総武流山電鉄3000形電車
総武流山電鉄3000形電車(そうぶながれやまでんてつ3000がたでんしゃ)は、流鉄が総武流山電鉄時代の1999年に西武鉄道(西武)から譲受して運用を開始した通勤形電車。
本項では、2010年から運用を開始した流鉄5000形電車(りゅうてつ5000がたでんしゃ)についても記述する。
3000形
[編集]流鉄3000形電車 | |
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3001編成「流星」 (2007年11月9日 流山) | |
基本情報 | |
製造所 | 西武鉄道所沢車両工場 |
製造年 | 1970年 |
改造所 | 西武鉄道所沢車両工場 |
改造年 | 1999年 |
改造数 | 3両編成2本(6両) |
主要諸元 | |
編成 | 3両編成 |
軌間 | 1,067 mm |
電気方式 | 直流1,500V(架空電車線方式) |
台車 | 住友金属工業FS372 |
主電動機 | 直巻整流子電動機 |
駆動方式 | 中空軸平行カルダン |
制御装置 | 抵抗制御MMC-HTB-20E |
在来車1200形・1300形の置き換えのため、1999年に西武旧101系の4両編成2本を3両編成化して譲受したもの。2000形に続き側面にN字形の帯を配したデザインとなっている。3両編成化に際し、種車のうちモハ101形偶数車に、クハ1101形偶数車の運転台を接合して先頭車化を行っている。形式は、馬橋寄り車両が制御車クハ30形、中間車が主制御器と菱形パンタグラフ2基を装備した電動車モハ3100形、流山寄り車両が制御電動車クモハ3000形である。なお、本系列は西武旧101系で唯一の他事業者への譲渡事例である。なお、置き換え対象となる1200形・1300形は元々1987年まで西武線で運用されてきた501系・551系を改造したものであり、西武線での世代交代を12年ぶりに総武流山電鉄で再現した形となった。
2010年1月20日の全列車2両編成化により定期運用から離脱し、「流星」は同年8月29日[1]、「若葉」は2011年5月15日[2]のさよなら運転をもって運用を終了し、廃車となった。
3000形 編成表
← 馬橋 流山 →
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製造 | 改造[3] | 愛称 | 塗色 | |||||
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形式 | クハ30 (Tc) |
◇ ◇ モハ3100 (M1) |
クモハ3000 (Mc2) | ||||||
地色 | 帯色 | ||||||||
車両番号 (西武時代) |
31 (1135) |
3101 (135) |
3001 (136+1136) |
1970 | 所工 | 1999.03 | 流星(2代) [注 1] |
■橙色 | ■白 |
32 (1131) |
3102 (131) |
3002 (132+1132) |
1999.07 | 若葉(2代) [注 2] |
■黄緑 [注 3] |
■白 |
所工:西武鉄道所沢車両工場
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3002編成「若葉」
(2007年12月7日 平和台 - 鰭ヶ崎間)
5000形
[編集]流鉄5000形電車 | |
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5001編成「流馬」 (2010年5月25日 鰭ヶ崎-小金城趾) | |
基本情報 | |
製造所 |
東急車輛製造 西武鉄道所沢車両工場 |
製造年 | 1979年 - 1982年 |
改造所 |
西武車両→西武鉄道武蔵丘車両検修場(外装のみ) 日本電装 |
改造年 | 2010年 - 2013年 |
改造数 | 2両編成5本(10両) |
主要諸元 | |
編成 | 2両編成 |
軌間 | 1,067 mm |
電気方式 | 直流1,500V(架空電車線方式) |
台車 | 住友金属工業FS372 |
主電動機 | 直巻整流子電動機 |
駆動方式 | 中空軸平行カルダン |
制御装置 | 抵抗制御MMC-HTB-20E |
つくばエクスプレス開業後の流山線の合理化の一環として、定期列車を終日ワンマン運転の2両編成とするため、2009年以降に西武新101系の2両編成を譲受したもの。3000形とは編成の向きが逆である。編成両車とも制御電動車で、形式は馬橋寄り車両がクモハ5100形、流山寄り車両が主制御器と菱形パンタグラフ2基を装備したクモハ5000形である。
西武鉄道の武蔵丘車両検修場にて外装のみ流鉄仕様に変更(塗装変更と側面の車番プレート取付を実施、一部編成は全般検査も併施)した上で流山検車区に搬入、その後日本電装の出張工事により各種改造が行われた[4]。具体的にはワンマン化・バリアフリー化や各種保安装置の変更、外観としては前面の愛称板の取付と行先表示器のLED化、種別表示器の内容変更(「ワンマン」「各駅停車」「BEER列車」などが含まれるものへ)などが行われている。
2009年に5001編成が武蔵丘車両検修場で改造され、6月17日に流鉄カラーとなり同所から南入曽車両基地まで[5]移動の後、6月22日甲種輸送された[6]。2009年度冬からの運行開始が駅の掲示板で告知され、2010年1月20日、3日後のダイヤ改正に先立って営業運転を開始した[7]。その後2013年までに全5編成が導入され、在来形式をすべて置き換えた。
なお、5003編成は2011年6月5日に西武鉄道の武蔵丘車両検修場で開催された「西武・電車フェスタ2011 in 武蔵丘車両検修場」にて、塗装変更後の状態で展示されている[8]。
導入後の変化
[編集]塗装変更
