オスタップ・スリヴィンスキー
オスタップ・スリヴィンスキー Остап Сливинський Ostap Slyvynsky | |
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誕生 |
1978年10月14日 ウクライナ・ソビエト社会主義共和国, リヴィウ |
職業 | 詩人、エッセイスト、文芸評論家、翻訳者 |
言語 | ウクライナ語、ポーランド語、英語、ブルガリア語、マケドニア語、ベラルーシ語、ロシア語 |
国籍 | ウクライナ |
活動期間 | 20世紀-21世紀 |
代表作 |
Sacrifice of the Big Fish Midday Line Ball in the Darkness Adam The Winter King |
主な受賞歴 |
Antonych Literary Prize (1997) Hubert Burda Prize (2009) Kovaliv Fund Prize (2013) |
ウィキポータル 文学 |
オスタップ・スリヴィンスキー (ウクライナ語:Остап Сливинський; ロシア語: Остап Сливинский; 英語:Ostap Slyvynsky, 1978年10月14日 - ) は、ウクライナの詩人、エッセイスト、翻訳家、文芸評論家、研究者である[1]。詩集をいくつか出版し、国内外の文学賞を受賞している。また海外の小説をいくつもウクライナ語に翻訳している[2]。ウクライナ・カトリック大学准教授、ペン・ウクライナ副代表[3]。
経歴
[編集]スリヴィンスキーはウクライナのリヴィウで生まれた[2]。2007年にリヴィウ大学スラブ言語文学研究所で博士課程を修了した[4]。彼の博士論文「沈黙の現象」は、1960年代から1990年代にかけてのブルガリア人作家の作品を分析したものである[4]。
詩作と並行して、スリヴィンスキーはさまざまな出版物にも寄稿し、現代文学やベラルーシ文学のアンソロジーを編纂している[5]。彼はまた文芸雑誌『レーダー』の編集者でもある[4]。リヴィウ大学でポーランド語とポーランド文学も講じている[1][6]。2006年と2007年には同大学で開催された国際文学祭の企画運営にも携わった[5]。
スリヴィンスキーはリヴィウに住んでいる。ウクライナ・カトリック大学文芸学科准教授で、中東欧文学・比較文学を教えている[3]。
作品
[編集]2009年までに、スリヴィンスキーは4冊の詩集を出版し、それらは全て11の言語に翻訳された[4]。彼の詩のスタイルは不安定で、連想やイメージだけでなく言語や歴史や政治を反映している[4]。彼の詩はアントニッチ文学賞(1997年)、ヒューバート・ブルダ賞(2009年)、コヴァリフ基金賞(2013年)を受賞している[1][2][6]。
スリヴィンスキーが翻訳した本の著者には、チェスワフ・ミウォシュ、ハンナ・クラル、アンジェイ・スタシュク、オルガ・トカルチュク、ミコライ・ロジンスキー、イグナシー・カルポヴィッツ、デレック・ウォルコット、ウィリアム・カーロス・ウィリアムズ、ジェームス・テイト、そしてゲオルギ・ゴスポディノフがいる[7]。彼の翻訳はウクライナ政府に表彰され、2014年にはポーランド文化功労勲章を受章した[7]。
作曲家ボダン・セヒンと共に、スリヴィンスキーは2015年にメディア・パフォーマンス「準備」を上演したが、これはウクライナ東部の犠牲者に捧げられている[8]。
2020年4月から8月にかけて行われた、世界48か国の詩人によるパンデミック時代の連歌に参加した[9]。
ロシアのウクライナ侵攻に伴う避難者の証言を聞きとり、2023年5月に文芸ドキュメント「戦争語彙集」を出版。同年12月日本文学研究者ロバート・キャンベルが現地を訪ねた記録とともに、日本語翻訳版を出版。
詩
[編集]- Sacrifice of Big Fish, (Lviv, 1998)
- Midday Line, (Khmelnyts'ky-Kyiv, 2004)
- Ball in the Darkness (Kyiv, 2008)
- Driven by Fire (2009)
- Adam, (Chernivisti, 2012)
- The Winter King, (Lviv, 2018)[1]
翻訳
[編集]- Running Fire by Bohdan Zadura, (Wrocław, 2009).
- Sand and Wine by Valéria Juríčková, (Brno, 2015).
- Orpheus by Stanislav Belsky, (Dnipro, 2017)
アンソロジー
[編集]- The Frontier: 28 Contemporary Ukrainian Poets. An Anthology, translated by Anatoly Kudryavitsky. London: Glagoslav Publications, 2017. ISBN 978-1-911414-48-3
- 戦争語彙集 / オスタップ・スリヴィンスキー作;ロバート・キャンベル訳著, 岩波書店, 2023.12 ISBN 978-4-00-061616-4[10]
脚注
[編集]- ^ a b c d 『月の光がクジラの背中を洗うとき = AIRBORNE PARTICLES : 48カ国108名の詩人によるパンデミック時代の連歌』クオン、2022年2月、99頁。ISBN 978-4-910214-31-3。
- ^ a b c “Ostap Slyvynsky” (英語). PEN Ukraine. 2021年2月24日閲覧。
- ^ a b オスタップ・スリヴィンスキー 著、ロバート・キャンベル 訳『戦争語彙集』岩波書店、2023年12月、奥付頁。ISBN 978-4-00-061616-4。
- ^ a b c d e “Ostap Slyvynsky — internationales literaturfestival berlin”. www.literaturfestival.com. 2021年2月24日閲覧。
- ^ a b “Ostap Slyvynsky - 1 Artikel - Perlentaucher”. www.perlentaucher.de. 2021年2月25日閲覧。
- ^ a b Kudryavitsky, Anatoly (2018) (英語). The Frontier: 28 Contemporary Ukrainian Poets: An Anthology (A Bilingual Edition). Glagoslav Publications. ISBN 978-1-911414-50-6
- ^ a b “Ostap Slyvynsky” (英語). The Center for the Humanities. 2021年2月24日閲覧。
- ^ “OSTAP SLYVYNSKY” (英語). Modern Poetry in Translation. 2021年2月27日閲覧。
- ^ 『月の光がクジラの背中を洗うとき』クオン、61頁。
- ^ 戦争語彙集 - 岩波書店