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アニマル・ロジック

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
アニマル・ロジック
Animal Logic
本社所在地 オーストラリアの旗 オーストラリア
ニューサウスウェールズ州シドニー
設立 1991年
業種 視覚効果
CGIアニメーション
映画製作
代表者 ザレー・ナルバンディアン
(CEO、設立者)[1]
外部リンク http://www.animallogic.com/
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アニマル・ロジックAnimal Logic)は、オーストラリアVFX制作会社。シドニーに本社を構えており、アメリカロサンゼルスカナダバンクーバーに支社を設立している。創業以来、映画のVFX制作に従事している他、CGを用いたアニメーション制作や、近年では自社部門による映画製作を行っている。

また、オーストラリアの映画製作支援団体Ausfilm英語版の一員でもある[2]

概要

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アニマル・ロジックは1991年にザレー・ナルバンディアン(Zareh Nalbandian)とクリス・ゴドフリー(Chris Godfrey)の2人によって設立され[3][4][5]、従業員数わずか10名という小さな規模で事業を始めた[6]。当初はテレビ番組やCMにVFXを提供していたが[6]1995年に公開された『ベイブ』より映画のVFX制作に参入し、以降数々のハリウッド映画のVFXにかかわるようになる。2006年には同社初のフルCGによるアニメーション作品『ハッピー フィート』がアメリカで公開され、アカデミー長編アニメ映画賞を受賞した。この作品は会社を大きく成長させたと見られ、300人を超すアーティストと技術者をオーストラリアと世界中から雇用している。同映画の成功を受け、2007年に配給元であるワーナー・ブラザース映画と長編アニメ映画の製作に関する業務提携を結んでいる[7][8][9][10]

2008年にはアメリカロサンゼルスにゲーム開発スタジオ、アニマル・ロジック・インタラクティヴ(Animal Logic Interactive)を設立[11][12][13][14]。同スタジオは後にロサンゼルス支社となる。2012年には、自社と同じくシドニーに本社を置いていたVFX制作会社フューエルVFX(Fuel VFX、以下フューエル社)を買収し、子会社化[15]2014年には自社をVFX部門(アニマル・ロジックVFX)とアニメーション部門(アニマル・ロジック・アニメーション)の2つに分け、フューエル社はVFX部門に吸収される形で統合された。そのうえで新たに映画製作部門アニマル・ロジック・エンターテインメント(Animal Logic Entertainment、以下ALE)が設立され、計3部門での経営体制が確立された[16][17][18][19]2015年にはカナダバンクーバーに支社を設立したことにより[20][21]、アニマル・ロジックはシドニー本社で500名、バンクーバー支社で100名、ロサンゼルス支社で70名、合わせて600名以上の従業員を雇用する大手企業へと成長を遂げた[22][23]2017年にはワーナー・ブラザースに続き、映画製作会社イマジン・エンターテインメントと5年間における長編アニメ映画の製作に関する業務提携を結んでいる[24][25][26][27][28][29]。2018年には新たに映画製作会社トルーアント・ピクチャーズ(Truant Pictures)を設立した[30]。また、同年に公開された『ピーターラビット』は、同社がALE名義で製作に携わった初の映画作品である。

2022年7月、大手定額制動画配信会社であるNetflixは同社のホームページ上において、アニマル・ロジックを買収する方針で検討していることを明らかにした[31][32]

参加作品

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1995年~1999年

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公開年 日本語題/原題 備考
1994年 若草物語
Little Women
タイトルデザイン[33]
1995年 ベイブ
Babe
1997年 ブラックロック
Blackrock
VFXおよびタイトルデザイン[33]
フェイス/オフ
Face/Off
マウス・ハント
Mousehunt
ヘヴンズ・バーニング
Heaven's Burning
デジタルオプティカル[33]
1998年 ベイブ/都会へ行く
Babe: Pig in the City
VFXおよびタイトルデザイン[33]
シン・レッド・ライン
The Thin Red Line
1999年 マトリックス
The Matrix
ホーリー・スモーク
Holy Smoke

