オゴメ
表示
木の上で赤ちゃんの産声のような声で泣き、「オゴメ笑い」と呼ばれる特徴的な高笑いをするといわれる。姿を人に見せることはない[2]。木魂(木の精霊)の一種とする説もある[3]。
民俗学者・大間知篤三の著書『神津の花正月』では、三宅島の山中で笑い声をたてる怪鳥であり、別称をウグメとされている[4]。産女を鳥の妖怪とする伝承があるが、オゴメはそれに類するものとの説もある[5]。
延宝時代の怪談集『諸国百物語』にある「靏の林、うぐめの化け物の事」によれば、京の都の林に夜な夜な「うぐめ」という化け物が現れて赤ちゃんのような声で泣いたといい、ある者が正体を見極めようと刀で斬り落としたところ、その正体は大きなゴイサギだったという[1]。
脚注
[編集]- ^ a b 著者不詳 著「諸国百物語」、高田衛編・校中 編『江戸怪談集』 下、岩波書店〈岩波文庫〉、1989年(原著1677年)、166-168頁。ISBN 978-4-00-302573-4。
- ^ a b 大藤時彦他 著、民俗学研究所 編『綜合日本民俗語彙』 第1巻、柳田國男監修、平凡社、1955年、237頁。 NCID BN05729787。
- ^ 多田克己『幻想世界の住人たち』 IV、新紀元社〈Truth In Fantasy〉、1990年、36頁。ISBN 978-4-915146-44-2。
- ^ 千葉幹夫『全国妖怪事典』小学館〈小学館ライブラリー〉、1995年、64頁。ISBN 978-4-09-460074-2。
- ^ 村上健司編著『妖怪事典』毎日新聞社、2000年、77頁。ISBN 978-4-620-31428-0。