[編集]竣工から10年ほど経つと全般検査に伴い車体の再塗装が行われるが、これを機に塗色を変更した編成がある。
5001編成は2017年7月30日のさよなら運転をもって「流馬」としての運転を終了[9][10]。全般検査とあわせて塗装を変更し、2018年8月20日の試運転の後、同23日より「さくら」として営業運転を開始した[11]。
5002編成「流星」は2019年夏に白帯での運転を終了。帯色を白から青へ変更し[12]、2020年1月20日の試運転の後[13]、同21日より営業運転を再開した[14]。
5004編成「若葉」は、2021年秋に従来の塗色での運転を終了。車体色を黄緑地の白帯から翡翠色地の濃緑帯へと変更し、2022年11月22日の試運転の後、12月1日より営業運転を再開した[15][16]。同時に車内のつり革の一部が緑色に変更されたほか、これまで全編成で黒色だった表記文字が白色に変更された。
なお、5003編成「あかぎ」・5005編成「なの花」はそのままの塗色で全般検査を行っている。
混色編成(オムライス電車)
[編集]2021年から2024年にかけて、「あかぎ」「なの花」の編成を組み替えた混色編成が運転されていた。これは2021年11月に、5005編成「なの花」の不具合と5003編成「あかぎ」の全般検査などが重なって編成が不足したことに起因する。このとき先に検査を終えたクモハ5003(赤色)と、問題のなかったクモハ5105(黄色)によって、流山方から赤色+黄色となる混色編成が組成され、11月29日の試運転の後[17]、同30日より営業運転を開始した[18]。当初は特に名前が定まっていなかったが、2022年6月以降、公式Webサイトのお知らせにて、両車の塗装をケチャップと鶏卵になぞらえ「オムライス電車」の名称が使用されている。
2022年2月にはクモハ5005(黄色)の修理とクモハ5103(赤色)の検査が終了したが、混色編成が好評だったこともあってそのまま流山方から黄色+赤色の混色編成を組成した。2月19日に試運転を行い、同日中に営業運転を開始[19][20]。
混色編成はその後、2023年8月に5005編成「なの花」の検査入場に伴い運用を終了。再び編成を組み替え、5005編成「あかぎ」は8月30日に試運転を実施、31日より営業運転を再開した[21]。5003編成「なの花」は全般検査の後、2024年10月28日に試運転を実施、30日より営業運転を再開している[22]。
その他
[編集]5003編成「あかぎ」は2024年8月に形式・検査等の車体表記の文字が白色に変更された。
5005編成「なの花」は2024年の全般検査に際して屋上の通風器を全て撤去した。
編成
[編集]5000系 編成表
← 馬橋 流山 →
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製造 | 輸送時期 | 営業運転開始 | 愛称 | 塗色 | 備考 | ||||
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形式 | クモハ5000 (Mc2) |
◇ ◇ クモハ5000 (Mc1) | ||||||||
地色 | 帯色 | |||||||||
車両番号 (西武時代) |
5101 (274) |
5001 (273) |
1982 | 所工 | 2009.06 [23] |
2010.01.20 [7] |
さくら | ■薄ピンク | ■濃ピンク | 当初は「流馬」(3代)[注 4] ■水色地・■白帯。 |
5102 (276) |
5002 (275) |
2010.09 [24] |
2011.03.11 [25] |
流星(3代) [注 5] |
■橙色 | ■青 | 当初は■白帯。 | |||
5103 (278) |
5003 (277) |
2011.10 [26] |
2012.03.14 [27] |
あかぎ(2代) [注 6] |
■臙脂色 | ■白 | ||||
5104 (288) |
5004 (287) |
1979 | 東急 | 2012.09 [28] |
2012.12.03 [29] |
若葉(3代) [注 7] |
■翡翠色 | ■濃緑 | 当初は■黄緑地・■白帯。 | |
5105 (272) |
5005 (271) |
1982 | 所工 | 2013.09 [30] |
2013.12.06 [31] |
なの花(3代) [注 8] |
■黄色 | ■黄緑 |
所工:西武鉄道所沢車両工場
東急:東急車輛製造
当初のカラーバリエーション
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5001編成「流馬」時代
(2010年8月29日 鰭ヶ崎 - 平和台) -
5002編成「流星」旧塗装
(2011年5月15日 鰭ヶ崎 - 平和台) -
5003編成「あかぎ」
(2019年5月18日 流山) -
5004編成「若葉」旧塗装
(2015年9月21日 小金城趾 - 鰭ヶ崎) -
5005編成「なの花」開業100周年・『普通の女子校生が【ろこどる】やってみた。』コラボレーション記念装飾
(2015年9月21日 鰭ヶ崎-小金城趾)
塗装変更後の姿と混色編成
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5001編成「さくら」
(2020年9月7日 幸谷 - 馬橋) -
5002編成「流星」新塗装
(2021年2月2日 幸谷 - 馬橋) -
5004編成「若葉」新塗装
(2023年1月21日 平和台 - 鰭ヶ崎) -
クモハ5005+クモハ5103による混色編成「オムライス電車」
(2023年5月4日 平和台 - 鰭ヶ崎)
脚注
[編集]注釈
[編集]出典
[編集]- ^ “流鉄で「流星」のさよなら運転”. 鉄道ファン・railf.jp (2010年8月30日11:49 掲載) .
