習してパンチ、キック、剣さばき、身体の動きの型を覚え、休憩時にはプロテイン・シェイクを飲み、更に筋トレに加え、ワイヤーワークの訓練もし、銃の使い方も学んだという[44]。
撮影とデザイン
[編集]元々、2009年6月にプロダクション開始を予定していたが延期された[45]。8200万ドルの製作費をかけ[1]、2009年9月からバンクーバーとトロントでプロダクションが開始され[3][46]、2010年1月22日に完了した[47]。
プロダクションデザイナーはリック・カーターが担当し[48]、アニマル・ロジックの75名の特殊効果スタッフと行った。[49] なお、日本のデザイナー寺田克也は監督に直々に依頼されて、コンセプトデザインを数点提供している。[50]
ワーナー・ブラザースは当初、本作を3Dで公開すると発表していた[51]が、ザック・スナイダー及びデボラ・スナイダーの判断もあって2Dで公開されることとなった[52]。
なお、本作の舞台は1950年代ながら、ファンタジー世界が劇中における戦闘の主要舞台ということもあって、ガンアクションシーンの撮影にはH&K MP7やM4A1といった、現実の1950年代には存在しない銃器が、M1911A1のような当時存在した銃器と共に使用されている。
音楽
[編集]『Sucker Punch (Original Motion Picture Soundtrack)』 | |
---|---|
複数の歌手 の サウンドトラック | |
リリース | |
ジャンル | 映画サウンドトラック |
時間 | |
レーベル | WaterTower Music |
本作において音楽は重要な役割を果たし、スナイダーは「ストーリー上、音楽によってファンジー世界が始まる」と説明する[34]。映画の重要な部分を音楽が占めるのは『ムーラン・ルージュ』的であるとスナイダーは語っている[23]。時間的制約のため、スナイダーは劇場公開時にダンス・シーンの大部分をやむを得ずカットしたが、そのうち1つだけがエンド・クレジットで使われた。スナイダーはホームメディアでの「ディレクターズ・カット版」にて、ダンス場面を追加すると言及した[53]。
2009年9月、映画のためのレコーディングを始まったと報じられた[54]。また2010年5月、オスカー・アイザックは、映画で使用される歌はオリジナルではなく、既存のものの新アレンジであることを明らかにした[55]。
スコアは、スナイダーの全作品を手掛けているタイラー・ベイツと『ムーラン・ルージュ』のマリウス・デ・ヴリースが書いている。公式予告編では、Immediate Musicの「Prologue」、Lords of Acidの「Crablouse」、レッド・ツェッペリンの「レヴィー・ブレイク」、ビートルズの「トゥモロー・ネバー・ノウズ」、クリフ・リンの「And Your World Will Burn」、シルバーサン・ピックアップスの「Panic Switch」が使われた。
サウンドトラック盤は2011年3月22日に北米で発売された[56]。
トラックリスト
[編集]# | タイトル | アーティスト | 時間 |
---|---|---|---|
1. | 「Sweet Dreams (Are Made of This)」 | エミリー・ブラウニング | |
2. | 「Army of Me (Sucker Punch Remix)」 | ビョーク featuring スカンク・アナンシー | |
3. | 「White Rabbit」 | エミリアナ・トリーニ | |
4. | 「I Want It All / We Will Rock You Mash-Up」 | クイーン featuring Armageddon aka Geddy | |
5. | 「Search and Destroy」 | スカンク・アナンシー | |
6. | 「Tomorrow Never Knows」 | カーラ・アザール and アリソン・モスハート | |
7. | 「Where Is My Mind?」 | ヨアブ and エミリー・ブラウニング | |
8. | 「Asleep」 | エミリー・ブラウニング | |
9. | 「Love Is the Drug」 | カーラ・グギノ & オスカー・アイザック |
チャート入り
[編集]チャート(2010-2011年) | 最高 順位 |
---|---|
Australian Albums Chart[57] | 18 |
German Albums Chart[58] | 42 |
New Zealand Album Charts[59] | 36 |
US Billboard 200[60] | 22 |
US Top Soundtrack Albums | 1 |
US Digital Albums | 8 |
マーケティング
[編集]2010年のコミコンでLords of Acidの歌「Crablouse」を使った予告編が初公開された。7月27日にはインターネット上でも公開された[61]。
日本での展開
[編集]邦題は配給のワーナー・ブラザースにより『エンジェル・ウォーズ』へと変更された。
日本語吹替では声優ユニットの「スフィア」のメンバーが起用された。メンバー全員でハリウッド映画の吹き替えで共演するのは初めてである[62]。
日本におけるソフト化
[編集]ワーナー・ブラザース・ホームエンターテイメントよりブルーレイ、DVDが2011年8月12日に発売。
- エンジェル ウォーズ ブルーレイ&DVDセット(2枚組)
- ディスク1:本編Blu-ray
- ディスク2:本編DVD
- 本編(本編Blu-ray / 本編DVD共通):劇場公開版本編を収録
- 映像特典(本編Blu-ray / 本編DVD共通)
- 『エンジェル ウォーズ』短編アニメ集
- 修羅に堕ちた侍
- 塹壕にて
- ドラゴンの城
- 遥かな惑星
- 空想世界を彩る音楽
- ワーナー・ブラザースBD-LIVE(Blu-rayのみ)
- 『エンジェル ウォーズ』短編アニメ集
- 【初回限定生産】エンジェル ウォーズ ブルーレイ&DVDセット コレクターズBOX(3枚組)
- ディスク1:本編Blu-ray1(ブルーレイ&DVDセットと同内容)
- ディスク2:本編DVD(ブルーレイ&DVDセットと同内容)
- ディスク3:本編Blu-ray2
- 本編:未公開シーンを追加した「本編エクステンデッド・バージョン」を収録
- 映像特典
- WBムービーツアー
- 封入特典
- ブックレット
- トレーディングカード1枚(全5種類のうち1枚をランダムに封入)
- 特製アウターケース付き
評価
[編集]レビュー
[編集]本作は評論家からは概ね否定的なレビューを受けた。Rotten Tomatoesでは202件のレビューがあり23%となった。[63]。またMetacriticでは肯定的なレビューが4件、中間が10件、否定的なものが15件で、平均点は100点満点で29点となった[64]。スナイダー自身は「クールなストーリーで、テレビゲームのようではない」と主張した[65]が、一部の批評家は本作をテレビゲームと比較した。リチャード・ローパーは本作を"D"評定とし、「派手で、アクションが多く、若い美女たちで溢れているが、それでもまだ退屈である」と評した[66]。『オーランド・センチネル』誌は、4つ星満点で1つ星とし、「テレビゲーム型のアンエロティックでアンスリリングなエロティック・スリラーである『エンジェル ウォーズ』は、ビスチェ付きの『エアベンダー』だった」と評した[67]。『A.V.クラブ』のネイサン・ラビンは、「不思議なトーテムを探すクエスト、明確に画定されたレベル、ノンストップのアクションの数々は、冗長なテレビゲームや精巧なトレーラーよりも非映画的である」と述べた[68]。
興行収入
[編集]公開初週末3日間の北米興行収入は1905万8199ドルで、『グレッグのおきて』に次いで第2位であった[69]。
出典
[編集]- ^ a b c “Sucker Punch (2011)” (英語). Box Office Mojo. 2011年4月23日閲覧。
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