オクモミジハグマ
オクモミジハグマ | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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茨城県北部 2017年9月
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分類(APG III) | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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学名 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||
Ainsliaea acerifolia Sch.Bip. var. subapoda Nakai[1] | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||
和名 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||
オクモミジハグマ(奥紅葉白熊)[2] |
オクモミジハグマ(奥紅葉白熊、学名:Ainsliaea acerifolia var. subapoda )は、キク科モミジハグマ属の多年草。モミジハグマ(紅葉白熊、学名:Ainsliaea acerifolia )を分類上の基本種とする変種[2][3][4]。
特徴
[編集]地下茎があり、地中を横にはう。茎は直立し、高さは40-80cmになり、茎には長毛がまばらに生える。葉は茎の中部にやや輪生状に4-7枚つき、長さ5-13cmになる葉柄があり、葉身は長さ6-12cm、幅6-18cmの腎心形または円心形で、縁は掌状に7浅-中裂し、縁に鋸歯があり、葉の両面にまばらに軟毛が生える[2][3][4]。
花期は8-10月。頭状花序は穂状に多数つき、開花時には横向きになり、花柄は長さ2mmで、小さい苞がある。総苞は長さ12-15mmになる狭い筒形、総苞片は多列あり、覆瓦状に並び、乾いた膜質で、外片はごく短い広卵形、内片は長く幅2-3mmの長楕円形になる。頭花は3個の筒状花からなり、花冠は白色で、4-5裂し、左右相称、裂片は線形でよじれる。果実は長さ9.5mm、幅2mmになる無毛の痩果で、上端に長さ11mmになる羽毛状の冠毛がある[2][3][4]。
分布と生育環境
[編集]日本では、本州(中部地方から西側では日本海側)と九州の北部に分布し、山地の木陰に生育する[2][3][4]。日本以外では、朝鮮半島、中国に分布する[3][4]。
分類上の基本種であるモミジハグマは、本州の関東地方以西の太平洋側、四国、九州に分布し、深山の木陰に生育する[4]。オクモミジハグマと比べ、葉がより深く切れ込む[2][3]。
和名の由来
[編集]オクモミジハグマは、「奥紅葉白熊」のことで、「紅葉(もみじ)」は、葉の形がカエデ(もみじ)に似て、「奥」は、基本種のモミジハグマより北に分布するのでつけられた。また、「白熊(はぐま)」とは、ヤクの尾の毛でつくった槍や兜、僧侶の払子の飾りをいい、花冠の細長い裂片のようすを白熊(はぐま)に見立てたもの[5]。
ギャラリー
[編集]脚注
[編集]参考文献
[編集]- 佐竹義輔・大井次三郎・北村四郎他編『日本の野生植物 草本III合弁花類』、1981年、平凡社
- 高橋勝雄『山溪名前図鑑 野草の名前 秋・冬』、2003年、山と溪谷社
- 牧野富太郎原著、大橋広好・邑田仁・岩槻邦男編『新牧野日本植物圖鑑』、2008年、北隆館
- 門田裕一監修、永田芳男写真、畔上能力編『山溪ハンディ図鑑2 山に咲く花(増補改訂新版)』、2013年、山と溪谷社
- 米倉浩司・梶田忠 (2003-)「BG Plants 和名−学名インデックス」(YList)