- ^ “流鉄3000系「若葉」が,さようなら運転”. 鉄道ファン・railf.jp (2011年5月16日19:22 掲載) .
- ^ 『鉄道ピクトリアル』新車年鑑1999年版・2000年版
- ^ 『とれいん』2016年8月号(通巻500号)MODELERS FILE 5編成5色の個性派電車 流鉄5000形観察記
- ^ “流鉄色となった新101系が出場”. 鉄道ファン・railf.jp (2009年6月18日16:20 掲載) .
- ^ “流鉄5000系が甲種輸送される”. 鉄道ファン・railf.jp (2009年6月23日15:56 掲載) .
- ^ a b “流鉄5000形(3代目「流馬」)が営業運転を開始”. 鉄道ファン・railf.jp (2010年1月21日17:38 掲載) .
- ^ “【西武】「西武・電車フェスタ2011 in 武蔵丘車両検修場」を開催”. 鉄道ホビダス (2011年6月7日18:15 掲載) .
- ^ “5000形「流馬」さようなら記念運転について”. 流鉄 (2017年6月12日). 2017年6月17日閲覧。
- ^ “流鉄の5000形「流馬」が来春にも装いを新たに…7月30日にさよなら運行”. レスポンス (2017年6月13日). 2017年6月17日閲覧。
- ^ “流鉄「さくら」号が営業運転を開始”. 鉄道ファン. railf.jp 鉄道ニュース (交友社). (2018年8月24日)
- ^ 流星号の再デビューについて - お知らせ(流鉄)
- ^ 流星号試運転のため1月20日(水)一部の電車の運転時刻を変更します。 - お知らせ(流鉄)
- ^ 流星号の運用開始について - お知らせ(流鉄)
- ^ 若葉号の運用開始について - お知らせ(流鉄)
- ^ 流鉄5000形「若葉号」の塗装が変更される
- ^ 電車の試運転のため11月29日(月)一部の電車の運転時刻を変更します。 - お知らせ(流鉄)
- ^ 交友社 (2021年12月3日). “流鉄5000形、混色編成で運転”. 2021年12月29日閲覧。
- ^ 電車の試運転のため2月19日(土)一部の電車の運転時刻を変更します。 - お知らせ(流鉄)
- ^ Mc5005+Mc5103編成の運用開始について - お知らせ(流鉄)
- ^ あかぎ号の運用開始について - お知らせ(流鉄)
- ^ 「なの花」号の運用開始について - お知らせ(流鉄)
- ^ 交友社 (2013年12月7日). “流鉄5000形,三代目「なの花」号が営業運転を開始”. 2012年12月7日閲覧。
- ^ 交友社 (2010年9月28日). “流鉄5000系第2編成が甲種輸送される”. 2010年9月30日閲覧。
- ^ 交友社 (2011年3月20日). “流鉄5000系「流星」が営業運転開始”. 2011年6月6日閲覧。
- ^ 交友社 (2011年10月18日). “流鉄5000系が甲種輸送される”. 2011年10月18日閲覧。
- ^ 交友社 (2012年3月20日). “流鉄 二代目「あかぎ」が営業運転を開始”. 2011年7月17日閲覧。
- ^ 交友社 (2012年9月11日). “もと西武鉄道新101系が流鉄へ”. 2012年9月12日閲覧。
- ^ 交友社 (2012年12月7日). “流鉄5000形第4編成が営業運転を開始”. 2012年12月7日閲覧。
- ^ 交友社 (2013年9月10日). “流鉄5000形が甲種輸送される”. 2013年9月10日閲覧。
- ^ 交友社 (2013年12月7日). “流鉄5000形,三代目「なの花」号が営業運転を開始”. 2012年12月7日閲覧。
参考文献
[編集]- 寺田裕一『ローカル私鉄車輌20年 路面電車・中私鉄編』JTB(現、JTBパブリッシング)〈JTBキャンブックス〉、2003年4月。ISBN 4-533-04718-1。
関連項目
[編集]他社の西武新101系譲渡車