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オクタフルオロキュバン

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
オクタフルオロキュバン
識別情報
CAS登録番号 623570-55-8 チェック
PubChem 16746787
特性
化学式 C8F8
モル質量 248.07 g mol−1
外観 無色、昇華性
密度 2.429 g/cm3
融点

160.1-171.1 °C

関連する物質
関連物質 オクタニトロキュバン
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。

オクタフルオロキュバン(octafluorocubane)またはペルフルオロキュバン(perfluorocubane)は、分子式C
8
F
8
有機フッ素化合物であり、8個の炭素原子が立方体状に組み合わさり、それぞれの頂点にフッ素原子が付いた構造をしている。無色の昇華性固体である。長年理論的な興味の対象であったが、2022年に初めて合成された。X線結晶構造解析によれば、C–C結合距離(1.572 Å)は母化合物のキュバンにおける結合距離と等しい[1]

オクタフルオロキュバンはその特異な電子構造により、理論化学者から興味を持たれ[2]、2008年には内部に電子を受容することが理論的に予測された[3]。実際、合成されたオクタフルオロキュバンは一電子還元を受け易く、立方体内部に電子を捕捉した陰イオンC8F
8
を形成する[1][4]

オクタフルオロキュバンはChemical & Engineering News英語版米国化学会が発行する週刊誌)によって2022年の「今年の分子」に選ばれ、読者によるお気に入り分子の投票では第1位となった[5]

出典

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  1. ^ a b Sugiyama M, Akiyama M, Yonezawa Y, Komaguchi K, Higashi M, Nozaki K, Okazoe T (August 2022). “Electron in a cube: Synthesis and characterization of perfluorocubane as an electron acceptor”. Science 377 (6607): 756–759. doi:10.1126/science.abq0516. PMID 35951682. 
  2. ^ Pichierri, F. (2017). “Substituent effects in cubane and hypercubane: a DFT and QTAIM study”. Theor. Chem. Acc. 136: 114. doi:10.1007/s00214-017-2144-5. 
  3. ^ Karl K. Irikura (2008). “Sigma Stellation:  A Design Strategy for Electron Boxes”. J. Phys. Chem. A 112 (5): 983–988. doi:10.1021/jp710372p. 
  4. ^ Krafft MP, Riess JG (August 2022). “Perfluorocubane-a tiny electron guzzler”. Science 377 (6607): 709. doi:10.1126/science.adc9195. PMID 35951708. 
  5. ^ Leigh Krietsch Boerner (2022). “Check out C&EN’s molecules of the year for 2022”. C&EN 100 (44): 32–33. https://cen.acs.org/education/science-communication/CENs-Year-Chemistry-2022/100/i44#Check-out-CENs-molecules-of-the-year-for-2022. 

推薦文献

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