オレオモナス・サガラネンシス
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オレオモナス・サガラネンシス | |||||||||||||||||||||
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分類 | |||||||||||||||||||||
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学名 | |||||||||||||||||||||
"Oleomonas sagaranensis" T Kanamori et al. 2002(裸名)[1] |
オレオモナス・サガラネンシス(Oleomonas sagaranensis)は、グラム陰性の石油生成・分解[要検証 ]細菌。1993年に京都大学大学院の今中忠行らにより静岡県の相良油田から単離された[2]。新属新種であるとして2002年に命名・報告された[1][3]。本種は、様々な直鎖状炭化水素や芳香族化合物を効率よく分解するとともに、嫌気性下で水素をエネルギー源、二酸化炭素を炭素源として培養した場合に菌体内に炭化水素を蓄積する特性を有すると当初は報告された[4]。しかし、2002年の論文では嫌気性条件での生育はむしろ否定されており、生育可能なのは微好気性条件下である可能性が示唆されている[1]。また、炭素固定能力についても言及されていない。また、本種がメタンハイドレートに関係している可能性も指摘されたが[1]、後の研究においては否定的な結果が得られている[5]。
→「石油 § 石油分解菌説」も参照
脚注
[編集]- ^ a b c d Kanamori, Takeshi; Rashid, Naeem; Morikawa, Masaaki; Atomi, Haruyuki; Imanaka, Tadayuki (2002-12). “Oleomonas sagaranensis gen. nov., sp. nov., represents a novel genus in the α- Proteobacteria” (英語). FEMS Microbiology Letters 217 (2): 255-261. doi:10.1111/j.1574-6968.2002.tb11484.x .
- ^ “Isolation of a new mixotrophic bacterium which can fix CO2 and assimilate aliphatic and aromatic hydrocarbons anaerobically [1993]”. Agricultural Science and Technology (AGRIS). 2021年8月19日閲覧。
- ^ ただし、2013年時点ではValidation Listsに記載されておらず、国際細菌命名規約に準拠する学名ではない
- ^ 今中忠行「極限環境微生物の探索と利用」『生物工学会誌』第80巻第1号、日本生物工学会、2002年1月、2-9頁、ISSN 09193758、NAID 110002933942、NDLJP:10514077。
- ^ 長沼毅「陸上深部地下生物圏の研究
―人間社会との関わり―」『地學雜誌』第122巻第2号、東京地学協会、2013年、363-384頁、doi:10.5026/jgeography.122.363、ISSN 0022-135X、NAID 130003373641。
関連項目
[編集]外部リンク
[編集]- 今中忠行「極限微生物は面白い」『生物機能開発研究所紀要』第9巻、中部大学生物機能開発研究所、2009年3月、11-38頁、ISSN 1880-7941、NAID 120006518389。
- 北海道大学森川正章研究室:油田細菌
- 森川正章「細菌によるバイオサーファクタント生産と石油代謝に関する研究」大阪大学 博士論文(工学)乙第6457号、1994年、NAID 500000115503。
- 金森武「Identification of Oleomonas sagaranensis gen. nov., sp. nov., and studies on a novel urea assimilating pathway in Bacteria / 新属新種細菌Oleomonas sagaranensisの同定及び細菌における新規尿素資化経路に関する研究」京都大学 博士論文 (工学)甲第11200号、2004年、NAID 500000284967。