コンテンツにスキップ

英文维基 | 中文维基 | 日文维基 | 草榴社区

オオスベトカゲ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
オオスベトカゲ
保全状況評価[1]
EXTINCT
(IUCN Red List Ver.3.1 (2001))
分類
ドメイン : 真核生物 Eukaryota
: 動物界 Animalia
: 脊索動物門 Chordata
亜門 : 脊椎動物亜門 Vertebrata
: 爬虫綱 Reptilia
: 有鱗目 Squamata
下目 : スキンク下目 Scincomorpha
: マブヤ科 Mabuyidae
: Chioninia
: オオスベトカゲ C. coctei
学名
Chioninia coctei
(Duméril[2] & Bibron1839)
シノニム
  • Euprepes coctei Duméril & Bibron, 1839
  • Charactodon coctei (Duméril & Bibron, 1839)
  • Gongylus coctei (Duméril & Bibron, 1839)
  • Macroscincus coctei (Duméril & Bibron, 1839)
英名
Cape Verde giant skink

オオスベトカゲChioninia coctei)はマブヤ科に分類される絶滅したトカゲの一種。

分類

[編集]

かつては単型Macroscincus 属に分類されていたが、分子系統解析では、他の大型トカゲ類との近縁性は否定され、カーボベルデに生息するマブヤ属 Mabuya の数種と近縁であるという結果が得られた[3]。その後本種は、他のカーボベルデ産マブヤと共にChioninia 属に移された。中でもChioninia spinalis と近縁であることが分かっている。Chioninia 属がカーボベルデに到達したのがおよそ1000万年前(中新世)、本種とChioninia spinalis が分化したのがおよそ700万年前と推定されている[4]

分布

[編集]

大西洋カーボベルデの一部であるバルラヴェント諸島ブランコ島ラソ島に生息していた。島の面積は小さく、合計でも10km2程度である。また、歴史的にはさらに広い分布域を持っていたようで、サン・ヴィセンテ島サンタ・ルシア島からも半化石化した遺骸が発見されている[1]

形態

[編集]

頭胴長30cm、全長60cm程度だった[4]。体色には3種あり、黄色型・灰色型・それらの中間型がいた。縞模様はなかったが、黄色から緑灰色の斑紋があった[5]

生態

[編集]

薄明薄暮性であったと考えられているが、絶滅しているため実態は不明である。雑食性で、海鳥の繁殖期(春)にはその卵や親鳥を、それが利用できない季節にはゼニアオイ類やその種子を食べていたと考えられる。体長と脚の長さの比から考えると、半樹上性であったと見られる[5]

人との関わり

[編集]

1784年ポルトガルのJose Dasilva Feijoによって発見された。もともとブランコ島もラソ島も地図にも載らないような小島でほとんど利用されていなかった。しかし、1833年流刑者がブランコ島に流され、自給自足生活を余儀なくされたため本種は捕獲されて食用にされた。また、腹の脂肪は傷薬として用いられた[5]

その後も島の植生の破壊が進み、半樹上性であった本種は打撃を受けた。また、植生破壊による土壌の流出や、偶発的な旱魃などの影響で個体数は急速に減少していった。飼育下繁殖の試みも行われたが、成功しなかった。1940年に絶滅が宣言された[5]

脚注

[編集]
  1. ^ a b "Chioninia coctei". IUCN Red List of Threatened Species. Version 2014.3. International Union for Conservation of Nature. 2013.
  2. ^ アンドレ・デュメリル (1774–1860) 動物学者(父) or オーギュスト・デュメリル (1812–1870) 動物学者(子)
  3. ^ Carranza, S., et al. (2001). “Parallel gigantism and complex colonization patterns in the Cape Verde scincid lizards Mabuya and Macroscincus (Reptilia: Scincidae) revealed by mitochondrial DNA sequences”. Proceedings of the Royal Society of London. Series B: Biological Sciences 268 (1476): 1595-1603. doi:10.1098/rspb.2001.1699. 
  4. ^ a b Miralles, Aurélien, et al. (2011). “An integrative taxonomic revision of the Cape Verdean skinks (Squamata, Scincidae)”. Zoologica Scripta 40 (1): 16-44. 
  5. ^ a b c d Schnirel, Brian L.. “SENI Biometric Analysis on the extinct Scincidae species: Macroscincus coctei”. 2015年2月6日閲覧。