コンテンツにスキップ

英文维基 | 中文维基 | 日文维基 | 草榴社区

オルカ (映画)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
オルカ
Orca
監督 マイケル・アンダーソン
脚本 ルチアーノ・ヴィンチェンツォーニ
セルジオ・ドナティ
ロバート・タウン
(クレジットなし)
製作 ルチアーノ・ヴィンチェンツォーニ
製作総指揮 ディノ・デ・ラウレンティス
出演者 リチャード・ハリス
シャーロット・ランプリング
音楽 エンニオ・モリコーネ
撮影 テッド・ムーア
編集 マリオン・ロスマン
ラルフ・E・ウィンターズ
ジョン・ブルーム
配給 アメリカ合衆国の旗 パラマウント映画
日本の旗 東宝東和
公開 アメリカ合衆国の旗 1977年7月15日
日本の旗 1977年12月17日
上映時間 92分
製作国 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
イタリアの旗 イタリア
言語 英語
配給収入 日本の旗 6億4000万円[1]
テンプレートを表示

オルカ』(Orca)は、1977年マイケル・アンダーソン監督によるアメリカ・イタリア合作のパニック映画

概要

[編集]

1975年の映画『ジョーズ』の大ヒット後、その影響で多数製作された動物パニック映画の一本にあたる。日本においては、「マリーン・サイエンス」または「Scientific・Panic・Adventure・Cinemaの頭文字を取った“スパック(SPAC)・ロマン”というカテゴリーの映画」との触れ込みで公開された。シャチを「本能で行動する獰猛な野生動物」ではなく「高い知能を持ち、家族愛から復讐する」と設定するなど、他の動物パニック映画とは趣が異なる。

製作は『キングコング』(1976)で知られるディノ・デ・ラウレンティス

脚本はルチアーノ・ヴィンチェンツォーニが海洋学者の弟の助言を参考に書き上げた[2]

1200万ドル強と1年2ヶ月を費やして制作され[2]、酒豪であるリチャード・ハリスは禁酒して撮影に臨んだ[2]

タイトルの『オルカ』はシャチ学名であるOrcinus orcaから取られている。

日本では同時期に公開された『カプリコン・1』と共に東宝東和創立50周年記念作品として[3]上映されている。

国内ビデオ版ではエンディングのボーカルが省かれていた[2]が、DVD版では英語音声時のみ流れるようになった。

ストーリー

[編集]

アイルランド人の船長ノーランは、サメを捕獲して水族館に売る計画を立てた。彼の船にはベテラン船員のノバックと若いポール、ポールの恋人のアンが乗り込んでいた。カナダニューファンドランド島に到着したノーランは、巨大で美しいオルカ(シャチ)を目撃し、オスのオルカを生け捕りにしようとするが、誤って隣にいた妊娠中のメスのオルカに銛を撃ってしまい、お腹にいる子供もろとも死なせてしまう。

妻子を失ったオスのオルカは、ノーランの船を攻撃してノバックを殺した。現地調査中だった海洋生物学者のレイチェルはノーランに、オルカが人間と同等以上の知性を持ち、家族の死を悲しんで復讐心に燃えているのだと語った。

オルカは容赦なく港を攻撃し、漁民の船や町の施設を破壊した。ノーランは、部下だけは陸路で帰そうとしたが、漁港の人々はそれを許さず、遂にはアンが足を噛み千切られた。救急搬送されたアンに代わって、レイチェルらが乗り込んだ船は、オルカの待つ海に出港した。

ノーランらを従えて一路、北極海を目指し北上するオルカ。氷山の多い危険な海域で、乗組員たちは一人また一人と死んで行った。遂にはノーランとレイチェルだけとなり、沈みかけた船から氷山に乗り移る二人。ノーランはオルカとの死闘に破れ、救難信号で駆け付けたヘリコプターが発見したのは、レイチェル一人きりだった。

キャスト

[編集]
役名 俳優 日本語吹き替え
TBS 日本テレビ
ノーラン リチャード・ハリス 宮部昭夫 羽佐間道夫
レイチェル シャーロット・ランプリング 二宮さよ子 新橋耐子
ウミラク ウィル・サンプソン 塩見竜介 細井重之
アニー ボー・デレク 佐久間あい 佐々木優子
ケン ロバート・キャラダイン 塩沢兼人 東富士郎
ノバック キーナン・ウィン 大久保正信 金井大
ポール ピーター・ホーテン 日高晤郎 小島敏彦
スウェイン スコット・ウォーカー 江角英明 坂口芳貞
牧師 藤本譲
スタンド係 稲葉実
演出 長野武二郎
翻訳 大野隆一
効果
調整 遠西勝三
制作 ニュージャパンフィルム
解説
初回放送 1979年4月16日
月曜ロードショー』※ノーカット
1982年6月9日
水曜ロードショー

※TBS版の日本語吹替はDVD&BD収録

スタッフ

[編集]

その他

[編集]

石原プロモーション製作のテレビドラマ『大都会 PARTII』の第44話『殺人捜査』(1978年1月31日放送)では、容疑者がアリバイとして本作を映画館で鑑賞していたというシーンがあり、本作の日本向けポスターも登場している。

また、作中のシャチを演じたうちの1頭である「キアヌ」は、のちに日本のワールドサファリ(現・アドベンチャーワールド)に搬入されショーに出演した[4]

脚注

[編集]
  1. ^ 『キネマ旬報ベスト・テン85回全史 1924-2011』(キネマ旬報社、2012年)370頁
  2. ^ a b c d DVD収録のプロダクションノートより。
  3. ^ 日本公開当時のポスターより。
  4. ^ 谷口一久・大出庸子『いつか、オルカ』アワーズ 2007年 ISBN 978-4-9903598-1-2

外部リンク

[編集]