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オオシロカラカサタケ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
オオシロカラカサタケ
分類
: 菌界 Fungi
: 担子菌門 Basidiomycota
亜門 : 菌蕈亜門 Hymenomycotina
: 真正担子菌綱 Agaricomycetes
: ハラタケ目 Agaricales
: ハラタケ科 Agaricaceae
: カラカサタケ属 Macrolepiota
: オオシロカラカサタケ
学名
Macrolepiota molybdites
(G. Mey.) Massee (1898)
英名
false parasol
オオシロカラカサタケ
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菌類学的特性
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オオシロカラカサタケ(大白唐傘茸[1]学名: Chlorophyllum molybdites)は、ハラタケ科カラカサタケ属菌類である。子実体は強毒で、摂取すると嘔吐や下痢の激しい胃腸症状を引き起こす。食用きのこのカラカサタケに類似しており、北米では最も誤食が多い毒キノコとして知られる[2]

名称

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和名「オオシロカラカサタケ」は、カラカサタケMacrolepiota procera)の仲間で、傘は白色で大きく、傘は中央が高くなって開く様子が唐傘のように見えることから名付けられている[3]

学名は以前は Macrolepiota molybdites とされてきたが、現在は Chlorophyllum molybdites[1][3] の学名が与えられている。

分布と生息地

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温帯亜熱帯の湿潤気候を中心に広く分布し、日本では福島県以南に見られ、帰化キノコとされている[1][4]地球温暖化の影響で分布域を広げているといわれ、かつて日本でも見つけることが難しいキノコであったが、近年ではふつうに見られるようになった[3]

腐生菌[4](腐生性[3])。春から秋(あるいは夏から秋[3])にかけ、公園や庭園、堤防、畑のわきなどの芝生や草地などの地上に散生あるいは群生する[1][3]

形態

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は、色が白色からベージュ、大きさは成菌で直径7–30センチメートル[4]。幼菌は初め球形から鐘形(半球形)、成菌になるにつれて中央を高くして平らに開く[1][4]。幼菌には帯褐色の表皮に被われるが、中央部以外は成菌になるにつれて傘の外側から不規則に裂け、白い地肌の上に鱗片となって点在して残る[1][4]ヒダはやや密で柄に隔生し、幼菌は白色だが、成菌になると汚緑色(オリーブ色)になるのが特徴である[1][4]。傷がつくと褐色になる[4]胞子紋は緑色。

は長さ12–30センチメートル、色は汚れた白色から灰褐色の繊維状で、中空、上部に可動性でリング状のツバを有し、基部は砂や泥が付着していて肥大している[1][4]。オオシロカラカサタケの柄はカラカサタケに見られる褐色のささくれ模様がない。肉は白色で、はじめは密であるが成熟すると汚れた白色の綿塊状になり[1]、土臭い匂いで[4]、傷を付けると赤変する。[5]

毒性

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本種は強毒キノコで、近縁のカラカサタケ (O. procera) や、カラカサタケモドキ (Chlorophyllum rhacodes) と誤食し、病院へ搬送されたケースが報告されている[2]

毒成分は、マウス致死性毒のモリブドフィリシン、細胞毒のステロイド類であり、その他化合物としてアルカロイドの一種であるレピオチンA・Bが含まれる[1][4]

中毒症状は主に激しい消化器系の症状であり、嘔吐下痢、血圧低下、悪寒、ときに血便になるなど、多くの場合重度で、摂取後 30分から3時間で発生[1][6]。胃腸系の中毒としては重篤になる可能性があるが[4]、死に至った報告例はない[7]

脚注

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  1. ^ a b c d e f g h i j k 長沢栄史監修 2009, p. 118.
  2. ^ a b Beug, Michael W. An Overview of Mushroom Poisonings in North America. Archived 2010-05-20 at the Wayback Machine. The Mycophile, vol. 45(2):4-5, March/April 2004
  3. ^ a b c d e f 大作晃一 2015, p. 46.
  4. ^ a b c d e f g h i j k 吹春俊光 2010, p. 132.
  5. ^ How to not pass up a parasol and how not to”. 14 December 2017時点のオリジナルよりアーカイブ。24 May 2010閲覧。
  6. ^ Benjamin, Denis R. (1995). “Gastrointestinal syndrome”. Mushrooms: poisons and panaceas - a handbook for naturalists, mycologists and physicians. New York: WH Freeman and Company. pp. 351-377. ISBN 0-7167-2600-9 
  7. ^ Chlorophyllum molybdites”. Urban Mushrooms. 2020年9月25日閲覧。

参考文献

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関連項目

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外部リンク

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