2000年代

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公開年 日本語題/原題 備考
2000年 チョッパー・リード 史上最凶の殺人鬼
Chopper
2001年 ムーラン・ルージュ
Moulin Rouge!
PLANET OF THE APES/猿の惑星
Planet of the Apes
ロード・オブ・ザ・リング
The Lord of the Rings: The Fellowship of the Ring
シャーロット・グレイ
Charlotte Gray
2002年 裸足の1500マイル
Rabbit-Proof Fence
愛の落日
The Quiet American
ガレージ・デイズ
Garage Days
HERO
英雄
2003年 黒の怨
Darkness Falls
マトリックス リローデッド
The Matrix Reloaded
イン・ザ・カット
In the Cut
2004年 LOVERS
十面埋伏
アナコンダ2
Anacondas: The Hunt for the Blood Orchid
タイトルデザイン[33]
2005年 リトル・フィッシュ
Little Fish
ステルス
Stealth
グレート・レイド 史上最大の作戦
The Great Raid
地獄の変異
The Cave
アニマティック制作[33]
ハリー・ポッターと炎のゴブレット
Harry Potter and the Goblet of Fire
2006年 ワールド・トレード・センター
World Trade Center
愛しのアクアマリン
Aquamarine
VFXおよびタイトルデザイン[33]
300 〈スリーハンドレッド〉
300
シャーロットのおくりもの
Charlotte's Web
フィルムスキャン[33]
2007年 28週後...
28 Weeks Later
2008年 フールズ・ゴールド/カリブ海に沈んだ恋の宝石
Fool's Gold
オーストラリア
Australia
2009年 ノウイング
Knowing

2011年~現在

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公開年 日本語題/原題 備考
2011年 エンジェル ウォーズ
Sucker Punch
2013年 華麗なるギャツビー
The Great Gatsby
ウォーキングwithダイナソー
Walking with Dinosaurs
2014年 X-MEN:フューチャー&パスト
X-Men: Days of Future Past
アレクサンダーの、ヒドクて、ヒサンで、サイテー、サイアクな日
Alexander and the Terrible, Horrible, No Good, Very Bad Day
不屈の男 アンブロークン
Unbroken
2015年 ダイバージェントNEO
The Divergent Series: Insurgent
アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン
Avengers: Age of Ultron
2016年 ダイバージェントFINAL
The Divergent Series: Allegiant
シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ
Captain America: Civil War
グレートウォール
The Great Wall
2017年 ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー: リミックス
Guardians of the Galaxy Vol. 2
エイリアン: コヴェナント
Alien: Covenant
2018年 ピーターラビット
Peter Rabbit
VFXおよび製作(ALE名義)
2019年 キャプテン・マーベル
Captain Marvel
2021年 ピーターラビット2/バーナバスの誘惑
Peter Rabbit 2: The Runaway
VFXおよび製作(ALE名義)

アニメーション制作担当作品

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以下の作品はすべて、ワーナー・ブラザース映画およびワーナー・アニメーション・グループとの作品。

長編

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短編

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受賞歴

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※主要な賞のみを記述。

作品 結果 参照
2003年 ムーラン・ルージュ サテライト賞 視覚効果賞 受賞 [35]
2005年 LOVERS [36]
2007年 ハッピー フィート アカデミー長編アニメ映画賞 [37]
ニューヨーク映画批評家協会賞 アニメ映画賞 [37]
ロサンゼルス映画批評家協会賞 アニメ映画賞 [37]
2008年 オーストラリア サテライト賞 視覚効果賞 [38]
2014年 LEGO® ムービー 英国アカデミー賞 アニメ映画賞 [39]
ニューヨーク映画批評家協会賞 アニメ映画賞 [40]
クリティクス・チョイス・ムービー・アワード アニメ映画賞 [41]

