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オイラーのコマ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

力学において、オイラーのコマ(オイラーのこま、: Euler Top)とは、剛体の回転運動(コマの運動)の一種。重力などの外力が全く作用しない自由な運動に相当する。オイラー方程式可積分となる例の一つとして、知られる。


概要

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無重力状態で放られた剛体の回転運動や、重心で支えられた剛体の自由回転運動 など、外力が働かない剛体の運動をオイラーのコマと呼ぶ。 外力が作用しない場合、剛体の運動を記述するオイラー方程式は、

で与えられる。 但し、座標原点は剛体の固定点もしくは、剛体の重心位置とし、各座標は慣性主軸方向に一致させるものとする。 ここで、定数I1I2I3主慣性モーメントである。

オイラーのコマでは、運動エネルギーE と全角運動量の大きさL2が系の保存量となる。

運動エネルギーE と全角運動量の大きさL2を指定することで定まる等エネルギー面と等角運動量面は、(ω1, ω2, ω3)空間における2つの楕円面を成しており、運動の軌道はそれらの交わりによって定められる曲線となる。

一般解

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オイラーのコマは可積分な系の一つであり、その解は楕円関数で記述できる[1]

I1<I2<I3の場合

慣性モーメントにI1<I2<I3 の関係が成り立つとき、運動の解はヤコビの楕円関数を用いて、

と表される。ここで、λは

で与えられる定数であり、時間tt=0でω2=0となるように取り直している。

これらは次の周期T を持つ周期運動である。

但し、K=K(k)は第一種完全楕円積分である。

I1=I2<I3の場合

慣性モーメントにI1=I2<I3 の関係が成り立つとき、運動の解は

となる。

脚注

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  1. ^ L.D. Landau and E.M. Lifshitz (1969), chapter.VI

参考文献

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関連項目

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