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エヴゲーニイ・グリシコヴェツ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
エヴゲーニイ・ヴァレリエヴィッチ・グリシコヴェツ
Евгений Валерьевич Гришковец
Yevgeni Valeryevich Grishkovetz
エヴゲーニイ・グリシコヴェツ、2008年
誕生 (1967-02-17) 1967年2月17日(57歳)
ソビエト連邦の旗 ソビエト連邦, ケメロヴォ
国籍 ロシアの旗 ロシア
ウィキポータル 文学
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エヴゲーニイ・ヴァレリエヴィッチ・グリシコヴェツ (ロシア語: Евгений Валерьевич Гришковец英語: Yevgeni Valeryevich Grishkovetzドイツ語: Jewgeni Walerjewitsch Grischkowez1967年2月17日 - ) は、シベリアケメロヴォ生まれ[1]ロシア作家劇作家舞台演出家俳優であり、イタリアの劇作家ダリオ・フォに匹敵するほど、母国だけでなくエディンバラ、アヴィニョン、ウィーンなどの国際演劇祭で大きな成功を収めている。グリシコヴェツの「ロシアのパフォーマンスアートの創始者」としての第二の故郷は、カリーニングラードである。

経歴

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海軍での兵役を終えた後、グリシコヴェツはケメロヴォのクズバス工科大学でロシア言語学を学んだ。そこで彼は1990年に演劇集団ローゲを立ち上げ、翌年には20以上の戯曲を作り、演劇集団はそれを会話や即興で演じた。1998年には一人芝居『どうやって犬を食べたか』[2][注釈 1]を作り、モスクワの国際演劇祭NET(新欧州劇場)で大評判となった。翌年にも彼の新しい劇『同時に』[2]もNET演劇祭で同様の成功を収めた。

2000年/2001年の演劇シーズンから、彼はモスクワの現代演劇学校で常任客演演出家となり、彼の作品が演じられている。そこで彼の作品『ロシア人旅行者の記録』は、ヨシフ・ライヒェルハウスが演出した。同じ年に彼はロシアのアンチ・ブッカー文学賞演劇部門賞を受賞した。ロシアの演劇賞ゴールデン・マスク賞英語版の審査委員会から、2000年に彼はイノヴェーション賞を、さらに批評家賞を受賞した[3]

2001年9月、彼は新作『都市』[注釈 2]を書き上げた。初演は、演出家オレグ・タバコフ英語版がモスクワに創設した有名なタバケルカで行われた。翌2002年には『戦艦ドレッドノート』がモスクワのクラブ、オゴロードで上演され、これもまたロシアの通常の演劇概念を超えるプロジェクトであった。

2003年から、「ビグジ」というグループと音楽アルバムを出し始める[1]

グリシコヴェツは1998年からカリーニングラード(かつてのケーニヒスベルク)に住んでいる。「私はこの都市に住むことを単に気に入っているだけでなく、モスクワから没落したわけでもない。私は田舎者でモスクワのリズムは合わなかった。私の全ての仕事がモスクワと繋がっているにもかかわらず。作品『都市』と『惑星』では大都会での生活を語っている。カリーニングラードは100%ロシアの都市ではないが、住むには心地よく、ロシアの小さな都市の中では理想的な都市である。そして海に面している。ここから私は、亡命することなしに、モスクワの生活と仕事を距離をもって眺められる」[4]

2018年5月、彼の小説『絶望の劇場。絶望した劇場』はロシアの文学賞ボリシャーヤ・クニーガ賞ドイツ語版の最終選考リストに載った[5]

グリシコヴェツは2018年に始まったロシアのテレビドラマシリーズ『普通の女性ドイツ語版』で、重要な脇役を演じた。

2023年6月下旬、彼はイスラエル国籍を取得した[6]

戯曲 (抜粋) とその初演

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Dreadnoughts by Eugeny Grishkovets
エヴゲーニイ・グリシコヴェツの劇『戦艦ドレッドノート』、イスラエル、エルサレム

散文

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  • 『ワイシャツ』 長編小説, 2004年
  • 『川』 短編小説, 2005年
  • 『板』 物語, 2006年
  • 『刺青』 短編, 2007年 (沼野恭子による日本語訳: 『ヌマヌマ : はまったら抜けだせない現代ロシア小説傑作選』河出書房新社 2021年 所収)[1]
  • 『私に残った痕跡』 短編集, 2007年[1]

脚注

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注釈

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  1. ^ 沼野充義は『犬を喰った話』と訳している。
  2. ^ 沼野充義訳では『町』 

脚注

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  1. ^ a b c d 『ヌマヌマ : はまったら抜けだせない現代ロシア小説傑作選』河出書房新社、2021年10月、246頁。ISBN 978-4-309-20840-4 
  2. ^ a b 沼野充義 (2003-07). “疾走するタトゥ、犬を喰うグリシコヴェツ (2003年文学の旅)”. 新潮 100 (7): 314-315. https://id.ndl.go.jp/bib/6552174. 
  3. ^ Goldene Maske 2000 – Preise (russisch)
  4. ^ Jewgenij Grischkowez. (Memento vom 15. 7月 2004 im Internet Archive) In: Russische Kulturtage, 2003
  5. ^ Soja Igumnowa (15 November 2018). "Jewgeni Grischkowez: „Ich trete nicht mit Texten auf, ich spiele Theaterstücke"". Iswestija (ロシア語). 2021年2月16日閲覧
  6. ^ Евгений Гришковец сейчас в Израиле получает гражданство, RusNews, July 1, 2023

外部リンク

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