オスヴェトニク (潜水艦)
オスヴェトニク (Osvetnik) はユーゴスラビア海軍の潜水艦。オスヴェトニク(またはスメリ)級。
フランス、ナントのロワール造船所で建造[1]。1927年起工[1]。1929年1月14日進水[2][3]。同年11月26日就役[1]。1929年12月9日に「オスヴェトニク」と「スメリ」はコトル湾に到着した[4]。
1930年、「オスヴェトニク」などユーゴスラビアの潜水艦4隻はベイルートやアレクサンドリアを訪問[5]。1933年9月、「オスヴェトニク」は潜水艦「Nebojša」とともに地中海中央部の南側を巡行した[6]。1935年8月には潜水艦「フラブリ」とともにマルタを[7]、1936年8月には「ネボージャ」とともにコルフ島を訪問した[8]。
1941年4月6日、枢軸国軍によるユーゴスラビア侵攻が始まる。ザダル攻撃支援のための艦隊派遣で「オスヴェトニク」も候補にあがったが、この作戦は4月10日のクロアチア独立国の建国宣言により中止となった[9]。「オスヴェトニク」をエジプトへ脱出させるという提案もあったが、乗員の反対にあい[10]、4月17日に「オスヴェトニク」はコトル湾においてイタリア第17軍団に捕獲されることとなった[11][12]。
「オスヴェトニク」は「N1」と称された[10]。「N1」(旧「オスヴェトニク」)とともにラ・スペツィアで改装がなされ、司令塔は作り替えられ、40㎜対空砲は撤去されてブレダ13.2㎜機銃が2基搭載された[10]。これにより水上排水量は665英トン (676 t) 、水中排水量は822英トン (835 t) となった[13]。
1941年4月25日、「フランチェスコ・リスモンド (Francesco Rismondo)」と改名[10]。
潜水時の安定性や良好な潜航時間にもかかわらず、艦齢や潜航深度の浅さから用途は訓練や実験用に限られた[13]。最初はポーラの潜水艦学校に、次いでラ・スペツィアの対潜学校に配置された[1]。
イタリアの降伏後、1943年9月14日にボニファシオでドイツに捕獲され、9月18日に沈められた[2]。
要目
[編集]- 排水量:水上630英トン (640 t)、水中809英トン (822 t)
- 全長:66.5m(218フィート2インチ)
- 幅:5.4m(17フィート9インチ)
- 吃水:3.8m(12フィート6インチ)
- 機関:MANディーゼル機関2基(1,480馬力)、Nancy電動機2基(1,000馬力)、2軸
- 速力:水上14.5ノット、水中9.2ノット
- 兵装:550㎜魚雷発射管6、100㎜砲1、40㎜対空砲1
脚注
[編集]- ^ a b c d Warships of the Royal Yugoslav Navy 1918-1945, p. 172
- ^ a b Chesneau 1980, p. 358.
- ^ Warships of the Royal Yugoslav Navy 1918-1945, p. 170では2月24日、p. 172では1月24日進水となっている
- ^ Jarman 1997b, p. 183.
- ^ Warships of the Royal Yugoslav Navy 1918-1945, p. 170
- ^ Jarman 1997b, p. 453.
- ^ Jarman 1997b, p. 641.
- ^ Jarman 1997b, p. 738.
- ^ Adriatic Naval War 1940-1945, p. 97
- ^ a b c d Warships of the Royal Yugoslav Navy 1918-1945, p. 171
- ^ Bagnasco 1977, p. 251.
- ^ Terzić 1982, p. 457.
- ^ a b Bagnasco 1977, pp. 170–171.
参考文献
[編集]- Bagnasco, Erminio (1977). Submarines of World War Two. Annapolis, Maryland: Naval Institute Press. ISBN 978-0-87021-962-7
- Chesneau, Roger, ed (1980). Conway's All the World's Fighting Ships, 1922–1946. London, England: Conway Maritime Press. ISBN 978-0-85177-146-5
- Jarman, Robert L., ed (1997b). Yugoslavia Political Diaries 1918–1965. 2. Slough, Berkshire: Archives Edition. ISBN 978-1-85207-950-5
- Terzić, Velimir (1982) (Serbo-Croatian). Slom Kraljevine Jugoslavije 1941: Uzroci i posledice poraza [The Collapse of the Kingdom of Yugoslavia in 1941: Causes and Consequences of Defeat]. 2. Belgrade, Yugoslavia: Narodna knjiga. OCLC 10276738
- Zvonimir Freivogel, Achille Rastelli, Adriatic Naval War 1940-1945, Despot Infinitus, 2015, ISBN 978-953-7892-44-9
- Zvonimir Freivogel, Warships of the Royal Yugoslav Navy 1918-1945, Yugoslav Warships and their Fates Volume 1, Despot Infinitus, 2020, ISBN 978-953-8218-72-9