オオズグロカモメ
オオズグロカモメ | |||||||||||||||||||||||||||
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保全状況評価 | |||||||||||||||||||||||||||
LEAST CONCERN (IUCN Red List Ver.3.1 (2001)) | |||||||||||||||||||||||||||
分類 | |||||||||||||||||||||||||||
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学名 | |||||||||||||||||||||||||||
Ichthyaetus ichthyaetus Pallas, 1773 | |||||||||||||||||||||||||||
和名 | |||||||||||||||||||||||||||
オオズグロカモメ | |||||||||||||||||||||||||||
英名 | |||||||||||||||||||||||||||
Great Black-headed Gull |
オオズグロカモメ(大頭黒鴎、学名:Ichthyaetus ichthyaetus)は、チドリ目カモメ科に分類される鳥類の一種である。
分布
[編集]ロシア南部から中央アジアにかけて局地的に繁殖する。冬期は紅海からインド沿岸に渡り越冬する。
日本では主に九州地方に冬鳥として渡来するが、数は少なく局地的である。現在定期的に渡来が確認されているのは、熊本県の球磨川河口付近だけである。
形態
[編集]全長約69cm。セグロカモメよりも大型なカモメである。夏羽は頭部が黒く眼の上下に白色部があり、背中や翼上面は青灰色で体の下面は白色である。嘴は黄色で先端部に黒色の帯がある。冬羽では頭部は白く、眼の周囲から後頭部にかけて黒斑が散らばっている。ただし、他の種類と比べて夏羽に換羽する時期が早く、2月頃に夏羽に換羽している個体もある。雌雄同色である。
生態
[編集]繁殖期には、内陸の湖沼や河川の周囲に生息する。非繁殖期には、内湾、干潟、河口に生息する。日本では、セグロカモメの群れに混じって1、2羽でいることが多い。
食性は動物食で、魚類、小哺乳類、昆虫類を捕食する。
繁殖形態は卵生。繁殖期は5-7月で地上に営巣し、2-3卵を産む。
鳴き声はアアー。
分類
[編集]本種は以前はカモメ属(Larus)に分類されていたが、2005年の分子系統研究により、従来のカモメ属が単系統群ではないことが指摘され[1]、新たにオオズグロカモメ属(Ichthyaetus)に分類されることになった。[2][3]
類似種と識別点
[編集]冬羽はキアシセグロカモメと似ているが、体が一回り大きいことと、顔に黒斑があること、翼先端の黒色部が小さいことから区別できる。
夏羽では、体の大きさから他種区別できる(頭部が黒いカモメ類の中では、本種は特に大型である)。
脚注
[編集]- ^ Pons, J.-M.; Hassanin, A.; Crochet, P.-A. (2005). “Phylogenetic relationships within the Laridae (Charadriiformes: Aves) inferred from mitochondrial markers”. Molecular Phylogenetics and Evolution 37 (3): 686-699. doi:10.1016/j.ympev.2005.05.011.
- ^ Gill F, D Donsker & P Rasmussen (Eds). 2024. IOC World Bird List (v14.2). doi : 10.14344/IOC.ML.14.1.
- ^ Clements, J. F., P. C. Rasmussen, T. S. Schulenberg, M. J. Iliff, T. A. Fredericks, J. A. Gerbracht, D. Lepage, A. Spencer, S. M. Billerman, B. L. Sullivan, M. Smith, and C. L. Wood. 2024. The eBird/Clements checklist of Birds of the World: v2024. Downloaded from https://www.birds.cornell.edu/clementschecklist/download/
参考文献
[編集]- 桐原政志 『日本の鳥550 水辺の鳥』、文一総合出版、2000年
- 真木広造、大西敏一 『日本の野鳥590』、平凡社、2000年