脚注

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  1. ^ Our PeopleAnimal Logic、2018年4月21日閲覧。
  2. ^ Animal LogicAusfilm、2018年4月21日閲覧。
  3. ^ Zareh Nalbandian|Australian Cinema Pioneers、2018年4月21日閲覧。
  4. ^ Computers used to produce high end video effects and new compositing software for televisionMuseum of Applied Arts & Sciences、2018年4月21日閲覧。
  5. ^ Animal Logic co-founder talks LEGO Movie”. SBS (2014年3月25日). 2018年4月21日閲覧。
  6. ^ a b Animal Logic: How great financial management helped create Happy Feet”. InTheBlack (2016年9月1日). 2018年4月21日閲覧。
  7. ^ Warner Bros. Pictures And Animal Logic Sign Development And Production Deal To Produce Animated Feature Films”. Warner Bros. Pictures (2007年5月15日). 2018年4月21日閲覧。
  8. ^ WB, Animal in logical deal”. Variety (2007年5月15日). 2018年4月21日閲覧。
  9. ^ Animal Logic's Hollywood break”. Herald Sun (2007年5月15日). 2018年4月21日閲覧。
  10. ^ Animal Logic works for WB”. The Hollywood Reporter (2007年5月16日). 2018年4月21日閲覧。
  11. ^ Animal Logic launching interactive unit”. The Hollywood Reporter (2008年6月11日). 2018年4月21日閲覧。
  12. ^ Animal Logic to tame L.A.”. Variety (2008年6月11日). 2018年4月21日閲覧。
  13. ^ Animal Logic opens LA division”. GameIndustry.biz (2008年6月11日). 2018年4月21日閲覧。
  14. ^ Animal Logic Interactive Launches In Los Angeles”. Animation World Network (2008年6月11日). 2018年4月21日閲覧。
  15. ^ Animal Logic acquires assets of Fuel VFX”. Campaign Brief (2 October 2012). 4 October 2015閲覧。
  16. ^ Australian VFX House Animal Logic Splits Into Three Divisions”. The Hollywood Reporter (2014年3月4日). 2018年4月21日閲覧。
  17. ^ VFX Group Animal Logic Restructures”. Variety (2014年3月5日). 2018年4月21日閲覧。
  18. ^ Animal Logic Reorganizes into Three Divisions”. Studio Daily (2014年3月5日). 2018年4月21日閲覧。
  19. ^ Animal Logic to launch three divisions”. Screen Daily (2014年3月5日). 2018年4月21日閲覧。
  20. ^ Animal Logic, 'LEGO Movie' animation studio, opening Vancouver office”. Canadian Broadcasting Corporation (2015年5月21日). 2018年4月21日閲覧。
  21. ^ ‘Lego’ Producer Animal Logic to Open Vancouver Studio”. Variety (2015年5月20日). 2018年4月21日閲覧。
  22. ^ The ‘logic’ and IT magic behind animated movie making”. CIO (2017年1月27日). 2018年4月21日閲覧。
  23. ^ Zareh Nalbandian, co-founder of Animal Logic”. Beer with an Entrepreneur (2018年3月7日). 2018年4月21日閲覧。
  24. ^ Imagine Entertainment, Animal Logic Form Animation Joint Venture”. The Wrap (2017年4月3日). 2018年4月21日閲覧。
  25. ^ Imagine Entertainment & ‘Lego Movie’s Animal Logic Form Family Film Joint Venture”. Deadline.com (2017年4月3日). 2018年4月21日閲覧。
  26. ^ Animal Logic teams with Ron Howard's Imagine Entertainment for six big movies”. The Sydney Morning Herald (2017年4月4日). 2018年4月21日閲覧。
  27. ^ Imagine Ent. & Animal Logic Plan Six Flicks in Joint Venture”. Animation Magazine (2017年4月4日). 2018年4月21日閲覧。
  28. ^ Ron Howard’s Imagine Entertainment Teams Up With Animal Logic for 6 Animated Features”. Cartoon Brew (2017年4月5日). 2018年4月21日閲覧。
  29. ^ イマジン・エンタテインメント、長編アニメ製作に進出”. 映画.com (2017年4月23日). 2018年4月21日閲覧。
  30. ^ Animal Logic Eyes Live-Action Films With New Company”. Deadline.com (2018年8月13日). 2020年3月13日閲覧。
  31. ^ Netflix、オーストラリアの一流アニメーションスタジオ「アニマル・ロジック」を買収へ”. cinemacafe.net (2022年7月21日). 2022年7月26日閲覧。
  32. ^ Netflix、アニメ工房アニマル・ロジックを買収”. 映画.com (2022年7月25日). 2022年7月26日閲覧。
  33. ^ a b c d e f g h Animal Logic”. Internet Movie Database. 2017年2月22日時点のオリジナルよりアーカイブ。2018年5月3日閲覧。
  34. ^ コカ・コーラ社がホッキョクグマのショートフィルムを公開!プロデューサーはリドリー・スコット!”. AOI Pro. GLOBAL (2013年1月17日). 2020年3月14日閲覧。
  35. ^ Moulin Rouge! - AwardsInternet Movie Database、2020年3月14日閲覧。
  36. ^ Shi mian mai fu -AwardsInternet Movie Database、2020年3月14日閲覧。
  37. ^ a b c Happy Feet - AwardsInternet Movie Database、2020年3月14日閲覧。
  38. ^ Australia - AwardsInternet Movie Database、2020年3月14日閲覧。
  39. ^ Film in 2015BAFTA Awards、2020年3月14日閲覧。
  40. ^ AwardsNew York Film Critics Circle、2020年3月14日閲覧。
  41. ^ 20th Annual Critics' Choice Awards - WinnersCritics' Choice Awards、2020年3月14日閲覧。

外部リンク

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